二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 絶対可憐チルドレン ( No.13 )
- 日時: 2011/01/15 12:23
- 名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: 7aD9kMEJ)
- * 
 「ッ! やぁあぁあああぁぁ!!!」
 長年特務エスパーとしてやってきた薫がとっさの判断で機体を支える。
 (くそッ! さっきので,念力が尽きた…かもッ…!)
 小柄な少女の体に巨大な飛行機の重みが加わる。
 「おいッ!!」
 機体を支えながら,不思議そうに薫の行動を見ている來羅に一言叫ぶ。
 「ッ! おい!! ボーっと見てないで,手伝えよ!!」
 「なんで?」
 「はぁ?」
 涼しげな顔で,薫に問いかける,來羅。美しい黒髪をサラリとまた耳にかけ,來羅は言葉を続ける。
 「その人達,ただの普通人(ノーマル)よ? それに,ほんの100人程度しか乗ってないし…」
 「それがどうした!?」
 苦しそうに薫はまだ機体を支え続けている。それを横目に,淡々と言葉を続けている來羅は,一度口を閉じ薫が支えている機体の窓に近づく。乗客が,墜落か…それとも,ほかの何か…そう,來羅に怯えているのが,薫に見えた。窓を指で撫でる。口に不思議な笑みを浮かべ,クルリと回った。純白のワンピースと漆黒の髪がフワリ,と揺れる。來羅は,また口を開いた。
 「ねぇ,薫ちゃん? 世界はね,広いのよ? 同じ空を共有している人が,何十億人もいるの。あの人達は,その何 十億人のうちの100人なの。薫ちゃん。あなたは,その100人の為に全力を尽くすの??」
 『あたりまえだろ!!!』
 「!?」
 薫でも,來羅でもない男の声。
 「皆本?」
 通信機から聞こえる,声の持ち主の名を思わず呟く。
 『いや…当たり前だと思っているのは,僕だけかもしれない…。だが…薫たちは———』
 「違うッ!!!」
 皆本の声を遮り叫ぶ薫。
 ヒュ…
 「薫!!」「薫ちゃん!!」
 チームメイトの声,
 「薫ッ! 大丈夫か!?」
 そして,指揮官の懐かしいように思える声。
 パッ———!!
 「みんな!!」
 輝くような薫の笑顔。その笑顔に,來羅が驚いたような,嬉しそうな表情を浮かべる。
 「よぉぉしッ!! これがザ・チルドレン…フルメンバーだ!!」
 *
