二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アンネセサリーな僕とキミ 【イナイレちまちま集】 ( No.29 )
- 日時: 2010/12/17 21:28
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: F3o31y5l)
 …とは、言ってみたものの。
 ほとんどノリで『反撃開始だっ!!』とか言っちゃった僕に作戦なんてある筈なくて。本当にゴメンなさい。結構、適当に生きてるヤツなんです。僕っていう人間は。
 嗚呼、どうしよう。ここまで来てマークが外れて、周り敵ばっかりみたいな状況になっちゃったら。サッカーは好きだし、少しばかりの自信はあるけど…僕、天才じゃないから無理。ゴットチルドレンでも無いから無理。本当に無理。…無理。
 「葵ーっ!!顔が暗いですわよーっ!!笑って笑って!!」
 「そんなこと言う暇があったら、さっさとマークを振り払えっ!!」
 自由というか、さすがお嬢様育ちというか。財閥のお嬢様って凄いね。色々な意味で。あえて深く考えないけど。
 なんとかコートの真ん中辺りまで来たけど、DFさんが一杯でどーしよ。僕、馬鹿だから何すれば良いのか、さっぱりわっかりませーん。先生、教えてくれなかったし。きっと授業では伝えられない事って、こーいう事を言うんだよね。…あれ?違うの?
 「FW陣、ボールが回せないんですけどーっ!!」
 ゴールへ近づいていく。が、小さい子が現れた。山吹色の…ア●ムさんみたいな髪型の男の子。中一だよね、きっと。確か名前が…何だっけ。やっべ、思い出せないんだけど。もう老化が始まってるとか?…やめて欲しいね。まだ中二なのに。青春時代真っ盛りなのに。
 彼の名前を思い出している間に、いつの間にか少年は、くるくると回り始めた。そーだよ、この必殺技を使う中一の漫遊寺中のDF…
 「旋風陣っ!!」
 「木暮夕弥かっ!!」
 「えっ!?」
 ヒップホップダンサーのごとく、クルクル回転している木暮。これは必殺技なのかーっ!!とも思ったが、ここは超次元だ。落ち着け自分。取られないように何とか避けると、ダッシュでゴールへ向かった。
 気づけば、飯島…ムカつくFWが何故だか空いていたので、パスを出すことに。
 「おーい!!藤浪ーっ」
 「…チッ」
 「舌打ちっ!?」
 パスを嫌々出した。これで点、取らずに帰ってきたら…ただじゃおかねーからな飯島のヤロー。こんな黒いオーラが伝わったのか、飯島は一旦、僕をチラ見した。ばっちり目が合ったから、しっかり僕の想いを伝えた。伝えたんだよ?脅しじゃないもん。
 「ナハト・タンツ…"改"!!」
 あ、進化してる。
 「うわぁぁぁっ!!」
 あ、マジでゴールしちゃったよ。
 『こ、ここで夜桜イレブン…同点ゴールを決めました!!終了時刻が迫る中、守りきれなかった雷門中。さあ、ここからどのような展開になっていくのか!!』
 …呆然。今、僕は何をしたんだっけ。嗚呼、パスを出したんだ。そしたら飯島のシュートが前より強力化してて、ぁ、すげぇと思ったらゴールネットが揺れてて…こういう状況を確か、同点ゴールと呼んだ筈。
 もしかして、僕たち…
 ——日本一に追いついちゃったの…?
