二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ ◆虹色学園の物語◆ 立て直し ( No.5 )
- 日時: 2009/12/20 21:29
- 名前: つっきー ◆6ErNcpqLy2 (ID: 8Sk6sKy2)
- 001.かったるい入学式 
 「えー、我が虹色学園中等部では——……」
 お決まりの校長の長ーい話。生徒は今にも眠りそうな顔だった。
 オレンジも、その生徒の一人だった。
 オレンジは、「どうせ誰も話の内容覚えないんだから別にいいじゃん」と思っていた。
 ゴールドもだらーっとした顔で、シルバーは完全に寝ていた。いや、寝息を立てていた。
 それでもクリスは真剣に話を聞いているだけえらいと思う。
 やっと校長の話が終わるかと思えば今度はPTA会長や生徒会長のお話。
 その時間は、生徒全員にとって、とてつもなく長く感じたのであった。
 「やっと終わった……」
 教室に戻る頃はもう全員がクタクタだった。
 ちなみにオレンジのクラスは1-Aで、ゴールドとシルバーも1-Aだ。
 残念ながら、クリスとはクラスが離れてしまった。
 机にへばり付いてダラーンとほぼ死の状態で居たオレンジだが……。
 「あの〜」
 「んにゃああ!?」
 突然、後ろの人から肩をポンっと触られながら話しかけられたため、オレンジはびっくりして飛び上がってしまった。
 「ご、ごめんね! お、驚かすつもりはなかったんだけど……」
 「あ、平気平気ー」
 オレンジはニカニカ笑うと、その女の子はホッとした。
 「あの、私の事わかる?」
 「……えっと、んーと……」
 オレンジは空っぽの脳みそからなんとか記憶をたどったが、やっぱりわからなかった。
 「ご、ごめんね、その〜……」
 「ああ、平気だよ。あなたが私を知らなくても、私はあなたの事を知っているよ?」
 「ふぇ? それは……?」
 「……確か6年生の頃、学習発表会で主役を演じたよね? そして歌ではソロで綺麗な声を出した……そう、オレンジちゃん!」
 オレンジはびっくりして感激した。この女の子が、自分の事をちゃんと見ていたことに。少し嬉しくなった。
 「えっと、あなたの名前……は?」
 「私はミカ。美術部に入る予定なの。よろしくね?」
 「ミカ……?」
 どこかで聞いたことがあるような、とオレンジはまた空っぽの脳みそを使って、思い出した。
 「あー!! 思い出したッ!!!」
 そう。ミカは、数々のイラストコンテストで最優秀賞を獲得し、なんと画像等を作るほどの持ち主で有名だった、と。
