二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 鋼の錬金術師 〜碧眼ノ鳥〜 ( No.2 )
- 日時: 2010/11/25 18:55
- 名前: 夕影 ◆6ShkNKtZzs (ID: IjQZZTQr)
- 〜プロローグ〜 
 草原に立つ少女がいた。温かな光を楽しんでいるかのように、口元には笑みが刻まれている。
 綺麗な青い髪。その髪は肩までの長さに整えられている。瞳の色は碧。エメラルドの様に綺麗なそれは、太陽の光を帯びて輝いていた。整った顔立ちに、優しげな表情。
 
 少女の視線の先には、一羽の小鳥。青と白と言うあまり見たことのない色の小鳥である。小鳥はそろそろと少女に近寄ると、そっと少女の肩に乗った。少女はより一層微笑み、小鳥の頭をなでた。
 だが、その瞳はどこか寂しげで、うるうると揺れていた。
 『もう少し……もう少し一緒に居たかった……。こんな事にならなかったら…お前と……フィンと……一緒にいられたのに……ゴメン……ごめん…フィン』
 何度も謝る彼に、少女、フィンは何も言えなかった。ただひたすら、泣くことしか。
 鳥籠にいれられたフィンを救ってくれた彼なのに、フィンは何もすることができなかった。それに、せっかく救ってくれたのに、また鳥籠に戻ってしまった。
 (ラーク…………こっちが謝りたいよ……)
 フィンは俯いた。小鳥を逃がし、ゆっくりと目を閉じる。
 蘇るのは、あの血塗られた日々。何度も何度も、ただ人から憎まれる事ばかりをしてきた、あの日々。
 「………私はいつまでこんな事をしたらいいんだろう……」
 ポツリとフィンは呟いた。
 そんな時。風が急激に強くふいた。フィンは髪をおさえる。
 かたく瞑っていた目を開けた時、目の前にいた人物にフィンは驚愕する。
 「見ーつけた……」
 「ッ!!」
 目の前にいたのは、深い青の髪をした女。その暗めの緑の瞳は、フィンを暗く映し出す。
 女は指を鳴らす。瞬間、ザッと黒いローブを着た集団が現れ、フィンを囲んだ。
 女は不敵に笑った。
 「鬼ごっこは終わり。さて……来てもらうとしましょうか」
 「……絶対ヤダ…」
 フィンはすぐさまかまえた。
 * * *
 汽笛の音が鳴る。綺麗な湖畔が有名な町、ジーランスに、珍しげな客がやってきていた。
 金色の髪の三つ編みに、生意気そうな金色の瞳。黒い上下服の上には赤いコートを羽織っている。厚底のブーツをはいた少年がいた。
 その横には、青銅色をした鎧。二メートルはあるだろう。
 「やっと着いたね!! あ、兄さん!! 湖畔見に行ってみようよ!!」
 「ヤダね!! オレ達は湖畔目当てで来たんじゃないだろ!!」
 「………息抜きぐらいいいじゃんか!!」
 鎧が少年を引きずりながら湖畔へと向かっていく。
 うわさ通り綺麗な湖畔に二人は入った。湖はキラキラと輝いていて、その周りはどこまでも続いていそうな草原である。
 「うわ〜、やっぱり綺麗だね〜」
 「まぁな。って……アル…あれ何だ……?」
 少年の視線の先には、少女が立っていた。
 その周りには血と血を流しながら倒れている人たち。少女の向かい側には、女が立っていた。額をおさえながら少女を睨み、去って行った。
 
 少年と鎧は少女に近づき、茫然と少女を見た。
 「……ダ、レ」
 途切れ途切れに少女は言い、ゆっくりと振り向いた。
 整った顔立ちに、血がついている。その目は光を帯びていなく、どこまでも虚ろだ。
 「ゴメン、ナサイ……コンナ、ツ、モリ、ハ…………」
 瞬間、少女が倒れ込んできた。
 間一髪で鎧がそれを支えた。気絶しているようである。傷だらけの身体は動かない。
 「……コイツ…何だ……?」
 これが彼等の出会い。
 ここから、運命の歯車は急速に回り始める。
 * * *
 >>無幻様
 初コメありがとうございます!!!
 そうですね!!映画楽しみです♪
 27巻まだ買ってないんです……!!お金が…。
 コメントどうもありがとうございました★
