二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ONE PIECE】 狂幻双子 ( No.8 )
- 日時: 2011/02/01 17:35
- 名前: 右左 (ID: 8hgpVngW)
 <<эпизод 1>>
 -昨日の傷は明日の治癒薬-
 どこまでも果てしなく続く大海の中、一隻の船が進んでいた。
 麦藁帽子を被った髑髏が描かれた海賊旗を掲げた船、その船の名はゴーイングメリー号。
 船の中には5人のクルー達が乗っている。
 「ナーミすわぁーん!!」
 目をハート型にしてやってきたぐるぐる眉毛の金髪男は、ナミと言ったオレンジ髪の女の傍まで近寄る。
 女は男の顔を見て、呆れたように言った。
 「何??サンジくん」
 「もう食料が無くなってきてるんだ。 どっかの島で調達させてもらいたいんだ。 何処かの大食いが限度を気にせず食うから」
 「そんなに無くなったの?? ……いいわ、丁度近くにルキネ村があるから寄りましょ」
 サンジと呼ばれた男は元気良く返事をし、厨房へと入っていった。
 きっと調達するものを確かめに行ったのだろう。
 「ルフィ!! もう少しで島に寄るから準備しときなさい!!」
 するものがあるのか、とツッコミを入れたい。
 麦藁帽子を被った麦わらの一味の船長、ルフィはナミに返事をする。
 「分かった!!」
 ルフィは甲板から降り、寝ている三本の剣を携えた緑髪の男の頭を叩いた。
 「ゾロ、起きろ!!」
 ゾロは顔を引きつらせて重くだるい身体を起こし、身体についた埃を少しだけ払う。
 「っしゃー!! 沢山食うぞー!!」
 「何をよ!! 散々食べたくせにまだ食べるの!!」
 ナミの平手を頭に喰らったルフィはそれをものともせず、笑う。
 上から「見えたぞ、ルキネ村!!」と男の声がする。
 長鼻の男はウソップ。射撃が得意で彼が放った弾はほぼ百発百中となる。
 彼等の船は、ルキネ村の浜辺へと到着した。
 ***
 四方八方を海と山に囲まれた村、ルキネ村。
 島に入る手立ては山に通ずる人一人でいっぱいになる細い一本道のみ。
 全員降りたのを確認すると緑髪の男が真っ先に何処かへと行こうとしていた。
 「あぁ!! ゾロ、待ちなさい!!」
 ナミの声が聞こえていないのか、ゾロの足は止まらない。
 彼が進む方向からは子供の無邪気な笑い声が聞こえてくる。
 「あら?? 人が居るのね。 わたし達も行きましょ!!」
 そう言って細い道を抜けた先には開けた野原が広がっていた。
 野原の奥には一軒の家。家の前には茶色いオーバーオールに絵の具で汚れたTシャツの銀髪の男と、子供たちがざっと10人ほど座っている。
 男の方は左手に絵の具が出された小皿を、右手に絵筆を持っていて、絵を描いているようだ。
 気付いた男が、麦わらの一味に手を振ってくる。
 「どうしたんですか?? 此方に来ても宜しいですよ、取って食うなんてしませんから」
 にこやかに笑う男は一度絵筆や小皿を置いて麦わらの一味の前までくる。
 「ルキネ村って、こんだけか??」
 「そんな訳ないですよ。 この山を越えた所にあります。 食料ならそこへ行かないとだめですよ」
 ルフィは笑って言う。
 「おめえ、いい奴みたいだな!! 名前なんて言うんだ??」
 「俺はリードレンデ・ユーマです。 ……良ければ俺の家で食べていきますか?? 丁度俺も食料を買いに行こうと思ってたところですし」
 「本当か!?」
 「はい」
 二人は互いに打ち解けあい、笑っていた。
 そこに、一筋の光が家から飛んできた。
 その光は五つに分かれ、ルフィ達の頬に鈍い痛みを走らせた。
 家の中から出てきたのは地面に着きそうなくらい長い銀髪を靡かせたとても綺麗な女だった。
 サンジが美しさに息を呑む。 そしてそれと同時に彼女は言う。
 「何、してるの」
