二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【原作沿い】 ( No.534 )
- 日時: 2012/02/04 15:28
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)
 その翌日は、その日の分+サボってた分の仕事を片付けるのに必死で、ミツバさんのお見舞いに行けなかった。
 …から、翌々日の今日、お見舞いに行こうと思ったんだけど。
 「なんで雨かなぁ…」
 雨にいい気分はしない。
 なにか悪いことを降らせる気がして。
 132)雨の日に水溜りに飛び込む奴がクラスに3人はいる
 「こんにちは、ミツバさん」
 「あら、鈴さん。来てくれたの」
 「出来ることなら昨日も行きたかったんですけど、仕事が」
 そう言って苦笑を浮かべると、ミツバさんは「ご苦労様」と言ってくれた。
 ミツバさんの病室には既に銀さんがいて、昨日もお見舞いに来ていたらしく。
 病院に行く途中で買った花を花瓶に飾ると、銀さんの隣に腰掛けた。
 「安静にして、また元気になって下さいね。ミツバさんのウエディングドレス姿、はやく見たいし」
 「ふふ、そうね」
 「銀さんも見たいですよね?」
 「え? あぁ…そうだな」
 …?
 銀さん、どうしたんだろう。
 様子の変な銀さんに首を傾げていると、
 不意に銀さんが立ち上がる。
 「俺、トイレ行ってくるわ」
 「あ、そうですか。いってらっしゃい」
 なんだ、トイレを我慢しててそれどころじゃなかったってことか…
 「お前も行くだろ?」
 「…は?」
 「漏れそうなんだろ」
 「いや全然」
 「恥ずかしがんなって、はいレッツゴー」
 「いやちょ、大丈夫なんだけどォォォ」
 ちゃんと屯所で済ませてきましたから!!
 ***
 「…何がしたいんですかアンタは。一人でトイレも行けないって…そんなの夜中だけにしなさいよ」
 「うっせ。別にトイレに行きたいわけじゃねーよ」
 「じゃあ何なんですか一体」
 無理矢理腕を引っ張られ、ミツバさんの病室を出た。
 それからトイレに行くため廊下を歩いているわけだが。
 いきなり前を歩いていた銀さんが立ち止まる。
 「ウエディングドレス姿。マジで見たいとか思ってんのか」
 「そりゃあ見たいですよ。結婚式、旦那さんの隣で幸せそうに微笑むミツバさ…」
 「その旦那が、攘夷浪士と繋がっててもか」
 「……え?」
 それって、
 そんな、ありえな……
 「これは極秘らしーから」
 銀さんは歩いてきた廊下を引き返す。
 一方自分はその場に足を止めたまま、一言呟いた。
 「ちょっと、トイレ行ってきます」
 「…蔵場さんが……そっか」
 確か貿易業営んでるとか言ってたっけ。
 それは、幕府を叩くための武器を密輸しているという意味の……
 「やっぱり女の勘はハズれちゃいなかった」
 トイレの鏡に映る自分の顔を見つめる。
 病室に帰って、ミツバさんにどんな表情をすればいいんだろう。
 …ついさっきまではしゃいでた自分が恥ずかしい。
 「…戻ろう」
 普通に、笑顔を浮かべていれば大丈夫だよね。
 少し笑顔の練習をしてトイレを出た瞬間、
 目の前を担架が通り過ぎて行った。
 その担架に寝ていた人物は、間違いなく、
 「…ミツバさん」
 ——降り注ぐ雨は強くなっていく。
