二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *ココロコネクト*異常×日常 ( No.5 )
- 日時: 2012/10/20 14:34
- 名前: グリーンティー (ID: PCp3bZQ1)
*一章*
—圭吾side—
俺が山星高校に転入してから一か月がたった。
だんだん、クラスの中でも話せる人が増えてきて…
何事もなく…まぁまぁな学校生活を送っている。
—と、思っていた。
その日の放課後までは。
◇ ◆ ◇ ◆
ガチャッ…。
「オッス…って、稲葉に八重樫に永瀬…お前ら、早いな。」
「おっ…良い所に来たな。圭吾。」
「うん。グッドタイミングだ。羽鳥っち。」
稲葉と永瀬がこちらに向かって嫌な笑みを浮かべている。
なんだ??よく分からないが、嫌な…予感がする。
「なっ…なんだよ…。」
八重樫に視線を移すと、八重樫もなんだか
困った顔をしてる。
なんなんだ??八重樫はいったい、2人に何を言われたのだ??
よく、分かっていない俺に永瀬と稲葉が話し出した。
「——と、言うことなんだけどさ…
羽鳥っちは私と稲葉んのどっちに
脱いでほしい??」
自分に突き付けられた難題に俺は頭を抱え込む。
この二人は…俺にどんな解答を求めているんだろう??
真剣に分からない。
「ちなみに、太一は両方脱げ…だ、そうだ。」
稲葉が付け足して言う。
そうか…八重樫は両方に脱いでほしいのか…。
隣りで八重樫がなんだか泣きそうな顔になっているのは…
面倒くさいから、つっこまない。
俺が頭を悩ませているときに…文研部の部室の扉が開いた。
扉に視線を移すと…どこか様子のおかしい桐山と青木がいた。
あまりにも顔色とかが悪いので、
俺はそれとなく、桐山と青木に聞く。
「どうしたんだよ??お前ら…なんか、様子がおかしくないか??」
永瀬と八重樫が横から
「あっ!!!羽鳥っち〜〜!!話を逸らしたねっ!!!」
「ずるいぞ!!俺はちゃんと答えたのに!!!」
…とか、言っているが
気にしない。
そんな俺たちのやり取りに構わず、青木と桐山はこそこそと何かを言い合っていた。
「こっ…これは…その…ちゃんと、みんなに…」
「えっ…本当に言うの??」
「だって…」
そんな、はっきりしない二人のやり取りに稲葉はいらいらしたのか…
「さっさと話せ。」
それだけ、言いきった。
二人は稲葉の迫力に負けて、意を決したように話す。
青木が大きく息を吸う。
「——実は…俺たち、昨日の夜…魂が入れ替わっていたんだ!!!」
そんな青木の想像もしなかった発言に
文研部の部室には静寂が訪れた。
- Re: *ココロコネクト*異常×日常 ( No.6 )
- 日時: 2012/10/21 13:46
- 名前: グリーンティー (ID: PCp3bZQ1)
——魂が入れ替わっていたんだ!!
そんな青木の言葉を聞いた俺たち四人は…
「えっ…」
「は??」
「へ??」
「あっはっはっ…は??」
…こんな反応だ。
そんな俺たちの反応を見て
青木はさらに付け足す。
「だからっ…俺と唯の魂が入れ替わってたんだよ!!
漫画みてーに…だっ!!??痛いよ!??稲葉っちゃん!!!」
ふざけたことを言う青木は稲葉によって
頭をはたかれた。まぁ、当然だと思う。
「フリの割にボケが面白くない。」
「そうだぞ、青木。ボケるならもっと、信じられるぐらいのレベルに
しないとな。」
「おお。分かってるじゃないか、羽鳥。」
「まぁな。」
「違うって!!二人とも!!!断じてボケじゃないって!!大真面目に
言ってるんだよ!俺は!!」
大真面目ねぇ…
どうにも、信じがたい話なんだが。
そこで、永瀬が発言する。
「じゃあさ…魂が入れ替わったのなら今の青木は唯ってことなんじゃないの??」
「確かにそうなるよな。でも、その割にはバカっぽい話し方はいつも通りだし…」
俺と永瀬でそんなことを言い合っていると…
青木がショックを受けたような顔で言う。
「だからっ…入れ替わってたで過去形なんだって!!それと
羽鳥の言葉が結構痛いんですけど!!!」
「嘘よ…」
そこで今まで黙っていた桐山が口を開いた。
体が震えているような気がする。…俺の気のせいかもしれないが。
「やっぱり、アレが現実とかありえない。あたしが青木で…青木があたしで…」
「おっ…おい…桐山??」
八重樫が心配そうに桐山に声をかけるが…返事がない。
「うん!!ない!!やっぱない!!!アレはただの悪夢よ!!!
ちょっとリアリテティ成分が多めの夢!!うん。絶対にそうだわ!!
青木!!アンタも早く目を覚ましなさい!!!」
「えっ!??いきなり、裏切られた!!??」
まぁ…この現実世界で人と人とが入れ替わる…なんて
起きるはずがないからな。
たぶん、偶然
同じ夢を二人が見た…とか、そういうことだろうな。
青木と桐山に視線を移すと
二人はまだ、言い合いをしていた。
「じゃあ…俺たちは夢の中で入れ替わって
お互いの部屋を見て物を動かしたら偶然、現実でも移動したって??」
「そんなもの…偶然と偶然が重なれば!!」
「だからそれはミラクルだよ。運命っつーか前世からの因縁っつーか…だからもうこのままつき合ったらいいじゃん。」
いや…なぜ、話の方向がそっちになるんだ??
さすが、青木だ…。
「もう!!なんであたしと青木なのよ!!嫌ぁーーー!!!」
「唯…」
涙目の青木に稲葉が言う。
「自業自得だ。」
俺も稲葉の言葉が正論と言わざるを得なかった。
◇ ◆ ◇ ◆
「ああっ!!」
「どうしたんだ??永瀬…」
急に叫んだ永瀬に八重樫が問いかける。
「教室に忘れ物した!!とってきてもいい??」
永瀬は稲葉にあどけない顔で聞く。
「この部活の部長はお前だろ。好きにしろ。」
「はぁい!!」
永瀬は元気よく部室を出て行った。
「稲葉も永瀬にはお手上げだな。」
「うるさい。」
「悪い悪い。」
稲葉をあまりからかうと怖いしな。
この辺にしておこう。
「お茶でも入れるよ。」
八重樫が席を立つ。
「ああ…俺も手つだ…」
俺が席を立ちあがろうとした時だった。
突然、視界が暗転した。
気持ち悪くて…立っていられ…な…
ガタンッ…!!!
「羽鳥!??…太一!!??」
俺と八重樫が倒れこんだ音だけが部室内には響いていた。
■ □ ■ □ ■ □
*太一side*
「ん…」
ふと目を覚ますと…俺はなぜか教室にいた。
どうしてだ??
俺は今まで…部室で稲葉たちと話していたはずなのに。
何気なく足元に視線を移す。
それを見て、俺はぎょっとする。
これ…女子用制服!??
「いったい…何が…起こって…」
声を発してみて気づく。
いつもより、高い…女の子の声だ。
「嘘…だろ…」
俺はこの時…自分に何が起きているのか…
全く理解できていなかった。