二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 名探偵コナン —最後の銀弾(シルバーブレッド)— ( No.88 )
- 日時: 2012/09/21 11:15
- 名前: 未熟な探偵シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: YxL1EeSq)
- 参照: ちょっーくらごめん〜よ。
- 番外編かきます。ちょいっとばっかし息抜きに。 
 どうやら、この話は本編で登場しない可能性が大きくなってきたので…。
 Special File
 私の叔父叔母、まあほとんど両親みたいな人達だったけど、その二人が生きていた頃のお話で、私がまだ危ない組織と関わるずーっと前の話。
 小学校五年生の私はクラス、いや同じ学年からも“変わり者”というレッテルをつけられていた。もちろん先生からも。
 まあそれでいじめられてたわけじゃないんだけど、この時も私はミステリー小説に読みふけっていて、毒のことだったり死んだあとの肉体はどうなったりとか、世界の珍しい殺人事件ニュースを片っ端から読んでいくようなせいだった。
 そのくせ、シャーロック・ホームズのような探偵に憧れ、探偵になるために沢山知識は必要だと知り、学年で成績は一番。
 ミステリーオタクで成績優秀。
 私でも変わり者だと思う。ましてや小学生で怖い事知ってるんだから。
 でも友達がいなかったわけじゃない。
 クラスメイトの人達とは知り合いと友達という間の微妙なラインでそこそこな関係を築いていたわけだが、本当の友達はいる。
 私の趣味を理解し、そして同じ趣味の人。
 それが近所に住んでいて、1歳年上の日本人の子の世良真純。
 家に帰り、早速真純の家にいくと、ニッコリと出迎えてくれる真純が大好きだ。
 「いらっしゃい!入って!!」
 「お邪魔しま〜す」
 家の中はシンとしていた。
 「共働きって寂しいね」
 「うん……。でも平気さ!!」
 真純はいつもの明るい笑顔でそう言った。
 そして私と真純は部屋にいき、いつもの遊びをしていた。
 「じゃあ、いくよ……。今度は完全犯罪!!解けるかな〜?」
 「絶対といてみせるもん!」
 そう、真純と私、交互に架空の事件、または暗号を描いてそれを片方の人が謎解きをするという遊び。
 今の所、真純の出題する事件がすごく難しく、よく時間がかかってしまう。
 真純が事件内容を語りだす。
 残念なことに、この架空の事件の内容を全部覚えていなくて、ここに書き残せ無い事を許して欲しい。
 なぜなら、本当に難しかったんだから……。
 ただ覚えているのは、私は悩みに悩んで帰る時間間際になってやっとわかった。
 まあそれまでに真純がよくヒントを出してくれたからなんだけど。
 「じゃあ次はアリスの番だからな」
 「うん、了解!」
 「じゃ、バイ……」
 「あ、待って!!私ね考えたんだけどね!」
 「ん?」
 閉めようとするドアを私が片手で抑えた。
 「もしもね、真純と私がお互い別々の場所にいって、将来危険な目にあってるときに私達が再会したら……」
 「ちょっと、映画かミステリーの見すぎじゃないか〜」
 「もしもだよ!だから、そん時のために合言葉をさ……」
 「ま、いいけど。面白そうだし」
 真純は快く承諾してくれて、ドアの前で考え始めた。
 「あ、じゃあさ。暗号ってわけじゃないけど、単純にこういうのはどう?“以前、どっかのデパートで会った事ある?”って。そしたら”ショッピングモールだったと思う”って返すの。一番単純でわかりやすいんじゃない?」
 「いいかもな。わざわざショッピングモールだと思う、なんて返す人いないと思うし」
 「そうそう!普通に会話としておかしくないと思うし!!」
 私と真純はお互い笑いあって、別れを告げた。
 それから私が高校入るまで交流は続いたが、叔父と叔母が死んでからは私とアルも引っ越して会うことも出来なくなった。
 そしてこのときに子供っぽい考えであった合言葉が本当に役立つとは夢にも思わなかったな。
 だけど、真純はどう思うんだろうか。
 小さくなった私をあのアリスだと信じてくれるのだろうか。
 だけど、返してくれたということは信じてくれたということになるのか。
 真純にはやっぱり私だってこと知って欲しかった。
 愛莉はピリオドをつけ、机から立ち上がった。
 ノートを閉じて小さくため息をつく。
 窓をあけて夜の空気を胸いっぱいに吸い込み、再び自分の胸に誓う。
 絶対に元の姿に戻ってみせる、と。
