二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 悪ノ娘〜「さぁ、ひざまずきなさい!!」〜 ( No.108 )
- 日時: 2012/04/04 12:26
- 名前: 鏡猫 (ID: PCp3bZQ1)
- 第1話 悪逆非道 
 「レン」
 「なんでしょう王女様?」
 華やかなドレスに身を包んだ王女は、近くにいた顔のよく似た召使を呼んだ。
 今の王女は、とても若い。まだ、14歳という若さで王女を務めているのだ。
 こうなったのにも理由がある。
 現王女、リンの母が急な病で死んでしまったのだ。
 そこで、表面上では、唯一血の繋がっている子供。リンにたくされた。
 同じ国に住んでいる住人達は、「まだ若すぎる」との批判があったが仕方なく押し切った。
 だが、それが問題になってしまう。
 まだ幼い時に豊富な財産も貰い、その財産を自由に使っていいときたらわがままな子に育ってしまったのだ。
 「どう?このドレス!!」
 「大変お似合いでございます。」
 「本当!?ありがとう」
 「失礼とは思いますが、そちらのドレスは誰のお金で買ったものでございますか?」
 「え?自分の…」
 「国の住人達からとった税金で。ですよね?まったく。少しは、無駄使いを控えて下さい。
 まだまだドレスはたくさんあるはずです。あきたならば、仕立屋の者にリメイクさせればいいでしょう。」
 「いやだ!!私は、新しいドレスが好きなの!」
 「王女様。わがままはいけません。この国をまとめるものがそんなにわがままだと、国の者達もうんざりしてしまいます。」
 「そんな者、もううんざりしてるわよ」
 召使のレンは、ため息をつく。
 リンは、国からお金をもらいかなり贅沢をしていた。
 あきたら新しい服を買い、お金がなくなったら国民から税をあげ、もらっていた。
 リンの言うとおり、国民は王女の事をあまり好んではいない。
 ほとんどの人は、リンの機嫌を悪くするようならばすぐに処刑。
 それに逆らう事は出来ない。逆らったらその人まで処刑されるのだから。
 だが、レンは別だった。
 王女のよく身近におり、離れることがあまりないのだ。
 なので、リンが暇になったらすぐにその相手が出来るのでレンは気にいられている。
 なので多少機嫌をそこねられても処刑までにはいたらないのだ。
 「あら、そうだわ。ジョセフィーヌに餌はやったの?」
 「はい。30分前にあげてきました。とても喜んでいましたよ」
 「ならいいわ」
 ジョセフィーヌとは、馬の名前だ。
 この城に何頭か馬はいるが、ジョセフィーヌだけはリンが一番敬愛している馬なのだ。
 財産もあり、地位もある。しかも馬まであるのだ。
 必要とあれば買えばいい。
 全てがそのように、王女におさめられていく。
 全て王女の言われるがままだった。それを止める者は誰1人居ない。
 その時、リンの部屋の扉をノックする音が聞こえた。
 「入っていいわよ」
 「失礼します。今、国の者が王女とお話がしたい…と」
 「・・・今行くわ」
 「私もついていきます。王女」
 王女を先に後ろからレンがついて行く。
 扉の近くにいた召使は、扉をリンが通れるように開けた。
 「あ、レン。」
 「なんでしょう?」
 扉の近くの召使は、レンに耳打ちする。
 どうやら、急な用事が出来て隣国まで買いだしにいって欲しい、とのことだった。
 「レン?どこかに出かけるの?」
 「どうやら急用が入ってしまったようです。」
 「そう。気を付けて」
 「はい。ご心配してくれてありがとうございます」
 レンは、そう言ってどこかへ去って行った。
 きっと隣国へ行く準備をしているのだろう。
 リンは、かまわず客室へと歩を進める。
 たどり着くとそこには、赤髪の女性が待っていた。
 「話があるといったのは、そこの女性?」
 「そうでございます」
 「こんにちは、王女様。」
 「それで?話って何よ」
 リンは、少しイラついている。
 これから何を言い出すのか分かり始めてたからだ。
 「今、国の税金があげっぱなしで物がどんどんお金がなくなっていくのです。もう少し税を下げて頂けないでしょうか?」
 「それは、無理よ。税を下げたら、城のお金が足りなくなってしまうもの」
 「そこを、なんとかして欲しいのです。」
 「無理といったら無理なのよっ!!!何?それでも私に逆らう気なの?愚民のくせに。」
 「こっちは大変厳しいのです!」
 少しの間沈黙が続いた。
 それからリンの口からでたものは。
 「さぁ、ひざまずきなさい!!」
 「っ!!」
 いつも上手くいかない時はこうだった。
 ただ、処刑しなかったのは、どこか機嫌がよかったんだろう。
 赤髪の女性は、しぶしぶ連れて行かれている。
 それを見てリンは笑っていた。
