二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.25 )
- 日時: 2009/12/05 20:28
- 名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)
- 25 輝く紅き月 
 舞奈 視点
 今は真夜中。あたしは朽木家に来ていた。
 白は暗闇じゃ目立つから、隊首羽織は着けていない。
 もし、変わっていないのなら、兄様の部屋はここのはず。
 ふすまを開けると、兄様が部屋の奥の方に立っていて、あたしを静かに睨み付けていた。
 そんな…寝てると思ったのに……
 「散れ 千本桜」
 兄様は斬魄刀を抜き、始解した。
 刀の刃の部分が花びらのよう散ってゆく。その次の瞬間、あたしの肩から血しぶきが上がり、激痛が走った。
 「やはり、るかの言っていた事は、本当だったらしいな」
 やっぱり、藤原のせい……でも、一つだけ分からない。なぜ、奴はあたしにこんな事をするのか……
 「泉隊長!!」
 今度は、後ろから声がした。振り返ると、ふすまの所にルキア姉様がいた。
 「ルキアさん…」
 「私には、やはり泉隊長がこんな事をされる方だとは思えません!!これは、なにかの誤解です、兄様!!!」
 ありがとうございます、ルキア姉様…あたしを信じてくれて……
 「すみません、ルキアさん…俺は本当に朽木家を……」
 でも、これはあたしの意志じゃない。そう言いたかったが、言えなかった。言ったところで、状況は何も変わらないのだ。
 ルキア姉様はショックを受けたような顔をしている。
 「本当にすみません……」
 もう一度そう言った。
 そして、あたしは刀を抜き、兄様を斬り付ける。
 ふいうちで、さすがに兄様もよけ切れなかったみたい。卑怯だけど、これが暗殺なのだ。
 肉が切り裂かれていく感覚。もう何度も感じたはずなのに、もう慣れたはずなのに、自分のしている事に吐き気がした。なんでだろう……
 兄様は胸の辺りを辺りを押さえ、2、3歩よろめついた。急所ははずれたか…
 「白哉兄様!!」
 ルキア姉様は、兄様のそばに駆け寄る。
 任務は朽木家全滅。つまり、白哉兄様だけではなく、姉様も、使用人も、全部殺せってこと。
 あたしは、ゆっくりと二人に近付いた。ルキア姉様は自分の斬魄刀をあたし向けた。
 ルキア姉様が、自分にかなうはずがないと分かっていた。姉様も分かっているはずだ。
 これは、仕事だから…
 あたしは、そう自分に言い聞かせた。
 ルキア姉様に向かって、刀を振り下ろそうとしたが、上げた手を誰かに掴まれた。振り返ると、こそには、藤原 るかがいた。
 「やだなぁ〜 そんなに怖い顔をしたいでよ、珠君」
 藤原は、普段と変わらない笑顔で、そこに立っている。
 「離せ。邪魔だ」
 「いやよ。でも、どうしてもと言うのなら——」
 藤原は斬魄刀を抜いた。
 「私に勝ってからにしなさい」
 あたしも、斬魄刀を藤原に向ける。あの一角に余裕で勝ったから、油断は出来ない……
 「内から弾けよ 紅月」
