二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【江戸は台風模様】 ( No.259 )
- 日時: 2011/09/10 17:40
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: H4NN94uP)
 「ようし、第一段階終了!」
 63)ちょっとしたことで戦争は起こる。
 額の汗を拭いながら、私は半満足気にそう言った。
 「第一段階?」
 「いくら何でもこの部屋に全部は干せないんで。第2ステージです沖田さん」
 大丈夫、半分以上局長室に干せたから次で終わり!
 局長室色々ちょっと哀れなことになったけどね!
 所々水滴が落ちているのは見て見ぬフリをして、さっきに比べりゃ大分軽くなった洗濯カゴを抱え部屋を出た。
 ***
 「最後は……貴様だ土方コノヤローッ!!」
 バシィンッと勢いよく襖を開ける。
 中には机と向き合っている土方さん。
 「うるせェ! 何でまた来たんだよ!」
 「いいじゃないですか何回来たって。同じ屋根の下で暮らす仲なんだし」
 簡単に言やぁ大家族だよ。
 「んなこと関係ね、」
 そこまで言おうとして、途中で言葉を切った土方さん。
 目線が洗濯カゴに行っている。おお、自ら察してくれましたか。
 「というわけですので干させて頂きます」
 「いや、無理。何で俺の部屋なんだよ」
 「局長室と来たら副長室でしょう」
 「てめェら近藤さんの部屋に干しに行ってやがったのか」
 ハァ、と土方さんは溜め息をつく。
 なに? それならしょうがないっていう溜め息ですかそれ?
 それだったら私バンバン干しますけど。
 「近藤さんは良くても俺は無理だ。ただでさえ書類が片付かねェってのにてめェらがいると更に片付かなくなる」
 ですよねーそう簡単に良いっていうわけないですよねー貴方が。
 ケーチケーチケーチケーチ。
 それだけ吐き捨てると、再度土方さんは机と向き合った。
 なんだよ、私らはどうすればいいんだよオイ。
 私は土方さんの背中に向けて言う。
 「なに、出て行けっていうんですか? どこに干せっていうんですか?
 沖田さんの部屋なんて無理に決まってるでしょ?」
 「……」
 ちっ、無視かよ。
 「だからって私の部屋に干すのもアレでしょバカ。
 女の子の部屋に男のパンツ干すとかなにそれ卑猥。バカバカバカ」
 「…」
 ……まだ無視かよクソマヨネーズ。
 いいのか? もう干しちゃうぞ勝手に。
 よしじゃあ後10秒数えて返事なかったら干そう。
 10、6、2、1、0よーし干そう!!
 ロープを張ろうと後ろを向いたその時。
 「うるっせんだよてめェはァァァァ!!! バーカ!!」
 「ぎゃふッ!?」
 後頭部に何かが当たった。
 なんだこれ、隊服の上着……? うわ、湿ってる! これ洗濯物じゃん!
 「てんめェェ土方ァァァ! 服は人に投げつけるもんじゃありません! 着るものでしょうが!! バーカ!」
 「さっきからバカって誰に向かって口利いてんだバカ!!」
 「貴様じゃバカ! 人のこと無視するからでしょ!」
 じりじりと対立する私とバカマヨネーズ。
 沖田さんの存在なんてもう忘れかけている。
 ここはもう副長室なんかじゃない、立派な戦場になろうとしていた。
 「とりゃ! 土方死ね!」
 「ふんッ! てめェが死ね!」
 カゴの中に入っていた洗濯物は、二人の手によって所々に投げられ床に落ちる。
 「あっ! なにそれパンツ投げてくるつもりですか! 変態!」
 「てめェこそその手に持ってるパンツは何だよ!」
 「別に男に男のパンツ投げたっていいじゃないですか、女に男のパンツはNGですよ!
 ていうか何でパンツ出番多いかな今回! ゴリラのパンツといい何か知らん人のパンツといい!」
 「パンツパンツうるせェよ! 一つの台詞に何回パンツ言ってんだ!」
 え、5回ですけッ…、痛!
 やっぱ痛くなかった、パンツ痛くない。
 容赦なく土方さんはパンツやらブラウスやらを投げつけてくる。
 ちくしょー、動き無駄に速いし! 悔しいし! でも負けんし!
 床に落ちている上着やズボンを手にとり、渾身の力を振り絞って土方さんに投げつけようとした時。
 ——ドォォン!!
 爆発音が聞こえたと思った。
 ……その次に、
 「「ぎゃあああああああ!!」」
 自分たちがバズーカで撃たれたんだと思った。
 …こんなことする人は、あの人しかいない。
 「総悟! 何しやがる!」
 「最初は面白そうと思って見てやしたけど、段々目障りになってきてねィ。撃っちまいやした」
 「撃っちまいやした、じゃないですよ!」
 ぎゃあぎゃあと沖田さんに喚いても、一向に気に止めようしないのが腹立つ。
 それどころか、沖田さんは外の方を見ている。
 「もう土方さんの部屋に干さなくてもいいんじゃないのかィ」
 なんて、呟いて。
 「どういう意味……
 あ」
 ——晴れてる。
 屋根から雨の雫がポタポタと落ち、雲で太陽が隠れ暗かった外は眩しいほど明るくなっていた。
 「この様子じゃ暫く雨は降らないと思いまさァ」
 「そうですね! じゃあ早速ッ」
 私はそそくさと床に散らばった洗濯物をかき集め、カゴの中に放り込み外に出た。
 「二人とも手伝ってください、特に土方さん」
 「何で俺…」
 「洗濯物散らかしたじゃないですか」
 まー私もだけど。
 今度こそ土方さんは面倒くさそうに溜め息をつき、
 渋々と外に出てくる。
 ( 皆でやれば、あっという間に終わるんですから )
 ※それから30分後、近藤さんの部屋にも洗濯物干していたことに気付き回収にいきました。
