二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 僕の兄 REBORN エピローグup@ 完結しました
- 日時: 2010/11/04 22:11
- 名前: 市太郎 (ID: voQe75S9)
初めまして。市太郎という者です。
小説初めて書きます><温かい目で見てください!
注意
・REBORN短編です。いくつかに分けてますが、さほど長くないです
・雲雀恭弥に兄ちゃんが居ます
・同性愛とかそんなんじゃないです
・勝手に設定作っちゃってます
・過去の出来事です
・アドバイスとか、感想とかいただければ嬉しい所存
・日付がかなりとびますが、そこは触れないように……
・最後、わけわかんない感じになります
登場人物
・雲雀恭一 男
並中生。雲雀恭弥の兄。弟を大事にしており、極端に言うなら育ての親。
自分の優先順位が低い。
・雲雀恭弥 男
並中生。恭一の弟。自覚はないが兄を誰よりも慕っている。
風紀委員長。
・飛高逸(とびたか いち) 男
風紀副委員長。可哀想だが出番はちょっとだけ。
もくじ
プロローグ >>1
第一話 朝 >>2
第二話 遅刻と胸騒ぎ >>3
第三話 強風 >>4
第四話 獣 >>5
最終話 運命 >>6
エピローグ 追憶 >>7
作者より
①いち系列の名前がまさかの被り^p^
飛高さんの場合は名前無視して名字だけ気にかけてくれてたら良いですので←
②感想とかあったら……あ、いや、なんでもないっす
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- Re: 僕の兄 REBORN 二話up@ ( No.4 )
- 日時: 2010/11/03 22:18
- 名前: 市太郎 (ID: voQe75S9)
三話 強風
「間に合ったな……はぁ、はっ」
「……息切れ、しす……ぎ」
「おめーも、な……ふう」
校門に入った二人は、酷く息があがっていた。
恭一は少し笑いかける。が、恭弥は顔を背けた。
胸騒ぎが収まらない。恭弥は強く目を閉じた。
放課後。
恭一は生徒会執行部の話し合いで、一方恭弥も兄の分の委員会の仕事で遅くまで残っていた。
外は薄暗くなり、運動場では野球部しか居なかった。
「んじゃ、会議はここで閉めるかー疲れたし」
「終わったー」
「お先に帰るぜ」
生徒会三役のメンバーが次々と生徒会室を後にする。
恭一は一番に部屋を飛び出した。
「恭弥! 帰るぞ」
勢い良く扉を開けると、熱心に何かを書いていたであろう、恭弥の姿があった。
机に詰まれた数枚の用紙を捲りながら、視線だけを移す。
「……そ。君一人で帰ってて」
彼の口からは、素っ気ない一言しか出なかった。
それもそのはず。恭一の分の仕事をしているのに、手伝う気配が彼から見えなかったからだ。
少し困った表情をしたが、恭一は諦めんとばかりに苦笑する。
「そうか……じゃ、先に帰ってっからな。追いついて来いよ」
そう言って扉は閉められた。廊下からは走る恭一の足音が聞こえる。静かな教室で息を吐いた。
近くに置いてあったペンを握り、再び机と向かい合った。
「よかったのか、恭弥。恭一の仕事だったんだろ」
近くに居た風紀委員・飛高逸が話しかける。彼も居残りで手伝いをしていた。
「うるさい……僕は集中したいん……」
興味も無い様に返事をしたその時、今朝の出来事を突如思い出した。
気がつくと動きが止まっており、ペンが儚く机に落ちた。
飛び上がるように立った衝撃で肩にかけていた学ランはずり落ち、座っていた椅子も後ろに倒れる。
驚いて学ランを拾い上げ、扉へと走っていった。窓から強い風が吹く。
「後は片付けといて!!」
「き……恭弥!?」
勢声と紙が散った。
- Re: 僕の兄 REBORN 4話up@ ( No.5 )
- 日時: 2010/11/03 22:21
- 名前: 市太郎 (ID: voQe75S9)
四話 獣
暗い夜道を駆け抜ける。街灯は気力をなくしたように点滅していた。
しばらく恭弥が走っていると、前方に一人の男の影が見えた。
紛れもなく、兄の姿。足音に気づいた恭一は振り返った。
「お、やっと来たのか」
「……はあ、は……兄さん、何で勝手に帰ったの」
「え!? お前が言ったんじゃねーか」
「……ふう……取りあえず、帰るよ」
「……ははっ」
額に汗を滲ませ、息がまだ整っていない恭弥に向かって、恭一は頭を撫でた。
その手は熊並みに大きく、たくましく、温かいものだった。
夜道をしばらく歩くと、恭一が足を止めた。
一時気づかなかったが、早めに気がついたようで、不思議そうに振り返った。
「どうしたの……」
「きょ……や……こっちに来るんだ」
「え……?」
「こっちに!!」
突然の大声に怯む。唇を噛み締め、恭一は恭弥の元へ走り出した。
その途端、恭一の後方に数個の黒い影が浮かび上がった。
「にいさ……」
しかし、恭一は気がついていた。
我が弟の近くの電柱に潜む影。
「チッ……!」
「きょう……!!」
背後からのかすかな音。
驚いて振り返った瞬間、影と恭弥の間に一人が入り込んだ。
「が……」
「に……さん」
「クソッ!」
