二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 52話更新 ( No.190 )
- 日時: 2011/04/24 11:23
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
- 53話〜神鳴殿〜 
 「神鳴殿じゃと!!?」
 聞いた事のない言葉にギルドの殆どの者が首を傾げるが、
 マスターだけは顔色を変えていた。
 『残り1時間10分。さあ、俺たちに勝てるかな?
 それともリタイアするか?マスター。ははははははははっ!』
 ラクサスは最後に高笑いを浮かべ、それと同時に情報ボードが消えてしまった。
 辺りに僅かな沈黙が流れる。
 「何を考えておるラクサス!!!関係ない者たちまで巻き込むつもりか!!!
 ・・・・・・んぐっ!!!」
 怒りに叫んでいたマスターが突然胸を押さえ苦しみ出した。
 「じっちゃん!!」
 「どうしたの!?」
 急なことに慌てるカムイたち。そこにミラが戻ってきた。
 手にはカムイの治療に使おうとしている薬などがある。
 「ミラ!マスターの容体が・・・・!!」
 「!!大変!何時ものお薬!!」
 レビィの言葉にミラが慌てて医務室に戻っていく。
 暫くして戻ってきたミラが更に慌てた様子で、外を指差した。
 「皆大変!!外が・・・・!!」
 ミラに言われカムイたちが外に出ると、そこには雷の魔水晶(ラクリマ)が街中を浮かんでいた。
 「・・・・・一つ一つの魔水晶にもの凄い魔力の雷が帯電してる。
 もしあれが全部放電でもしたら・・・・・」
 「ど・・・どうなっちゃうの?」
 カナの言葉にルーシィが恐る恐る尋ねる。
 「街中に無数の落雷が・・・・。そんなことになったらマグノリアは・・・・・」
 「そんなことはさせないわ!」
 そう言ったのビスカ。銃士(ザ・ガンナー)と言う、エルザの魔法の銃バージョンを使う。
 「スナイパーライフル換装!!」
 ライフルを取り出すと、ビスカは魔水晶に標準を合わせその一つを撃ち砕いた。
 「やるじゃない!ビスカ!!」
 「こんなの全部私が・・・・」
 —ビキッ! ズキャァ!!—
 「ああああああああ!!!!」
 「ビスカ!!」
 弾を装填していたビスカに突然雷撃が襲った。それによりビスカは気を失ってしまった。
 「生体リンク魔法か!魔水晶に攻撃してきた者にそのダメージ分を返す魔法が掛けられてるんだ。
 これじゃあ、魔水晶に攻撃が出来ない!」
 「だったら張本人のラクサスを討てばいい話だろ」
 カムイはそう言うとギルドから飛び出していってしまった。
 「あ!ちょっとカムイ!!その怪我じゃ・・・・!!」
 ミラが叫ぶがカムイは振り向きもせず、そのまま走り去って行ってしまった。
 「・・・・・いい加減にしろよラクサス」
 ナツはぽつりとそう呟くと、走り出し見えない壁に攻撃をし始めた。
 「そんなにマスターになりたきゃ、じっちゃんと戦ってみろよ!!」
 「ナツ!落ち着いて」
 「落ち着いてられっかよ!!」
 レビィの言葉にナツは更に壁をガンガンと叩く。手からは血がにじみ出ている。
 「術式は文字魔法一種だから、私何とか出来るかもしれない」
 「・・・・・本当か!?」
 レビィの言葉にナツは振り返り、尋ねる。レビィは自信あり気な顔で言った。
 「うん。任せて」
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 「ラクサス・・・・・」
 カムイは街中を走り回っていた。だが、一向にラクサスの姿は見当たらない。
 「チー。ラクサスの魔力は感じないか?」
 チーは辺りをふらふらとしたが、直ぐにカムイの元に戻ってきて首を振った。
 「そうか」
 カムイはしばらく考えた後、カムイは空に浮かぶ無数の魔水晶に目を向けた。
 「やっぱりそれよりも先にあれをなんとかした方がいいな」
 カムイは高い屋根に上るとチーに自分から少し離れるように言った。
 「トルトニスなら雷撃を喰らってもある程度は平気だ」
 カムイはそう言うと魔水晶の中の一つに狙いを絞って構えた。
 「放・・・・」
 —キュイィィン!—
 カムイが技を放とうとした瞬間、カムイの頬に何かが掠める。
 頬を流れる血を拭ってからカムイは辺りを見渡した。どこも怪しい箇所はない。
 だが、カムイは何かに狙われている感覚がしていた。
 —キュイン!!キュイイン!!キュイイィイン!!—
 「!!!」
 先ほどと同じように何かがカムイに向かって飛んできた。
 それは銃弾だった。カムイはそれを避ける。
 (ちっ。動かない右側を重点的に攻めてくるな。対処しずらい。
 このままこんな見晴らしの良いとこにいたんじゃ、やりたい放題にされるな)
 カムイは一度下に降りると、走り出した。その間も銃弾はカムイを狙ってくるが、
 先ほどのような狙い澄ました攻撃はしてこない。
 (銃弾は上から振ってくるが、飛んでくる方向はバラバラ。複数いるのか?)
 カムイは走りながら現状の把握をしていた。
 相手を見つけるなら単純に弾の軌道を追えばいいのだが、弾は前から後ろからと
 様々な方向から飛んでくる。
 (だったら!)
 カムイは狭い通路に隠れる。ここは上も完全に覆われているので、ここなら上から
 襲われる心配もなく、弾を一方向からしか来ない。
 カムイは武器を構えながら待っていると、その一方向から予想通り銃弾が飛んできた。
 しかし何かが違っていた。先ほどまでのとは大きさが違い、何かを運んでいるようだった。
 だが、それがなんなのか暗くて見えにくく、考える時間も無かったのでカムイはそれをそのまま切り落とした。
 「・・・・・!!」
 切った瞬間それが何か分かった。運んでいたのは爆弾魔水晶。勿論それはその場で大爆発を起こした。
 「くっ!!」
 爆風に乗る形でカムイは建物の屋上に飛ばされる。と影が一つ、太陽に隠れてカムイに向かってきていた。。
 —キイイィィィン!!—
 カムイは体勢を崩しながらもその攻撃を防ぐ。逆光で見えにくいが、どうやら男のようだ。
 「誰だてめぇ!」
 カムイの問いに男は静かに答えた。
 「・・・・・ラクサスを守る雷神の矛・ブリューナク」
