二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 《銀魂》凛 と し て 咲 く 花 の 如 く アンケート中 ( No.485 )
- 日時: 2010/11/13 10:00
- 名前: 月兎 (ID: kDmOxrMt)
- 参照: やっと本編((
- 第三十六話「天気予報は当てにならない」 
 「 」
 「 」
 沈黙。
 後ろでは雨の音が先ほどよりも強くなって、地を打っている。
 「歓迎しろや」
 神凛が下に見られているところに顔をひきつらせながらも、そう言う。
 すると。
 「 っ」
 嘲笑うような、小さな笑い声が聞こえ…
 「テメー!笑ってんじゃねーぞ!上から見あげんじゃねー」
 神凛が気付いてか、思い込みか吠えた。
 「神凛煩いアル、分かったネ」
 「何が分かったんだ!」
 慰めにもならない同情にも似たその言葉。
 「あーあー。お前ら二人ともうるせーよ」
 銀時が制すると、神凛と神楽が静まり続けるように新八が話を切り出した。
 「すいません、万事屋ですけど」
 「わーってる」
 「…依頼、頼まれたんですけど」
 「わーってる」
 「わーってるじゃねェだろ!だからどうすればいいのか聞いてるんですけど!?」
 ツッコむ新八に「わーってる」を連発した土方は煙草の煙を吐いた。
 「土さん、せっかく来てもらったんだしやってもらいましょうよ」
 由江壱が言う。
 「トシ、信用してないでしょ。やるときはやってくれるんだから大丈夫!」
 穂乃嘉が由江壱の言葉に頷く。
 雨漏りの音が屯所内に響き渡っている。
 その水の音が大きくなるのを聞いて、溜息をつく。
 「いいこと言うじゃねーか」
 銀時が穂乃嘉の言葉にうんうんと自画自賛するように肯定する。
 「お金さえあればね!」
 …。
 穂乃嘉が小さな声で呟いた。
 「土方さん、どうでもいいプライドは捨ててくだせェ。」
 総悟がそう言い放ち、アリスが土方の前にスキップをして出てきた。
 「さぁさー♪こっちですよ♪」
 そのアリスに案内されてやってきた部屋には耶麻と無兎がいた。
 「あ、やっときたんですか?遅いから水溜まっちゃいましたよ」
 耶麻が雨漏りしている天井の下に置いた鍋を指さした。
 無兎がたちあがり
 「それじゃ、頼む。」
 そう一言。
 万事屋一向が嫌々外へ向かってから、仕事をさぼっていたある三人。
 『あ、ニュースやってるよ♪』
 テレビの前、一人目アリスはテレビをつけると、リモコンを投げ捨てた。
 『あーちゃんがニュースなんて珍しいですね』
 その隣で板チョコを齧っていた二人目の由江壱がアリスに言う。
 『脱走時の天気調べてるですゼ』
 三人目、総悟は由江壱の言葉に頷くことなく即答した。
 『違うに決まってんだろ♪雨の行方調べてるの♪』
 そして、テレビから流れてくる声。
 『台風が過ぎると予想されていた明日ですが、新しい台風が直撃する模様です』
 …。
 画面にはひときわ大きい雲、台風が近づく様子が映像にされていた。
 『やばいね♪』
 アリスはどこか楽しそうに言った。
 —
 「なんか、風強くなってねェか?」
 「今だけですよ。きっと」
 「そうネ、明日には台風は何処かに行くって言ってたアル」
 「…帰りたい」
 —
