二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 70話更新 ( No.256 )
- 日時: 2013/02/06 13:16
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
- 71話〜激闘!黒炎対究極の玉〜 
 (一体何が起こってんだ)
 目の前の状況に頭の中でそれだけが繰り返し問われるが、決して答えが出てこない。
 「てめぇ一体何しやがった!!」
 —ズォォオオオォォォオォ!!—
 吹き荒れる竜巻。だがそれはゼイルの出したものではなく、黒い竜巻が吹き荒れていた。
 —パンッ!—
 黒い竜巻が弾けて消えた。中から現れたのは先ほどと何も変わらないレナの姿。
 と、言っても手は火傷を負い、頭は垂れて意識があるのかどうかもよく分からない状況ではある。
 「・・・・・・・」
 ゼイルはレナを目視しながら手にまた円盤状の炎を生み出す。
 「カグツチ」
 投げられた炎は真っすぐにレナへと向かう。
 それに対し、レナは僅かに口を開いた。
 「・・・・・クロ」
 「!!」
 レナの小さな呟きと共に、レナの傍に影の塊のような玉が出現した。
 しかもそれだけに止まらず、その黒い玉が大きくなり、
 向かってくるカグツチに反応するような動きを見せ、それを飲み込んだ。
 「・・・・・・シロ」
 レナがまた呟くと今度は白い光る玉が出現した。
 そしてそれが一瞬で無数に分裂すると、ゼイルに向かって飛んで行った。
 ゼイルはそれを見て、手に力を込め青い炎を生み出し、剣状に変化させた。
 「アグニ」
 避けるのは困難と感じたゼイルは、向かってくる白い玉を全て焼き落として行く。
 順調に落としていったゼイルだが、剣にふと違和感を感じ見ると、
 剣を先ほどの黒い玉が蝕んでいた。
 「この黒い玉。俺の魔法を喰らってやがる!
 ・・・・っ!!」
 意識が少しそれた隙に、白の玉がゼイルの身体を貫通した。
 だが痛みは無い。しかし、すぐに自分の身体に起きた異変に気が付いた。
 「魔力を・・・・・」
 「アルテマボール」
 レナが垂れた顔を上げ、真っすぐとゼイルを見据える。
 先ほどの二つの玉がレナを守る様に、周りを回っている。
 ゼイルの表情は先ほどまでとは違い余裕が無い。
 (黒い玉は俺の魔法に反応して動き喰らう魔法迎撃用。
 白の方は俺自身の魔力を奪うとる対魔導士用。強力な魔法だが・・・・・・)
 「舐めてんのか?その魔法、敵を倒すより戦闘不能にすることを目的としてんだろ。
 そんな甘っちょろいもんで俺を倒す気か?」
 「倒すよ。けど、私は殺すようなまねはしたくないから。
 あなたをここで戦う力を奪う事が出来れば、それで十分だよ」
 「はっ!!俺を止めたきゃ殺す気できやがれ!!」
 ゼイルはそう叫ぶと急激に魔力を高めていった。
 「おもしれぇもん見せてもらった礼だ。てめぇに地獄の炎を見せてやるよ!!」
 ゼイルの周りに炎が生み出され、ゼイルは球体に包まれた。
 そしてその炎が晴れた時、その姿が露わになった。
 「イフリート」
 ゼイルの横に並んでいるのはまさに悪魔の化身のような姿をした化け物。
 全身がメラメラと漆黒の炎で包まれ、そのものが息をするたび口から炎が飛び出てる。
 「豪魔炎」
 イフリートの大きく息を吐くと、そこから漆黒の炎が波のように襲ってきた。
 それに反応し、クロも同じように波のようになり炎に喰らいついた。
 互いに押し引きを繰り返し最後は相殺の形をとった。
 「魔炎断」
 それに怯む様子も無く、ゼイルは次の攻撃へと入っていた。
 イフリートが腕を振り下ろすと、そこから刃状の黒炎が飛び出す。
 レナはそれを交わすと、シロでの反撃に出た。
 シロは大きな玉へと変わり、ゼイルに向かっていく。
 それに対しイフリートが前へ出て、その拳でシロを殴りつけた。
 だが殴った瞬間、シロは弾けその一つ一つがゼイルへと向かていった。
 「ペレ」
 炎を纏いシロを払い、払いきれない分は自分で避ける。
 その間にイフリートはゼイルを放って、レナの元へと向かう。
 「魔天楼」
 イフリートが拳を地面に叩きつける。と、レナの足元が僅かに盛り上がった。
 レナは危険を察知し、その場を離れる。
 —ズドーーーン!!—
 その直後、足元から黒炎が立ち上る。しかもそれだけに終わらず、
 レナを追いかけるように黒炎がレナの足元から立ち上り続ける。
 それをかわし続けるレナであったが、
 —ズドーン!!—
 最後には回避の着地前に黒炎が立ち上り、レナの姿が黒炎の中に消えた。
 ゼイルは僅かに笑みを浮かべるが、もうレナをこれぐらいで倒せるとは思っていなかった。
 ゼイルの思惑通り、レナはクロを展開させ黒炎の火柱を払う。
 「はぁ・・・はぁ・・・」
 「どうした。もうばてたか?」
 「・・・・・・・シロ」
 レナが肩で息をしているのを見て、挑発するような言葉を放つゼイル。
 だがレナの呟きに対し、周りのシロが点滅を繰り返すのに警戒をし始めた。
 「解放(リベレイション)!」
 —カッ!—
 シロは点滅を繰り返した結果、眩い光を当たり全体を包み込んだ。
 その眩しさに目を防ぐゼイルだが、それが直ぐ間違いだと気付いた。
 「っ・・・!!」
 僅かに身体がよろける。シロが発した光もシロと同じ効果があったのだ。
 光を全身で浴びてしまって魔力を大きく削られるゼイルだが、
 それほどの魔法を放ったレナの魔力も底をつき始めていた。
 (これ以上長引かせると魔力を削がれて、本当に戦えなくなっちまうな。こうなったら・・・・・)
 (私の魔力も限界に近い。魔力を大きく奪った今がチャンスのはず。だから・・・・・)
 ((次の攻撃で決着をつける!!))
 共に最後の攻撃に向かえ魔力を最大限に高める。
 それに伴いイフリートは原型を失い、その炎全てがゼイルの拳へと集まった。
 そしてレナの周りにはシロの姿が消え、無数の数のクロが生み出されている。
 ここで少しアルテマボールについての解説をしておこう。
 アルテマボールの効果を上記で上げた通りだが、この技の原型の力はシロはセンティエント・メリア。
 そしてクロの方はカムイ戦でレナの暴走によって起きた全てを蝕む影。
 ともに強過ぎる力をレナなりに抑えて生まれたのが、アルテマボールだ。
 だからシロの力を解放した時、原型に近い力が発揮されたのだ。
 つまり同様に、クロの力も解放できるということなのだが・・・・・・
 「・・・・・・」
 レナの目には一切の迷いが無い。ただ魔力を解放し、クロの数を増やしていく。
 そしてついにその時がきた。互いの魔力が極限にまで達した時、
 まるで互いにタイミングを計っていたかのように、同時に動いた。
 「天照!!」
 「クロ・・・・・・リベレイション!!」
