二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【江戸は台風模様】 ( No.270 )
- 日時: 2011/09/17 17:38
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: H4NN94uP)
 メリーゴーランド、
 コーヒーカップ。
 ジェットコースターは死ぬかと思った。
 あと近藤さんが漏らした。
 67)恨めしいなら勝手に恨めばいい。
 「とっつぁん、奴等お化け屋敷に入りやしたぜ」
 沖田さんが指差した先には、不気味な黒い建物。お化け屋敷だ。
 「きっとどさくさに紛れて抱きつこうとしてんでさァ」
 「え? それはチャラ男の方が?」
 ドタドタと急がんばかりに3人はお化け屋敷の中へと駆け込んでいく。
 行動が早いんだよあの人たちは。
 私は3人の小さくなっていく背中を見据えると、後ろの土方さんに振り返った。
 「さ、土方さん。屋敷内で騒がれたらアレなんで行きましょうか」
 「いや…俺はいい。てめェ一人で行ってこい」
 …はァ? 何を言ってるんだこの人は。
 ポーカーフェイスにタバコをふかしているが、顔色が悪い。
 ニコチンの副作用か? いや、違うか…。
 よく見れば顔が青ざめているだけではなく、タバコを持つ手も小刻みに震えていた。
 ああ、そうか。
 「苦手でしたんだっけ、お化け。怖いんでしたね」
 「は、はァ? 何言ってんのお前。怖いわけあるかよ」
 「怖いんでしょ」
 「違ェよ」
 「じゃ行きましょ」
 「…え? あ、お、おう、まーいいけど?」
 ふふ、
 簡単。
 ***
 「うへェ…空気までジメジメしてる。こりゃ本格的ですね土方さん。………、土方さん?」
 返事がない。
 後ろを見ると、ただ下を向いて耳を塞いでいる土方さんがいた。
 てゆーか私の後ろで隠れてるつもりなんだろうけど、あんた私より背ェ高いんだから意味ないよ。
 「鬼の副長がこんなんじゃ恥ずかしいっての……」
 呆れながら呟いた瞬間。
 「うらめしやァァ!!」
 そう叫んで現れた一人の落ち武者。
 ふさふさの銀髪に所々血がついていて、頭に2本ほど矢が刺さっている。
 …て、あれ?
 「銀さん、落ち武者ってうらめしやなんて言います?」
 「ンなことどーでもいいだろーがよ。結果ビビればいいだろ。ほら、今の一声でこのお客さん腰ぬか…」
 落ち武者が再度こちらに向き直ると同時に、言葉が途切れた。
 「あっれー、甚平女じゃん。なに? 一人で遊園地たァ寂しいねー」
 「一人ちゃいますゥ皆で来てますゥ。今は土方さんしかいないけど」
 ちらりと土方さんを見やれば、案の定腰を抜かしてセットに頭を突っ込んでいる。
 他のキャストさんに心配されちゃってんよお前。
 「多串くん、すっげービビってるけど大丈夫?」
 「ビビってねェ。何でてめーがこんな所にいやがる」
 「仕事だよ仕事」
 お金のためなら何でもするんですね銀さん。感心です。
 でもその足の震えはやっぱり幽霊が怖いんですよね?
 「そういえば神楽ちゃんは?」
 二人がこの場にいるのだから、きっと神楽ちゃんもノリノリで人を驚かせているだろう。
 「あぁ、神楽ちゃんはもう少し先の方で…」
 全身が茶色の毛で覆われた(狼男?)新八くんは、先の見えない暗闇を指差した。
 耳を澄ますと、何やら喧嘩しているような声が聞こえる。
 「てんめェェサド、何でお前がここにいるネ!!」
 「それはこっちの台詞だチャイナコノヤロー!!」
 ああ、あの二人か。
