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対テロ用特殊部隊、真選組。
チンピラ警察と呼ばれるこの軍団に、今日彼女は仲間入りを果たす。


「楠木鈴、趣味はテニスです。よろしくお願いします!」


135)ノリのいい友達は一人くらい持ってなきゃダメ


「あー…じゃあてめーの役職は監察方で合ってるな」
「はい」

初めましてこんにちは。楠木鈴と申します。
色々あって江戸の大警察、真選組に監察方として入隊することになったのですが。
手前で胡坐をかいているお人、土方副長だったか。この人なんだか怖い。

「女だからって他の隊士共と差別なんぞしねーからな。覚悟しとけ」
「元より承知です」

土方さんは「じゃあ、」と襖に目をやったかと思えば

「山崎。コイツの世話は頼んだぞ」

誰も立っていない襖に向かって喋る。
え、なにこの人。誰に喋ってんのいたぁ〜……

「分かりました」

……くなかったです。

スッと襖が開いたと思ったら出てきたよ。なんだよ。
廊下にいたのかよずっと。


「監察の山崎退です。よろしくね」
「あ、どうも。楠木鈴です」

互いに自己紹介を交わす。
そうか、この人は先輩なんだね要するに。
何と呼ぼうか。

山崎先輩…いや何か嫌だな…
山崎さん……?　……なんか硬いなぁ。

山崎…やまざき…ヤマザキ…春のパン祭り……あっ


「ザキさん。よろしくお願いします」
「ん?…ザキさんて?」
「いやアンタですよ」
「…あぁそう。（副長早速ですけどこの子なんか変です）」




とりあえずザキさんは、監察方の仕事内容を一通り説明してくれるみたいだ。



　＊＊＊




「——とまぁこんな感じ。後は報告書を書いて副長に提出するだけ」
「なるほど。何となく分かりました」

報告書ってのがまた分からんけど。
要は今日の日記みたいな感じですね、うん。
そして土方さんに提出、か。書いても提出するのを忘れそうだな…。











土「はい。はいちょっとストップー。カットカットー」
鈴「なんですか。微妙なとこで止めやがって」
土「え、なに。なんでイメチェンしようとして監察?」
鈴「普通に女隊士とかも考えましたけどね。なんかここは捻って監察、みたいな」
山「ていうかさ、全然俺たちと鈴ちゃん、初めまして感なくない?
　　まず色々あって真選組に入るってのがもう適当じゃん。地味に趣味はテニスって俺が出した案使ってるし」
鈴「地味な奴が地味と言うな!
　　…だって理由とか面倒くさいじゃないですか。
　　なに、土方さんを暗殺しようとして真選組入隊しましたとかつけたらいいの?」
土「黒幕じゃねーかァァ!!」
沖「うるせぇな土方コノヤロー。ぐだぐだ言うならもうコレで終わりにしやしょうぜ。俺出てこねーし」
鈴「嫌ですよここまでやったのに。近いうち沖田さんも出ますから、ね?」
沖「どうせなら、鈴だけじゃなくて俺たちもイメチェンしたらいいんじゃねーかィ。俺が副長とか」
土「俺どこ行ったんだよ」
沖「土ンなか」
土「勝手に殺してんじゃねーぞ総悟ォォォ!!」

鈴「はいはい。まぁとりあえずまだ続くんで、お楽しみに!」

山（結局続くのか…）