二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *ココロコネクト*異常×日常 ( No.9 )
日時: 2012/11/10 17:57
名前: グリーンティー (ID: s2qZnqsK)

*三章*






「ああ。何でも言ってくれ」

「よし…じゃあ、そこの太一の姿をした奴から確かめるか」


俺からってことだな。


稲葉が俺のもとへ来て…



耳元で静かにささやいた。




「好きだ…」




えっ…




突然の言葉に頭が真っ白になる。




「なななななっ…何言ってんだよ!!お前!!!」


「別にぃ〜」


「くっ…からかいやがったな」


「当たり前だろ…つーか、お前がこんなに取り乱した所、初めて見た」


「うるせぇよ」



…ったく…悪い冗談、言いやがって。

心臓に悪いだろーが。



「いっ…稲葉はいったい、羽鳥に何を言ったんだ…」

「羽鳥っちがあんなに慌てるなんて、ビックリ」




「じゃあ次は、そこの伊織の姿をした奴だな」


「あっ…ああ。何でも言え」


稲葉は大きく息を吸って、永瀬の姿をした八重樫に言う。


「最近、太一が青木から借りたアダルトビデオのタイトルは??」


なんてことを聞いているんだ。この女は。


「巨乳じょしこ…って、何言わそうとしてんだよ!!第一、稲葉には答えが分からないだろ!!」


「そこは今、関係ない。そして、答え合わせは青木がしてくれる」


「いっ…稲葉さん。せめて、青木に耳打ちするという形でご勘弁を…」


「まぁ、いいだろう」


そして、永瀬に扮した八重樫が青木にヒソヒソ話の形で伝えている。


「どうだった??」


「大正解であります!!あと、エロい単語が伊織ちゃんの声で聞けてちょっとおいしかったです!!」


「あれ??…何このすげー損な気分」

俺の隣りにいた、永瀬がそんなことを言っていた。



「さて、うちの野郎ども三人が巨乳好きと分かった所で…」

「えっ!??俺も入ってんの!???」

そんな俺をスルーして、稲葉は俺に扮した永瀬に耳打ちで何かを言っていた。

何言ってんだろう。ここからじゃあ、よく聞こえないな。


そして、稲葉がなにかを言い終えた後

俺に扮した永瀬の顔が真っ赤に染まっていた。


「そっか…そうやって、私たちは大人になっていくんだね…」

「…なるほど。認めるしかないか」


何を言った。稲葉。




□ ■ □ ■ □ ■ □



「青木と唯が入れ替わったときの話を聞かせてくれ。後でもとに戻ったんだろ??」

青木が稲葉の問いに答える。

「なんか、知らぬ間にベッドの上にいて…」

「時間は…三十分とかか??」

俺が質問すると、桐山がうなずいて答えてくれた。

「うん。だいたいそんな感じだった。あたしの場合は悪夢だと思って鏡を見た瞬間、ベッドに潜り込んだから…」



そのとき…突如、



視界が暗転した。



そして、


「太一っ!??伊織!!羽鳥!???」



———三人とも倒れこんだ。





□ ■ □ ■





目が覚めた時には…



「羽鳥っ!!!」

「大丈夫??」



心配そうに顔を覗き込む、永瀬と稲葉の姿があった。



ここは…保健室か。



ベッドから起き上がると

八重樫に青木に桐山もいた。



「はぁ〜〜…心配したよ。羽鳥っち…なかなか起きなかったからさ」

「…悪い。みんなに迷惑かけて…」

「迷惑なんかじゃねぇよ。体は大事にしろよな」


稲葉が優しい顔で言う。…たまに稲葉はこういった優しげな表情をする時があるから調子が狂う。


「…じゃあ、今日は太一と伊織と羽鳥の体ももとに戻ったことだし…これで解散だ」

「「「「「はーい」」」」」



こうして、入れ替わり騒動の騒がしい一日が終わって行った。

Re: *ココロコネクト*異常×日常 ( No.10 )
日時: 2012/11/17 17:04
名前: グリーンティー (ID: s2qZnqsK)





「オッス!!羽鳥…で、いいんだよな??」


「おう…そっちも八重樫…だよな??」



翌日の朝。



偶然、八重樫とばったり会ったので一緒に登校することにした。

昨日の不思議な一件があったので、誰かと入れ替わってるかもしれないと思ったが…そうじゃないみたいで良かった。



「まぁ…あんなこと、そうそう起こることじゃないよな??」

「ああ。もう、ないだろ」


…とゆーか、何回もあったら

こっちも疲れるし…な!!??


