二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【イナイレ】シンとフィディオ
日時: 2011/10/06 21:56
名前: 嵐丹 (ID: KiO374vC)

こんにちは、嵐丹です。
萌えの勢いで作った小説です。ご注意ください。

説明!
半田とフィディオがもし双子だったら……という超次元パラレルです。
半田がもう半田じゃないのでNO!という方はお逃げください。



半田真一 (シン・アルデナ)

昔は凄いサッカー選手だった。二つ名は「真のミッドフィルダー」。
小学4年の時相手チームの嫌がらせにより大怪我。サッカーの舞台から姿を消した。後に日本に逃げるように渡海。その時フィディオとは離ればなれに。
日本でもサッカーを続けるが疎まれまた怪我をさせられるのではと一種のトラウマとなり、半端なプレーしか出来なくなった。
因みに半田真一は和名。青い瞳を隠すためにカラコン常備している。ジャンルカ・マルコ・ブラージとは幼い頃からの幼馴染。


フィディオ・アルデナ(半田秀勇)

半田ことシンの双子の弟。「白い流星」の異名を持つ。
サッカーとシンが大好きすぎて死ねる。
シンが渡海した後、年に一度会うことが許されていた。なので意外と日本語ペラペラ。しかし何処か頭が足りない。
FFIの試合にシンを参加させようと言い出したのも彼。チームメイトは彼の奇行にもはや慣れているもよう。

只今3話まで完結です。

よろしければ感想等、お待ちしています!

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Re: 【イナイレ】シンとフィディオ ( No.13 )
日時: 2011/10/06 21:52
名前: 嵐丹 (ID: KiO374vC)



色々な葛藤を乗り越え、ようやくFFI開会式当日。各国の代表と顔合わせするのも初めてのような、初めてじゃないような。
「よし、じゃあ頼むぜ。フィディオ!」
いよいよ我等がイタリアの入場。表舞台に立つのは五年振り。緊張する。
「よし、行くぞ。皆!」
フィディオがエンブレムの入った旗を翻す。俺たちはスタジアムの土を踏みしめた。
歓声。大きな、大きな歓声。
「イタリア代表、オルフェウスの入場です! 白い流星、フィディオ・アルデナを先頭に、なんと!あの真のミッドフィルダー、シン・アルデナの姿が!」
一際大きくなる声援。戻ってきたのだと、戻ってこれたのだと、実感。
客席に手を振る。自分を覚えてくれていた人に、感謝を込めて。
「頑張ろうな!」

Re: 【イナイレ】シンとフィディオ ( No.14 )
日時: 2011/10/06 21:53
名前: 嵐丹 (ID: KiO374vC)



