二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第六幕 黄《き》 ( No.16 )
- 日時: 2012/07/08 20:56
- 名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)
- *高杉フルボッコ警報発令!! 
 時間が過ぎ、あたりは暗闇が支配した。しかし今だ高杉と坂本は現れない。
 あれから銀時は寝っ転がっていたためか眠ってしまった。
 桂はため息をついて押入れから毛布を引きずり出し、銀時の肩にかけた。
 「新岡。」
 桂は銀時を起こさぬよう小さく呼びかけた。
 するとトン、という音を立てて鮮やかな赤い色が部屋の畳の上に降り立った。
 「どーかしましたか、ってあれ?吉田・・じゃねーや、坂田さん寝てるんですか。」
 そう言って眠っている銀時に近づこうとする新岡。その瞬間、彼の頭に桂の拳骨がめり込んだ。
 「っいっだああああぁぁぁぁぁ!」
 「静かにしろ。銀時が起きる。」
 新岡を殴った拳を反対の手で撫でながら桂は冷たくたしなめる。新岡が叫ぶ原因を作ったのは桂自身なのだが、彼にその自覚はない。
 (「痛いものは痛いんですよ!てか、何で俺呼んだんですか。もしや殴るため!?うっわあ桂先生がドSだぁ!!」)
 (「誰がドSだ!殴るためだけに呼んだのではないわ!」)
 (「『殴るためだけに呼んだのではない』ってことは殴ることも俺を呼んだ理由に含まれてるってことですよね!?」)
 因みに( )内の会話は銀時を起こさないように小声で行われている。
 新岡の揚げ足取りをそんなことはどうでもいいと言ってかわし、桂は声を普通の大きさに戻した。
 「二人はまだ来ぬのか。連絡を入れてからもうずいぶん経つだろう。」
 少し苛立った様子の桂に、新岡の肩がわずかに揺れた。高杉に挑発めいたことを言ったと知れたら今度は拳骨どころでは済まないだろう。
 「ま、まだみたいですね。まあ、坂本さんは宇宙だし高杉さんも幕府に警戒されてますから時間かかるんじゃないですか。」
 桂は若干目が泳いでいる新岡を不審に思いながらも、そうかと納得して本の頁に目を落とす。
 が、すぐに顔を上げ、どこか一点を見詰め始めた。
 「?桂先生?」
 奇妙に思った新岡が桂の名を呼ぶが返答は無い。
 「・・・来た。」
 静まり返った部屋の中に眠っていたはずの銀時の声が響いた。
 その時になってやっと新岡も、こちらに近づいてくる気配に気が付く。
 「すまんすまん!遅うなってしもうた!」
 スパンッという音を立てて部屋の襖が開かれた時、新岡の姿は部屋の中から消えていた。
 「やっと来たか。待ちくたびれたぞ。」
 天井裏の気配が遠ざかって行くのを確認しながら桂が言うと、坂本は高らかに笑って再び謝罪の言葉を述べた。
 「・・・一つ聞いていい?」
 その時銀時がむっくりと起き上がり、坂本の左肩あたりを指さした。桂と坂本はその指の指す方向を見る。
 「何それ。」
 銀時の指さした先。そこには過激派攘夷浪士にして、鬼兵隊総督・高杉晋助がいた。
 いや、ただ居ただけならばまだいい。だが高杉は体を荒縄でがんじがらめにされ、猿轡を噛まされ、その上片方しかない目に目隠しをされて坂本の肩に担がれていたのだ。
 坂本はキョトンした顔で数秒間考えたそぶりを見せ、やがてにっこりと笑った。
 「晋助じゃ!」
 「何やってんだテメェはよぉおおおおおぉぉぉ!!!」
 坂本の顔面に見事なアッパーカットが決まった。
 どなたか、本当に目次の作り方教えてください。
 結構切実です。
