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(早い…っ！)

フィディオは直感的にそう感じた。

とても素人だと思わせるようなプレーでは無いのだ。

スピード。
テクニック。

全てにおいて、欠点は無い。

(彼女は、一体…)


フィディオが思考を巡らせているその瞬間も少女はボールを蹴る。

「はぁっ！」

チームの一人が、少女に向かって一気にスライディングした。

が、しかし。

仕掛けた選手を跳び越え、ゴールへと走る。


「こんな簡単にペナルティエリアまで入られるなんて…」


そう呟いたフィディオの声は、空に消えるだけで。

シュンッ、と風を切る音が聞こえたと思えば、ボールはゴールの中へと入っていた。