二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: けいおん! 会いたくて—— ( No.10 )
- 日時: 2011/01/20 21:45
- 名前: 藍那 ◆zCS1o.kilU (ID: Nf5qxtZ9)
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 「じゃあまた明日ね〜」
 もう日が暮れた後の帰り道、秋山と田井中とは先に別れ、その後に平沢と中野と俺で一緒に帰っていた
 どうも俺は中野と家が近いらしい
 「おう、お疲れ」
 「さよならです」
 平沢が家に向かって駆けていった
 すると不思議な現象が起こる
 待ち構えていたかのごとく、ドアが開いた
 え、平沢がもう一人……
 「お帰り、お姉ちゃん!! 」
 ……声が若干違うようだけど
 「憂ちゃんっていうんですけど、唯先輩より一つ年下なんです」
 「そうなんだ……出来る妹って感じだよな」
 「うん、そうですね」
 ドアで待ち構えるなんて、やり手じゃないと出来ないな。クスッ
 「ってか、似てる…… 」
 「似てますよね…… 」
 俺は今、中野と二人で歩いている
 そういえば、女子と二人で歩くなんて初めてかもしれない——
 ……って、やべ。そういう風に思うと意識してまうからやめとこ
 とりあえずアコースティック買わないと始まらないしな
 「ここらへんでレフティギター売ってる店知らない? 」
 「この近くだったら商店街にありますよ? 」
 ……商店街にレフティがあるのか。何かすごい店だな
 「で、それはどっちへ行ったら? 」
 「えっと……あっちいったりこっちいったり……あれ? 分からなくなってきました」
 おいおい
 「近いからすぐ案内出来ると思うので、一緒に行ってもいいですか? 」
 お、よかった。俺方向音痴だから助かった
 言葉じゃ説明できないような場所っていったい……
 「じゃ、頼むわ」
 ……なんていったら馬鹿にされそうだから秘密にしておいたのはここだけの話
 「着きました! 」
 で、連れて来られたのが商店街に聳える店
 想像していたのよりもきれいだな
 自動ドアが開き、俺達は店の中に入っていった
 ギターの独特な匂いが、俺達を包み込む
 「ギターはどこにあるんだ? 」
 「下の階です」
 商店街にある店なのに綺麗で地下もあって高級そうな物ばっかり。なんだってんだここは
 「あ、そうだ。ここってムギ先輩のお父さんの会社の系列だそうですよ」
 あぁ……納得
 下にはいろいろな種類のギターが置いてあって、中野なんか色々目が移っていた
 で、今はレフティーキャンペーンとかでレフティギターが多く売られているらしい
 で、俺はアコースティックのギターを見ている間、中野はあらゆるギターを触っていた
 「うーん、どれが一番いいかな……」
 幸運にもアコースティックが多く売られていて、選択肢が広がったけど、その分迷いが生じる
 そんなときに、中野が戻ってきた
 「どうしたんですか? 」
 「ん、種類が多くて今迷ってる……」
 中野がアコースティックを一つずつ手に持っていく
 そして、一つの黒いギターを俺に持ってくると、手に持たされた
 「これなんか、竜雅先輩なら重さも手頃だし、持ち易いそうだし。ただ……」
 確かに持ち易いし重さも丁度良い。ただ……?
 「これ、30万円するんですよ—— 」
 「……」
 「だから、これを基準にもっと安いのを—— 」
 「いや、これでいいよ」
 俺は黒いギターを手にレジへ行こうとした
 「え、ちょ、竜雅先輩? 」
 「どした? 」
 「だってそれ、30万円ですよ!? 」
 「それで? 」
 「いや、だから……」
 はぁ。と溜息をついて中野がそういった
 完全に、言葉に詰まったらしい
 「……ありがとう」
 「え? 」
 きょとんとしている
 「中野がせっかく選んでくれたこのギター。解体と思ってさ。そんでもって大切にしたいって思ったんだ」
 「え……」
 そして、俺は引き止められた手を離された
 「すいません。このギターください」
 「ありがとうございます! 30万円でございます」
 中野があたふたしている。どうやって払うのかと考えているようだ
 そりゃあ決まってるだろ
 「カード払いで」
 「まさか……あれを一括払いで……」
 中野が未だに驚いている
 「そうか、そんなに変か? 」
 「そうですよ!? 澪先輩を除いて皆変な人ばっかり!! 」
 俺、なんかしたかな——
 って、秋山以外変態って言ってるのと同じだよな
 「でもこれで、明日から練習できますね!! 」
 「あぁ、明日には感覚を身に付けて弾けるようになってるさ」
 とりあえず、これでいいかな?
 「あの、聞きたいことがあるんですけど……」
 中野が俺に擦り寄ってくる
 この部活、近づいてくる奴が多い——
 「竜雅先輩って……もしかして男子が嫌いですか? 」
 え?
 何で、どうして
 それが分かったんだ?
 NEXT……
