二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: テガミバチ +*ヒカリの少女*+ ( No.7 )
- 日時: 2010/10/07 13:56
- 名前: 唖柚李 (ID: 8hgpVngW)
- その日、審査を終えた後、馬車で帰った。 
 ラグ・シーイングの瞳に光は無かった。
 +*+*+*
 「ゴーシュが『BEE』じゃない・・・って・・・
 それって・・・・・・どういうこと・・・!?」
 「どーもこーも・・・・・・『BEE』の名簿からは抹消されているってことさ。
 なんだよ、知り合いか・・・でも、もう何年も前の話らしいぜ?」
 「・・・。」
 「なんで・・・・・・」
 ラグ・シーイングはスエードが『BEE』ではなくなったことを認めようとはしない。
 ・・・こんなに『こころ』の底から想われてて、スエードも幸せ者だね。
 「知らねえよ、そんなの・・・・・・」
 「ザジ・・・!!」
 「『ヘッド・ビー』候補でハチノスじゃエースだったらしいけどさ。
 僅かなミスも許されねえって噂の首都勤務だ・・・・・・
 大方ついていけなくて挫折でもしたんだろ。
 しかし・・・それにしたってアホだよな・・・
 苦労して首都エリートの暮らしを手に入れたのに自分からケツまくって逃げちまうなんてさ・・・。」
 「ちょ・・・ザジ、言い過ぎ・・・。」
 「!!」
 ラグ・シーイングがザジに掴みかかる。
 ・・・ホラ、やっぱりこうなっちゃう・・・っ!!
 「やめろ・・・・・・うそだ・・・そんなわけないだろ・・・・・・
 そんなわけないっ・・・!!ゴーシュが『BEE』をやめるなんて・・・・・・」
 「はなせよ、ラグ・シーイング・・・
 ・・・・・・はなせよ!!!」
 「ちょ・・・二人ともやめ「うそだ!!」
 マカの子がラグ・シーイングに近づく。
 僕の必死の止めは通じず、ラグ・シーイングは地面に這い蹲る。
 「ゴーシュが『BEE』の仕事を投げ出すわけがない・・・
 ゴーシュが逃げたりするもんか・・・・・・!!
 ゴーシュはアカツキで、『ヘッド・ビー』を目指しているんだぞ!!!」
 ラグは顔を涙だらけにして泣きじゃくる。
 「・・・そんなこと、分かってるんだ。
 でもさ、そんなに分かりきった事を・・・皆知ってる事をむしかえされて、まるで、自分だけは分かってるみたいな物言いはやめてくれないかな?
 癇に障るんだ。
 御託を並べてさ・・・っ、ゴーシュを探す手がかりは僕だって探してるんだ。」
 ラグ・シーイングの瞳から光が消えうせた。
 同時に僕の瞳からも、色が抜け落ちた。
 +*+*+*
 「着いたよラグ・・・・・・シルベットの家はあの路地の一階・・・左手前から二つ目だ。ぼくらはここで待ってるから。
 ラグ・・・・・・黙っててごめんな・・・・・・シルベットに・・・・・・よろしくと伝えてよ・・・・・・。」
 ラグは返事一つもなしに背を向けてシルベットの家へと向かう。
 「・・・返事もしやがらねー。なにアイツ〜。」
 「仕方ないよ・・・・・・ ラグにとってゴーシュさんは理想の『BEE』で・・・ずっと目標にしてきた人だからね・・・・・・。
 シルベットのために・・・・・・ゴーシュは首都で頑張っているからって・・・・・・自分も負けないように・・・って・・・一日も早くゴーシュさんに追いつきたい一心でラグは頑張ってきたんだ・・・。
 ぼくは言えなかった。『こころ』からゴーシュさんを信じてるラグに
 ぼく・・・ずっと言えなかったよ・・・・・・。・・・あいた!!」
 ザジはクルフにハンバーガーを投げた。
 「ザジ!?」
 「弁当のあまりやるよ!ちゃんと片付けとけよな—。
 いくぞヴァシュカ!!シオン!!」
 「いく・・・ってどこに?」
 「ハチノスだよ—。報告も兼ねて・・・ね」
 「なんで?あとで一緒に戻れば・・・・・・」
 「オレら先に戻るからあいつにあやまっといて。」
 「は?」
 「なんか、ちっと・・・悪かったな・・・つっといて。」
 ・・・ザジ・・・素直じゃないな・・・。
 ま、僕もちょっとは悪いって思ってるけどさ。
 一緒に、てか、ついでって事で。
 +*+*+*(ハチノス内)
 「ね・・・ザジ・・・。」
 「・・・何。」
 「ザジは僕の事好き—?」
 「・・・直球だな、お前・・・。・・・友達っつーか、同僚としての意味では、まぁ。」
 「ふーん、そ—なんだ—。・・・あ、じゃあ、僕の相棒のリンネは!?」
 「好き。猫だし。」
 ・・・何?この差は。
 それに、猫じゃないから!!虎だし、猫の仲間だけど猫じゃないから!!
 僕、動物に負けちゃったの?ひっど—い・・・。
 すると、前から煙草を銜えたロイドさんがやってきた。
 「あ、ロイドさん。お疲れ様です。後、煙いです。」
 「うん、お疲れね。」
 僕の言葉は軽く無視・・・。
 僕の言葉って無視されまくりだね。
 「僕、帰ろうかな?」
 「来て早々?・・・何しに来たの?」
 「逃げてきたの——♪」
 「「え?」」
 二人は声を揃えて驚く。
 そう、ラグから逃げてきた、のもあるけど一番はきっと・・・
 自分から。