倒れる兄。
腹部から滲み出る赤。瞬時の出来事に立ち竦むしかなかった。
状況を察知するのに時間はかからなかった。直ぐに兄を抱える。
「兄さん……!!」
「ってぇ……いてぇ……」
兄の口から漏れる息と霞んだ声。
「まず一人か……」
「こいつ、並中の風紀委員兄弟じゃねーか」
「マジかよ、厄介じゃん」
後方と前方からは男たちの皮肉な声が聞こえる。
しかし、そんなことはどうでも良かった。
「兄さん……!」
「きょ……や、にげ……」
「……逃げる気なんて、満更ないね」
「兄さんは待ってて」
「風紀を乱す奴は……」
——僕が、咬み殺す。
彼の瞳は獣が如く鋭かった。
- Re: 僕の兄 REBORN 最終話up@ ( No.6 )
- 日時: 2010/11/04 18:39
- 名前: 市太郎 (ID: voQe75S9)
五話 運命
静かに兄を下ろす。
冷静に、ゆっくりと立ち上がる恭弥。
「僕は」
辺りに響く声。
その後小さく呟いたが、誰の耳にも届かなかった。
そして——
「ぐぁっ……!」
「ひぃ!」
僅かな一瞬。正気に戻った頃には辺りに苦しむ男が数人。
手には、かすかに赤く汚れた鉄槌。
足元をふらつかせながら、兄・恭一へ駆け寄った。
「兄さん……今救急車を」
「お前守って死ねんなら……本望だ」
「……何言ってるの。まだ死なないのに、確定? それって酷いと思わないの?」
「そだな……俺は、酷い兄だ」
「大事な弟残……て……」
「言いた……事……腐……ほどある……に」
「運命って……」
——すっげー……残酷。
一人の少年は目を閉じた。
顔からは血の気が引き、土気色に変わる。
恭弥の身体が振るえ、ついには目から悲しみが溢れ出した。
「本当だよ……置いていかないでよ……」
——「兄さん」
夜が更けた。日も経った。
最近の朝は遠くから聞こえる小さい母の声に起こされる。
朝食には、机の上にある湯気の上がらない味噌汁。
未だに今朝のテレビでは、二週間前に報道された通り魔が捕まったというニュースが流れていた。
被害者は並盛中学校のとある生徒。帰宅途中の兄弟に襲い掛かったとのこと。兄側は死亡。弟に怪我はなかった。
しかし、その弟の通報により、その場で逮捕。弟側の頼みで、その生徒の名は挙げられなかった。
そんなニュースは見飽きたように目もくれず、支度を済ませた恭弥は、一枚の写真を見つめる。
とある残忍な出来事に巻き込まれ、世を去った兄の元気な姿がそこにあった。
声を出さんとばかりに口を開けて笑う兄。
しかし、あの後の生活はあまりにも寂しく、つまらなかった。
一人で登校。一人で遅刻者の検査。一人で帰宅。
遅刻することもなくなった。むしろ余裕で登校できるようになった。
トラウマとは言わないが、大人数が嫌いになった。すぐに襲い掛かるようになった。
全てがつまらなかった。
だが——彼は以前の記憶を忘れることなく、写真の中の大切な人には、毎日微笑んでいた。
彼は恭一が並中帰ってくると今でも信じている。
故に彼は、風紀委員長を続けている。
兄が帰るその時まで。
- Re: 僕の兄 REBORN 最終話up@ ( No.7 )
- 日時: 2010/11/04 22:13
- 名前: 市太郎 (ID: voQe75S9)
エピローグ 追憶
二年後の春。
飛高が卒業後、初々しい新入生が並中に入学した。
もっとも、恭弥は入学式には不参加だったが。
その放課後、恭弥は一人で下校していた。いつもの帰り道を、つまらなさそうに。
生徒はもう下校していた。故に人通りは……ない。
と思っていた。
一人の男が前方に見えた。
恭弥は特に気にせず、ただ前を向いて歩く。
そして、あの事故現場で男とのすれ違いざまに聞こえる——
「……運命とは……」
儚く散ったあの声だった。
慌てて振り返っても、そこには男の姿はなかった。
不思議と気味悪くは感じなかった。再び前を見て歩き出す。
——兄さん、今日ね、妙な男とすれ違ったよ。
兄さんが言ってた事と同じような事を一人でぼやいてた。独り言にしては長すぎだよね。
……兄さん、僕さ、
——もう守られなくても大丈夫だから。
強くなったんだよ。
今や学校中を操っちゃって。
笑えるよね。
こんな戯言……。
空は橙。真っ黒な髪を靡かせ、一人で優々と歩く少年は俯く。
——今度は、僕が兄さんを守るから。
だから、今度は置いていかないでくれる?
いつになるかわかんないけど、待ってね。
少年は過ぎた思いを馳せ、ぽつりと一つ呟いた。
「兄さん」
end
- Re: 僕の兄 REBORN エピローグup@ 完結しました ( No.8 )
- 日時: 2010/11/06 07:26
- 名前: 市太郎 (ID: voQe75S9)
あとがき
一度でも閲覧頂いてくださったた方々、有難う御座いました。
一人で淡々と書いていくのは少し侘しい感じがしましたが、閲覧数が増えるだけで嬉しかったです。
まだ別の小説を書こうと思っては居ないので、研究して、何時かの機会に描きたいと思います。
では、最後までお付き合い頂き有難う御座いました。
市太郎
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