二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.123 )
- 日時: 2011/01/31 15:51
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: 大嫌イナンテ、言ワレ慣レテル言葉ダヨ。
- (※沖縄弁分かんないんで、標準語です。すいません) 
 *+第十四話+*
 「駄目だなー。ボールはコートに向かって打たないと」
 へラッと笑うと、下に落ちたボールを少し蹴る。
 だが、ボールはあまり動かない。
 「残念です。“全国大会”とは、この程度のレベルなんて」
 ラケットのフレームでボールをポンポン、と弾ませる。
 「なんだと??」
 平古場が言えば、彼女はニコッと笑った。
 「でも、赦せないなァ…」
 言い終わると、一気にさめた表情になる。
 「私の恩師に、何したか分かってんの??」
 ——————————————————君の、本当の表情はどれ??
 不二はふいにそんなことを思った。
 だが、少し前のあの“何か”に怯えているような声を思い出す。
 “ずっと、一緒に居て。 ”
 あれが、きっと彼女の本音で本物の表情だろう。
 「君!! 早く、出て行きなさい」
 審判が言えば、彼女は驚く。
 「あ、えと、すいません」
 謝りつつも、ボールをフレームで跳ねさせる。
 「じゃぁ、アンタにボール返すよ」
 ポーン、と空高く打てば、落ちてきた瞬間にガットで彼女は思いっ切り打った。
 「痛みを、味わっとけ」
 審判には聞こえない程度の音量で彼女は呟く。
 敵意むき出しに、声を低くして。
 「っ!!」
 ボールは平古場の目と鼻の先で、下に落ちていく。
 「んー。鈍ってなかったかな」
 小声で言えば、彼女はニヤリと笑う。
 「こ、こら!! 君、選手に何してるんだ!!」
 審判が言うと、彼女はペコッと腰を曲げる。
 「ご、ごめんなさい!! えと、もう出ます!!」
 ラケットを観戦席に落とせば、よいしょ、と声を出しながら、コートから出た。
 ***
 「ふぅ…。やっほー、ぎんっ!!」
 殆どの人は試合に集中していたから、気付いていないだろう。
 パチン、と音が少しの周りに響く。
 銀花が彼女の頬を平手打ち。
 「嘘吐き…!! 輪廻なんか、輪廻なんか、大嫌いっ」
 銀花の言葉にレギュラーは驚きながらも、ゆっくりと輪廻を見た。
 「“大嫌い”ね、」
 輪廻は、ニヤリと笑いながら、顔を上げる。
 「そんな言葉、言われ慣れているよ。銀花」
