二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 名探偵コナン —最後の銀弾(シルバーブレッド)— ( No.66 )
- 日時: 2012/09/01 19:34
- 名前: 未熟な探偵シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: /dOKRqFx)
- 参照: 最後無理矢理感があるが…大目に見てください。
- File12 人物紹介 
 「おはよう、コナン君」
 「おはよう蘭姉ちゃん」
 コナンはパジャマのまま食卓について、蘭の作った朝食を食べ始めた。
 時々コナンは蘭のご飯を食べる時、想像してしまう。
 もし、蘭が自分の妻になったら……。
 カーッと顔が熱くなり、頭からそんな甘い生活を追い出した。
 「蘭、そのー今晩は杯戸町の伊藤さん達と呑みに行くから……」
 「えー、また呑みに行くの!!今月赤字なんだけどー!?」
 小五郎はほそぼそと切り出すと、蘭は怒りを露にした。
 その姿を見て、小五郎はしどろもどろに弁解した。
 「い、いやあ……。あ、ホ、ホラ!今度仕事来るから!浮気調査の依頼で……」
 「フン、浮気調査って言ったって、少しじゃない。もうちょっとギャンブルとか呑みに行くお金を生活費に回してよね?」
 蘭の最もな意見に、小五郎はシュンとしてしまった。
 しっかりしろよ、おっちゃん。
 コナンは半笑いを浮かべて、自分のお茶碗を片付け始めた。
 「コナン君、早いね」
 「あ、今日博士の家に行って新しいゲームを見てくる」
 「そっか。お昼も向こうで食べるの?」
 「うん」
 「じゃあ、夕飯までには戻ってきてね」
 「はーい」
 コナンは着替えて、高ぶる気持ちをどうにか抑えて事務所を出た。
 あのメモリカードには何が記されているのだろうか。
 何があるのだろうか。
 “あの方”と呼ばれるボスの事は何か描いてあるのか。
 角を曲がったところで、コナンは通行人の人とぶつかってしまった。
 「あ、す、すいません……」
 「コナン君?」
 見上げると、色黒の顔立ちのいい男が立っていた。
 「安室さん!!ご、ごめんなさい……」
 「いや、いいよ。ところで、君は朝早くからどこに行くんだ?」
 「博士の家だよ。新しいゲームの試作品が出来たから今からやりにいくんだ」
 「そうか、博士の家か。今日ポアロのシフトが入ってなきゃ一緒に行くんだけどなー」
 安室透は苦笑した。
 「あ、でも、僕はずっと博士の家にいるよ?夕飯前には帰るつもりだけど」
 「まあ僕も今日は予定ビッチリなんだ。バイト終わったらすぐに友達に会いに行かなきゃいけないし。だからまた今度、一緒に行こうかな」
 「うんわかった!じゃあね!」
 「うん、じゃあね……」
 安室は笑みを浮かべて、走っていくコナンを見送った。
 その時、安室の携帯にメロディが鳴った。
 「ん」
 《今日の約束覚えてる?》
 「覚えてるよ。何も電話しなくても」
 《念の為よ。覚えてるなら時間通りにね。じゃ》
 「あ、待って。聞きたいことがあるんだが……」
 安室はコナンが走った方向をジイッと見つめながら、不意にフッと笑った。
 《何よ?》
 「いや、なんでもない。もう少し僕のほうで調べてみるよ」
 《あらそう。じゃあ、2時半にカフェ・エスタシオンでね》
 「了解」
 再び携帯をポケットにしまい、もう一度コナンの走っていった方向をチラリと見てからポアロに向かった。
 コナンが博士の家につくと、既に愛莉が底なしの元気さでコナンを出迎えた。
 「安藤、お前早いな」
 「フフ!どうしても早く知りたくて……」
 中に入ると、コーヒーを飲みながら歩いてくる博士におはよう、と声をかけてキョロキョロと見渡した。
 「灰原は?」
 「ん、あー。今シャワー入ってる。ねえ、哀ちゃんが戻ってくる前に色々と組織の事教えてよ。私はほとんど知らないもの」
 「ああ。えーと……まず俺が知ってる組織の人物から。とはいっても、あいつ等は本名ではなく、コードネームである酒の名前で呼び合ってるから」
 「なるほど。だから“ジン”と“ウォッカ”なのね」
 コナンは思いつく限り、名前をあげた。
 ジン、ウォッカ、キャンティ、コルン、ベルモット、キール、そしてバーボン。
 それぞれの特徴も一緒に語り、キールに関しては少々長めに話した。
 CIAの秘密諜報員である事、一度組織がらみで事故になり昏睡状態で入院してたが、意識が戻り、組織のシルバーブレッドと恐れられている赤井秀一との作戦でわざと組織に戻したという事、そしてその捜査官の赤井は……。
 コナンがその話をしていると、ギョッとした。
 愛莉はハンカチを口にくわえて、涙をボロボロと流していた。
 「赤井さん〜……うっ、うぅ」
 「ほら」
 コナンはティッシュを差し出すと、愛莉は二、三枚とって鼻をかんだ。
 「うー、きっとすごい頭の切れる人だったんだろうね……。ちょっと頭の切れる小学校一年生の意見をちゃんと耳を傾けて聞くなんて、よっぽどすごい人なんだろうね……うっ、うっ」
 「いつだったか、そんなような事灰原にも言われたような……」
 「あ、哀ちゃんと言えば」
 愛莉は最後にティッシュで鼻水を拭いた。
 「そういえば、哀ちゃんて何者?あの薬のことも知ってたし……小学一年生じゃないわよね」
 「え」
 コナンが呆然としていると、愛莉は一人でブツブツと呟き始めた。
 コナンはてっきり、愛莉が哀の前で堂々と喋っているからきっと知ってるのだとばかり思っていて、それが今こんなマヌケな質問をされてかなり動揺していた。
 「ねえ、彼女も同じように酷い目合わされて小さくなったとか?」
 「ま、まあ酷い目といえば酷い目だが……」
 コナンは灰原哀の生い立ちを話した。
 もちろん、そんな事知らなかった愛莉はポカーンとコナンを見つめていた。