開会式が終わって数日。イギリスチームより手紙が届いた。
「なんか、タキシード着てパーティするんだって」
手紙を広げながらジャンルカが苦笑いする。めんどくさい、と呟いたのは幻聴だろう。
「うわっキザだなイギリス。俺パス」
「全員参加だってさ。捕らえろフィディオ」
いつからマルコは司令塔になっているのだろうか。フィディオに取り押さえられながら漠然と思う。
「シンは髪を整えたほうがいいな。そのままではマナー違反になってしまうぞ。イギリスは厳しいからな」
ジョルジョにセットした髪を直される。いやいやいや、そのまんま半田じゃん。やめてやめてやめて。
「双葉も潰さなきゃ駄目だよ」
ジャンルカに頂点の髪を潰される。やめてやめてやめて!特徴無くなる!特徴無くなる!
「これでオッケー。じゃ、行こうか」
「えええー……」
これで行くの?マジで?ずるずると引きずられる俺。
「あ、シン。双葉復活してるよ」
ありがとうアンジェロわざわざまた潰してくれて。
オルフェウスのメンバー数人で、イギリスエリアにタキシードを借りに行くためバスに乗り込む。
「何で俺大抜擢された?」
「諦めて働け」
バスに揺られながら呟いた言葉はモデルのラファエレに一蹴された。
「いいじゃねぇかタキシード位」
「ラファエレは慣れてるからいいだろ……」
そりゃモデルだしな。けらけら笑うラファエレを軽く睨む。窓から外を見ると丁度日本エリアを追加中だった。
「あ!運転手さん止めて止めて!!」
と、そんな所で停車。いきなりだ。こんなことしでかすのは信じたくないが一人しか居ない。今バスから駆け降りていった馬鹿だ。
「フィディオーーっ!」
俺も続いてバスから駆け降りる。
いくら待てや止まれと言っても走っていくフィディオを追いかける。
少ししたところに、グラウンドがあった。
「おーい、エンドウー!」
はーい回れ右ーっ!
「フィディオ!それにシンも!!」
逃走失敗。つか何。いつの間にあんなに仲良くなってんのあいつら。単細胞だからかそうですか。
「やってるなー。俺とシンも一緒いいかな?」
ちょっと待て。当初の目的を忘れるな。
「バッカお前……俺たちは「ああ、いいぜ!」ー……もういいよ」
盛り上がっているフィディオ達に背を向け歩き出す。
「えー!シン帰っちゃうのかー?」
「後で拾ってやるから遊んどけ餓鬼」
ごねるフィディオを振り返ることなくさくさくと歩いていく。
「……おにーちゃんっ」
……思わぬ反撃を食らった。円堂が持っていたボールをフィディオの頭に蹴り当てて、俺はバスに戻るため再び歩き出す。
結構な距離を走ったな。日本の商店街を模した通りを渡り歩く。
「ちょっと邪魔!実は邪魔!とっても邪魔!」
「ああ!?何だとチビ!」
ああ、ケンカかぁ。火事とケンカは江戸の華、だったな。
軽く人だかりが出来ている。物好きも居るもんだなとか思ったけど見慣れた赤毛が目に入り、ため息が出た。
「マルコ……何やってんだよ」
「観戦!ちっちゃい方が面白くってさ!かわいい女の子だよ」
かわいい女の子。その言葉に俺もちらっと騒ぎの中心を見やる。下心などない。多分。
「ちょっといい加減にしてよ!邪魔!」
……声に聞き覚えがある。いや、気のせい気のせい。ってかよく見えないな。でも男の方が手を振り上げたのは見えた。
辺りで悲鳴が上がる。と、思った時には俺は男とその娘の前に滑り込んでいた。
「やめろ!」
「何だお前……!」
「半田ぁっ!?」
……ん?
ゆっくり首を回す。そこに居たのは、瞳を輝かせたピンクと水色のツートーンカラーの猫耳帽子野郎。
……どうしよう。関わるんじゃ無かったとか、マルコの大嘘つきとか考えながら俺は男を一蹴する。そしてこの猫耳帽子野郎を誤魔化す作戦を三秒で練り上げその一秒後には実行した。
「大丈夫?お嬢さん」
「……ふざけてるの?半田」
怖い。とっても怖い。しかし今は他人のフリを貫き通すために俺は続ける。
「人違いだよ、かわいいお嬢さん」
松野の手をとり、手の甲にキスを落とす。日本でやったらセクハラだ。真似するな。
「……っ! 触んなーっ!」
案の定、と言うかなんというか。思いっきり殴られましたよ。
「いってー……殴ることないじゃんお嬢さん……」
「僕男だし! 助けてくれてありがとう僕のときめき返せ半田(仮)!」
(仮)言うな。それから松野は一方的に怒鳴り散らした後、日本宿舎に向けて歩き出した。
「フラれたな、シン」
「黙れマルコ」
安心したような悲しかったような。でも、バレなくてよかった。

Re: 【イナイレ】シンとフィディオ ( No.15 )
日時: 2011/10/06 21:55
名前: 嵐丹 (ID: KiO374vC)



