二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【APヘタリア】夢幻迷宮【RPGトリップ】 ( No.4 )
- 日時: 2011/04/10 12:53
- 名前: ひいらぎ ◆brUNnJvSqY (ID: q.GNWgNw)
 act.3
 イヴァンさんについていくこと数分、やっと水の音が聞こえてくる。
 草をかき分けたり倒れている巨木を乗り越えたり…年寄りの身では辛いことばかりです。…はぁ、嫁に会いたい。
 「ほら、もうすぐだよ」
 踏みしめた地面は土から砂利にかわり、小石と小石がぶつかって小さく音を立てる。
 「…あれ?フランシス君たちいないや」
 ………え?
 ……どういうことでしょうかね、ここまで老体に鞭を打って歩いてきたというのにまさかのいないというのは嫌がらせですかああそうですか。
 よろしい、ならば戦争だ。
 「遺憾の意」
 「菊ううううううううううううううう!!?」
 「お、落ち着け!落ち着くんだ!」
 「まあ大丈夫、その辺にいるから…たぶんね」
 たぶんってなんですか……まあここでこんなことしていても仕方がないですね。
 すでに疲れ切った老体に鞭を打ち、歩き出そうとしたとき。
 「ぎゃあああああああああああああああああああああっ」
 「うわぁああああああああああああああああああああああああ!?」
 「な、なんだ今のは!?」
 「何事ですか?」
 「なんだろうねぇ、まあ行ってみようよ」
 腰を抜かしたフェリシアーノさんはルートヴィヒさんに担がれ、私たちは叫び声のほうへ歩を進めた。
 はぁ、一体ここはなんなんでしょう。叫び声が上がるくらいに危険なら早く合流しなければ大変な事態になりかねません。
 *******
 「いやいやいやー!お兄さん無理ー!!助けてー!!」
 「我がなんとかするある!お前は後ろに下がってるよろし!」
 「ヴェーッ!!俺も無理ー!」
 「フェリシアーノ!暴れるな!!落ちるぞ!」
 「…あれはいったい…」
 「あはは、懲りないよねぇ。僕、あれ倒したよ」
 「え!?」
 ……不機嫌だったのは、そのせいなんですか。
 ですがあれは……王道のモンスター、スライムではないですか。
 あれくらいならここにいる方たちなら一人でも倒せるでしょう。…フェリシアーノ君やフランシスさんは戦う前に逃げてしまいそうですが。
 …スライムがいるということは、ここはRPGの世界……?
 片手にもっていた檜の棒に視線を移す。
 ……やはり、RPGと思うのが一番、なのでしょうか。
 「倒したあるよ!」
 耀さんの声で意識を戻す。
 「耀さん、体に変化はありませんか?」
 「変化?特にないあるが…ああ、でもなんとなく体が軽くなった気がするある」
 …経験値、が入ったからでしょうかね。
 レベルが上がれば攻撃力などもあがりますからもっと変化が分かりやすくなってくるでしょう。
 「本田君、何か知ってるの?」
 「はい。ですが、お話するのは全員が集まってからでよろしいでしょうか」
 「うん、いいよ」
 イヴァンさんは頷くとフランシスさんたちのところへ行き、倒れていた丸太に腰かけた。
 私たちは先ほどの場所へ戻るために来た道を引き返した。
 to be continued
