二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man †運命の歯車† ( No.16 )
- 日時: 2009/12/04 23:34
- 名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)
- † 第一章「ヴァル」 第十五夜 † 
 とりあえず、頑張ってコムイのとても厄介な誤解を解く事に成功したアレンたち。
 コムイがヴァルの言葉を聞いてどっからか銃器類を取り出し、
 発砲しようとしたのでとりあえずコムイを押さえ込む。
 その間に、これは面倒になりそうだな、と思ったヴァルは逃走。
 あまりのことに、アレンたちはヴァルの逃げる背中を見えなくなるまで見送ってしまった。
 「何で逃げるんですか!!!」
 「そうさ!コムイの野郎をこうしたのはヴァルさ!!」
 「・・・そうさせたのはお前らだ」
 軽くイスに縛り付けられたヴァルはそっぽを向いて言う。
 その言葉には少しの怒りと面倒くさいという思いがたっぷり入っている。
 そして、その隣には同じく縛られたコムイがいる。
 「何でボクは縛られているんだい?」
 「あなたが勝手な誤解をしたからです」
 「でも、ヴァルくんがあんな事を言うからじゃないの?」
 「あなたが起きないからです」
 コムイの言葉を冷たく返すリーバー。
 このシスコンはどうにかならないのだろうか___?
 頭の中にコムイが出て来た。そして、こう言う。
 _____なに言ってるんだい!!!!リナリーを奪う人は許さないからね。
 軽く頭を振って中に出てくるコムイを吹っ飛ばす。
 そして、これ以上余計な事はしたくないので、さっさと本題に入る事にした。
 いつの間にかイスから解放していたヴァルがカバンからイノセンスの入った
 ケースを取り出しコムイに向かって投げる。
 「これがドイツにあったイノセンスだ」
 「ご苦労さま。……というか、投げないで渡してよ」
 「面倒クセェ」
 ケースを机に置いてからコムイは咳払いを一つしてアレン達の方に向いた。
 「ヴァルという者達の事なんだけどね。少しだけ分かった事があった。
 一つは百年ほど昔にいた特別な能力を持った一族だという事。
 もう一つは、百年ほど昔に壊滅したらしい」
 〝壊滅〟と言われると分かりにくいが、それはすなわち全員死んだと言える。
 勝手に一族が壊滅するなどありえない。
 __________誰かに壊滅させられた。
 としか考えられないだろう。
 「後、ユアーシュなんだけどこっちはまだ分からないんだ。
 多分、同じような一族や街だとは考えられるんだけど……」
 重い沈黙が続く。
 イノセンスとファインダー探しということで行った任務だったが、
 検討がつかない事態となってしまったのだから。
 「じゃあ、とりあえず待機しといて」
 コムイの言われるままに室長室を出る。
 神田はそのまま自室へとさっさと行ってしまった。
 ラビも自室へ戻ろうとしたが、フッと何か気づいたようで
 クルッとアレンたちの方に向いた。
 「なぁ、ヴァルとヴァルって同じ名前だよな?」
 「……そういうえば、そうでしたね」
 「親類だったりするさ?」
 アレンとラビの視線は自然とヴァルに向く。
 口調は軽いものの、それは仲間を疑っているのと同じ。
 ヴァルは少しビクッとしたがすぐに笑みを浮かべた。
 「馬鹿だろ、お前ら。俺は名前だが、あいつらのは一族の名前だろ?」
 面倒くさそうに手を頭の後ろで組んで軽い調子で答える。
 その橙色の瞳は揺れはせず、じいっと二人を捕らえている。
 「ま、そうれもそうさ」
 「ヴァルの苗字インディーズですもんね」
 「じゃあ俺もう寝る」
 ヴァルも自室へと足を進めた。
 そして、二人の姿が見えなった。
 「__________ヴァルとユアーシュか。見物だな」
 つづく
