二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【D灰】 ◆孤高ノ演舞ハ開演◇ 建て直し ( No.7 )
- 日時: 2009/12/27 15:55
- 名前: 屡稀 ◆Jm1.jcFZPA (ID: COldU63y)
- 参照: ———それは取り戻せるかさえ分からない............儚き蓮華............
- 第四夜 —アクマ退治の御一行— 
 ガタン—————————ゴトン。
 ガタン——————ゴトン。
 汽車の中。
 一定のリズムで音が鳴る。
 瑞夜とラビとラウは現在フランスの田舎辺りにいた。
 「とある街に不思議な機械があって……来た子供が全員食われた…………」
 書かれてある現状を読む。
 どう考えたってこれはアクマだ。
 「そんでもって森には人が近寄れない御神体があるそうさ…………近寄ったら弾かれるらしいさ」
 ラビも任務の説明を読んでいる。
 「となると化け物はアクマで御神体はイノセンス、って考えられるか」
 ラウがまとめて言った。
 ラビはそうさね、と頷く。
 「まぁ、単純に考えればだが——————」
 私は思わず口にする。
 修行のせいか、物事を複雑に考えるのが癖になってしまったのだ。
 「まぁ、とりあえず行けば分かるさ♪」
 ラビが明るく言う。
 そうだな、とラウと私は言った。
 にしても、不吉な事も増えるものだ。
 プシュー…………
 汽車が煙を立てて止まった。
 私達は金を払うと汽車を降りる。
 汽車はまた進んでいった。
 「此処が現場か…………」
 一言で言うならば古代ローマの様な所だ。
 所々に柱がある。
 昔戦地だったのか木には傷があった。
 「とりあえず手分けして探すさ…………」
 と、ラビの提案により村々を捜索する事になった。
 私は森、ラビは街、ラウは川だ。
 「全く、御神体おろか化け物までいないな……」
 私はふと溜息を着く。
 ザッ…………
 「!!」
 ふとした時だ。
 常人には聞えない草の音が聞えた。
 瑞夜はそれを聞き逃さずバッと手袋を取る。
 其処にはイノセンスでもある十字架が少し見えた。
 「はは…………何の用ですか??」
 出て来たのは杖を着きちょっと紳士風の老人だった。
 瑞夜はすぐその老人の背後を取る。
 老人は驚いた顔をした。
 しかし、分かる。
 長年の修行の成果でアクマに化ける人間が——————!
 「フッ…………バレたか」
 老人の顔が穏やかな微笑みから邪悪な物へと変わる
 そして老人はバッと帽子を取った。
 其処にはペンタクルが浮き出ている。
 やっぱりアクマか!
 瑞夜はサッと小型の機械を取り出す。
 科学班開発の小型白色無線機だ。
 「ラビ……ラウ……アクマがいる。北の方にある森だ、近くに神体があるかもしれん」
 有無を聞かず電源を切る。
 とりあえずあのアクマを倒すのが先決か…………
 瑞夜は腕をサッと上げる。
 ——————イノセンス発動。
 一気に鋭い刃が腕に広がる。
 老人はボール型のアクマになっていた。
 ———正面突破!
 「…………フッ」
 瑞夜はふと息を吐き走り抜ける。
 ザッ…………
 其処で決着はついた。
 無数もの刃が老人のアクマに突き刺さっていた。
 「ギィッ……クソォ…………」
 それが最期だった。
 アクマは破裂して砂へと化した。
 しかし瑞夜は発動を解かずまだ警戒している目で辺りを見回す。
 「さぁ…………残りも出て来い」
 ———いるのは分かっている。
 すると無数もの人が来ている。
 全員アクマだろう
 全員最初から潜んでいたのか…………
 瑞夜はふと息を吐き全員へと向かっていった。
 第四夜 終
