二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 白悪鬼と黒悪鬼が降臨した【銀魂】 番外編うp!! ( No.436 )
- 日時: 2011/10/07 16:21
- 名前: 柚莉(●>ω<●) ◆K5Psnlr5tM (ID: FqCQxaZS)
- 参照: 福潤と小野でぃと神谷の歌最高すぐるだろォォ!!
 *番外編 無くなった記憶と———。 後編
 「あ、杏。探したんだよ〜」
 杏は慌てて目元を服の裾で擦りながら声の主、
 「何の用ですねん、糞アホ毛」
 「うわー杏酷ーい」
 糞アホ毛事—神威はそれほど、傷ついた様子もなく棒読みで言った。
 「棒読みで言ってるのバレバレだよん。嘘だねん」
 杏は一旦他言葉を切り、ため息と共に言葉を吐き出した。
 「それより用って何ねん?」
 「あ、そうだった。杏、これから地球に任務があるから行くんだけど杏も来る?」
 ———地球?
 「…ぃ」
 「え?」
 神威が聞き返すと、
 「行くって言ってるだよん!!」
 杏は勢いよく答えた。
 *
 「神威、杏は行きたいところあるから別行動ねん」
 「あーいってらっしゃい」
 いってきます、とは言わずに杏はさっさと宇宙船から出た。
 杏が完全に見えなくなった後、阿伏兎は口を開いた。
 「団長、地球に任務があるなんて嘘だろ」
 「そうだけど」
 神威はサラリと阿伏兎の問いに答えた。
 「だって、仕方ないじゃん。杏、地球に行きたって顔をして何度も言うんだし。たまにはいいんじゃない?」
 「もしかして団長、杏のことが好きなのか?」
 「どういう発想からそうなったの?杏のことは別に好きじゃないよ」
 「(本当だか…)」
 阿伏兎はまた、ため息をついた。
 *
 神威Side
 杏のことを好きかと言われたら正直迷う。
 だけど、俺はそう言う感情をすべて捨ててきたはずだ。
 そういう感情は弱い己を作るし、俺には強さしかいらないから。
 でも、杏が阿伏兎と話していると、何かムカつくなー。
 阿伏兎以外でも、俺以外の異性と話しているとムカつく気もする。
 んー、何ていうんだろう…モヤモヤするなー。
 もしかして、この気持ちが嫉妬とか?
 まさか、俺に限ってそんな感情はないはずだよ。
 でも、杏とだったら強い子を産めそうだしなー。
 杏、強いし。
 杏のこと好きなのかな?
 否、好きなのかも。
 まぁ、このモヤモヤした気持ちの正体は阿伏兎にでも聞けばいいか。
 *
 「久しぶりねん、冥」
 「何の用かしら?」
 「柊杏奈の情報」
 杏は簡潔に冥と呼ばれた少女に言った。
 「確かにあたしは何でも屋だけど、情報は売ってないわ」
 「冥はなんでも屋だねん。だから、情報も知ってるはずよん。というか、知ってるだろだせ」
 杏はニコニコ笑顔をやめ、無表情で言った。
 「さすがね。柊杏奈は今、大江戸病院にいるわ」
 「病院?…そういうことかねん」
 「まぁ、あたしは知っていることを言ったわ」
 「毎回ありがとうねん、冥」
 杏は作り物のニコニコ笑顔ではなく、本当の笑顔で冥にお礼を言い、金を置いていき去っていった。
 (ただ、顔を見るだけでいい…)
 (それだけで、幸せ…)