「おわっ…」

「うっわ!!」


そんなことを考えていたら、後ろから誰かが突進してきた。


振り替えると…そこには

稲葉・桐山・青木・永瀬の文研部のメンバーがいた。


永瀬はいつも通り…だが、他の三人の様子がおかしいような…。



そして、



三人が人気のない所へと俺たちを連れていく。



「えーと…」


「まさか…とは、思うんだが…」



困惑している俺たちを前に永瀬がはっきりと言う。



「今度はこの三人が入れ替わったっぽいんだよね」


…などと、ふざけたことをぬかしていた。



■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □




「お前らな…四人で1・2時間目を無断欠席なんて…」


現在場所・職員室。


なぜ、俺たちが担任教師の後藤に呼び出されているかというと

答えは簡単。

稲葉・桐山・青木の三人がシャッフルで入れ替わっていたために

授業どころではなく、部室でサボっていたのだ。


…だが、それを理由にするのは無理がある。


第一、こんな話…誰にしたって信じるわけがない。


どうやって、ごまかすか…と

考えているときだった。


稲葉が簡潔に理由を述べていた。



「昨日、6人で食べたミニチョコパンで全員腹壊して遅刻した。…それだけだ」

平気な顔で嘘をついていた。さすがだな。

「ふーん…それ、あそこにいる桐山と青木に聞いても同じ答えが返ってくる??」

「もちろん」

「まぁ…お前らがそういうなら、そういうことにしておくか。もういいぞ」


そんな感じで俺たちは簡単に後藤から開放された。

Re: *ココロコネクト*異常×日常 ( No.11 )
日時: 2012/11/18 23:39
名前: グリーンティー (ID: s2qZnqsK)


「さっすが、稲葉ん!!よく、あれだけ堂々と嘘をつけたものだ」

「俺、尊敬したわ」

思わず、稲葉の堂々とした姿に見とれてしまったよ。

流石だ。

「お前ら…褒める気がないならやめろ!」

稲葉があきれた顏でそう言った時だった。

何気なく、俺の隣りにいた八重樫を見てみると…様子がおかしくなっていた。

俺には…そのおかしさの正体が分かった。

誰かと…入れ替わっている。

「まさか…お前…」

入れ替わっているのか…??と、言いかけた時だった。

八重樫に扮した誰かが口を開く。

「あれ…??あたし、さっきまで教室で友達と…お弁当を食べてたはず、なんだけど……どうして…」

口調的に…桐山だった。

稲葉がそんな動揺している桐山に声をかける。

「落ち着け…唯!!」

「あっ…ごめん。そっか…また、 入れ替わり…か」

稲葉の声に桐山がはっと我に返る。

でも、今日の桐山は…どこか疲れているような感じが俺にはなんとなくした。

「とにかく…太一に電話して…」

永瀬が携帯を手にして、桐山に扮した八重樫に電話をかけようとした時だった。

また…八重樫の顔色が変わった。

もしかして…

「八重樫…か??」

俺が小さくそう聞くと…隣にいた稲葉が驚いていた。

「まさか…もう、戻ったのか??」

「ああ…そうみたいだな」

入れ替わっていたのは…2・3分って所か??ずいぶんと短い入れ替わりだな。

「まぁ、とりあえずもとに戻ってよかったね」

永瀬が最後に笑顔でそう言った。


よかった…か。


確かに、今のところは単純に誰かと入れ替わって、時間が何分か経過してから…ちゃんと人格が元に戻っている。

そう。ただ…それだけの話だ。

何も問題がない…。


でも、果たして本当に



———入れ替わるだけで済む…話なのだろうか??