その日の夕方。
ごねるフィディオを引き連れて、俺達はイギリスエリアに来ていた。
さすがと言うかなんと言うか。紳士の国って本当だったんだな、と感心してしまった。特に、エドガー・バルチナス。奴は生粋の紳士だった。
「有り得ませんね」
眉を潜めて呟いた彼にオルフェウスメンバーは静止した。
まあ、なんとなく理由は分かったけど。
「女性を口説くなんて言語道断ですね。女性は優しくエスコートすべきです」
「何が違うんだよ」
ボソッと呟いたマルコの口をラファエレが塞ぐ。
「日本代表のキャプテンにも言いましたが遅刻した上に泥塗れで来るなんて信じられません」
「フィディオ。お前の事だぞ」
「ん?」
パーティー来場の女性を口説いていたフィディオの首のねっこを掴む。
「君もその頭、整えるべきだろう。鳥の巣か?」
「……スミマセンネ」
ジョルジョの話をちゃんと聞いとくんだった。親睦を深める筈だった俺達だが妙な溝を残し、パーティーは終了した。
ナンパに成功して女性といちゃついていたジャンルカは、もれなくマルコに噴水に沈められていた。
そんなこんなでバタバタと過ぎていった試合前日だったが。確実に始まるんだ。
俺たちの、世界への挑戦が。        

三話 完  

とりあえずハイスピードです←

Re: 【イナイレ】シンとフィディオ ( No.16 )
日時: 2011/10/06 21:59
名前: 嵐丹 (ID: KiO374vC)

Ⅳ・ミスターK

FFI、俺達初めての試合。敵はアンデスの不落の要塞、アルゼンチンのジ・エンパイア。
その試合開始のホイッスルが鳴ったとき俺は、
「何この仕打ち」
「こっちが言いたい」
ジャンルカと共に、ベンチに座っていた。
日本から半ば無理矢理こんな辺境の地まで誘拐されてこの仕打ち。泣きそう。
「お前たちは補欠だ何時でも出れるようにしていろ」
監督の言葉を聞いちゃいない俺達。あ、フィディオがぶっ飛ばされた。
「さすが不落の要塞。なかなか点入んないな」
なかなかフォワードにボールが回らない状況。ボールを奪われてはディフェンダーが奪いパスを回しまた取られる。
敵も味方も嫌な悪循環に陥っている。
嫌な状況だな。
「マルコがボール奪うな。頑張ってる頑張ってる」

そう。鍵はマルコ。マルコはボールを奪ったら直ぐにパスをする。そこの隙に奪われしまうのだ。だからここはマルコがフォワード近くまで上がるのが得策。
防御は薄くなるがそうでもしないと相手には勝てない。今、マルコがボールを奪う。
「マルコ!そのまま上がれ!パスをするな!」
一瞬驚いたマルコは足を止めたが直ぐに上がっていく。元々体格が小さいマルコはひょいひょいと器用に敵チームを抜いていく。
「フィディオ!」
漸くフォワードにパスが通った。フィディオがそのままシュート体制に入る。
「オーディン、ソードっ!!!」
深くゴールに突き刺さるボール。そこで、前半終了のホイッスルが響いた。
「よし、後半はジャンルカとアンジェロ、交代だ。この一点、死んでも守れ」
俺はまたベンチか。駆け寄ってきたアンジェロと二人でベンチに座る。

俺を襲うのは焦燥感。俺は、ここに座っているだけでいいのか?
何かやるべき事があるんじゃないか?
日本を出て、変わった気でいたが、実は何も変わってないんじゃないか?ユニフォームを強く握る。
「大丈夫だよ、シン」
ふわりと俺の手を包んだのはアンジェロの一回り小さな手。
「僕たちは、いっしょに戦ってるんだよ」
にこり、微笑むアンジェロの言葉で、俺は漸く前を向く。
ボールを追って、走り回る弟、幼なじみ、仲間。何を悩んでいたのだか。自分の頬をつねる。
「さんきゅ、アンジェロ」
見るべきものは、今だけだ。試合をしっかりと目に焼き付ける。
「行けーっ!負けるなー!」
もう迷いなんてなかった。



