二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.40 )
- 日時: 2010/10/11 10:24
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: スイマセン。ヤッパ、無理矢理、アンタカラ奪イ取ルッス。
- *+誕生日番外編+* 
 8月25日。
 「本日、晴天ナリ」
 屋上の日陰の場所に座りながら、彼は言う。
 「におー」
 そう言いながら、ガムを膨らませる彼。
 「何じゃ、ブン太」
 だるそうにしながら、彼は振り向いた。
 「今日ってさー、赤也の誕生日じゃね??」
 しばらくの沈黙。
 「……、参謀辺りが何かしとるじゃろ」
 人任せな話である。
 ***
 その後、ブン太と仁王がレギュラーに電話をし、屋上に集まってもらった。
 勿論、赤也に内緒にするよう、釘を刺して。
 そして、放課後、部室でパーティーをする計画を立てたのだ。
 だが、それには、マネージャーの協力も必要だった。
 なので、急遽、マネージャーに来てもらった、んだが…。
 「何で、おまんも来るんじゃ」
 はぁ、と溜息を付く、仁王。
 「それ酷くね?? たまたま、銀花と明日の休みの話をしてたんだよ」
 ポン、と銀花の頭を優しく叩くのは、“柊 紅蓮”
 「そん時に、お前らから電話があって、俺も付いて来た、ってワケ」
 簡潔に纏めながら言うと、紅蓮は笑う。
 いつもの、ように。
 仁王はそんな彼を見、視線をずらす。
 ぎゅっと、紅蓮の腕の裾を掴んでいる少女。
 未だに、きっと彼女は彼らのコトがあまり、慣れていないのだろう。
 と言っても、事情が事情なので、誰も強く言う奴は居ない。
 「嘘を付くんなら、もっとマシな嘘を付きんしゃい」
 彼の声が、屋上に響く。
 「嘘なんかついてないさ。俺はたまたまコイツと居ただけで」
 紅蓮が否定すれば、クスッと幸村が笑う。
 「素直に言えば良いのに。あ、それとも、本人が居るから言いにくいのかな」
 幸村が銀花を見ると、彼女はビクッと肩を揺らした。
 「……、銀花。後でメールするから、先に教室戻ってろ」
 優しく頭を撫でながら、紅蓮は言う。
 「いや、紅蓮。俺がメールするよ。それで良いよね、銀花」
 幸村がニコッと笑いながら言えば、銀花は一歩下がってから笑った。
 「分かりました。待ってますね、“部長”」
 ***
 「相変わらず、凄い切り替えの速さ、じゃのぅ」
 仁王は面白そうに笑いながら言う。
 「部活中なら、普通に話せんのにな」
 丸井はジャッカルの頭を触った、瞬間だった。
 「うわぁぁぁぁぁ!!! 俺、ヤバくね?! ってか、ヤバイ!!」
 紅蓮の叫び声が屋上に響く。
 「俺、冷静だった!? 冷静、だっただろ?!」
 「さっきはね。今は、ウザい」
 「はは。黙れよ、精市」
 「たまたまだって、よく言うよね。絶対に気になって着いてきたくせにさ」
 「煩いぞ、精市」
 「うわ、キモい」
 「腹黒だな、相変わらず」
 「え。それはジャッカルだろ??」
 「肌の色じゃねぇぇぇぇぇぇえ!!」
 本日二度目の叫び声であった。
 因みに、全部、幸村と紅蓮の会話である。
 ***[放課後]
 「だぁぁぁぁぁ!! 意味不明!!」
 トレードマークとも言えるワカメ頭を左手でかきながら、机の上にあるワークを見た。
 「んで、こんなのやんなきゃいけねーんだよ」
 ボソボソと呟きながら、机に頭を乗せる。
 外では、大声で叫んでいる“あの先輩”の声が響く。
 だからか、彼は敢えて、見ない。否、見れない。
 そんな時だった。
 後ろのドアが開くと、そこには一人の少女。
 「部長に言ってきたよ。ワーク何処まで行ったの??」
 銀花は赤也の机の前で立つと、窓に体を預けた。
 「俺が、ページを進められるとでも??」
 「いや、思わないね。1ミリも」
 「だろ?? それに、俺は2年エースだから、良いんだよ!!」
 「意味不明。馬鹿じゃないの、赤点エース」
 銀花が言えば、「うっ」と言葉を詰まらせる赤也。
 ふいに、銀花は外を見る。
 すると、少し頬を緩ませた。
 「どうしたんだよ」
 赤也は右手で持っている、シャーペンをぐるぐる回しながら聞く。
 「紅蓮、頑張ってるなァ。って思っただけ」
 銀花が言った瞬間、赤也のシャーペンが下に落ちた。
 「あ、そう」
 思ってるよりも、低い声が出る。
 「赤也、どうした、の…?? え??」
 振り返れば、そこには赤也。
 目を伏せているので銀花には、表情は分からない。
 「あかっ!!」
 顔の左右に赤也の手が置かれた。
 ゆっくりと相手を見れば、凄く“悲しそう”な顔。
 「あか、や…??」
 何で、そう言う前に赤也が口を開いた。
 「なァ、俺じゃ、ダメなのかよ…!! 俺は、お前のコト好きなのに」
 それは、絶対に打ち明けてはいけないコト。
 ———————————君に、この恋心を打ち明けよう。