とりあえず千文字弱程度で片付けられたアンデスの不落の要塞さんたちに謝ります。

Re: 【イナイレ】シンとフィディオ ( No.17 )
日時: 2011/10/06 22:02
名前: 嵐丹 (ID: KiO374vC)


         
「オルフェウスの勝利を祝って——っカンパーイッ!!」
歓声と共に交わされる杯。中身のオレンジジュースが跳ね、降りかかる。
「一回戦は俺達の勝ち!これからも頑張っていこう!」
威勢のいい声が上がる。軽い宴会だな、と微笑ましく見守っていると、監督が宿舎を出ていくのが見えた。
「監督……?」
騒ぎすぎて気分でも悪くなったのだろうか。そんなことを考えながら監督の背中を見送る。
瞬間、ポケットに入れていた携帯が震えた。「松野」と表示されたディスプレイを見て、俺も監督の後を追うように宿舎を出る。
「もしもし?」
『半田ーっ!ちょっと聞いてよ!この前半田そっくりの人に会ったんだけどさー!』
電話に出た瞬間からの言葉攻めに眉を潜める。こいつは毎度毎度……今回は俺のせいか。
きゃんきゃんと喚く松野を軽く宥めて電話を切る。ため息をついたとき、漸く近くにいる存在に気付いた。
「ユニークな友達だな、シン」
「ジャン」
隣いいかな、と微笑むジャンルカにうなずく。すると彼はまた微笑む。
「ねぇ、シン。俺、少しは強くなったかな」
いきなり何を、と思ったが随分昔に彼が言っていた言葉を思い出した。
——僕、皆を守れるくらい強くなるよ。
「ジャンは、充分強いよ」
「……ありがとう、シン」
シンのおかげなんだぞ。と微笑むジャンルカ。そんなこと言われたら、恥ずかしくなる。
ぎこちなく視線を泳がせた時、風が声を運んできた。

——なり、———だ!

——だ。——く——行け。

微かな声を拾う。なにやら言い争いのようだ。
「この声……監督?」
「……行ってみよう」
ジャンルカがうなずく。物音を立てないよう慎重に声の元に向かう。
草むらに隠れそっと向こう側を覗く。そこに居たのは紛れもない、監督と見知らぬ白いスーツの金髪にサングラスを掛けた男。
否、俺は、この男を知ってる……はずだ。
「貴様には消えて貰おう。イタリア代表の監督は、私が継ぐ」
この一言で、金髪の男の周りにいた黒服の男達が監督を取り抑える。この声、この手段を選ばぬ行動。間違えない、この男は……。
「ヤバイぞ……監督が連れて行かれた!」
「落ち着け、ジャン。……今は手を出すな。——奴は危険だ」
意味が分からない、と首を傾げるジャンルカ。
奴は、影山零治——元帝国学園の総帥。奴の野望はことごとく円堂達に破られてきた。まだ懲りてなかったのか、とか考えながらも突っ走ろうとするジャンルカを引きずって宿舎前に戻る。
「シン!戻らないと監督が……!」
「ダメだ。アイツは危険だ。今は様子を見よう」
「でも……っいったぁ!?」
ぎゃんぎゃんと騒ぐジャンルカに頭突きを入れる。よし、黙ったな。恨めしげに涙目で睨んでくるジャンルカに軽く謝ってから向き直る。
「ジャンルカ。もし危険を感じるようなことがあれば連れられる味方を連れて迷わず逃げろ」
「……どういう、こと……?」
影山。奴は危険だ。
先程の会話を聞く限り、奴は俺達の一番近い所に現れるだろう。
「頼む。逃げろ。逃げてくれ」
利用された佐久間達が酷い目に遇ったのは知っている。奴の恐ろしさは、鬼道からよく聞いている。
——怪我人が出るかもしれない。
そう思うだけで、背中に嫌な汗が流れた。
その日は結局パーティーに戻る気になんてなれなくて、部屋に戻った。ジャンルカも同じだったようで、隣の部屋に入る音が聞こえた。


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