二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【マフィア】deadlife【カゲプロ】 ( No.32 )
- 日時: 2012/12/28 13:12
- 名前: アホッポイド(・ω・) ◆9EWOksTQbg (ID: /08hIsKD)
  
- 〜死神篇〜 
 コツ コツ コツ コツ コツ
 ギィ—… バタン
 「…………お前は何も変わらないな」
 目の前にいる彼に話しかける。
 ここは俺以外の人間は入れない特別な部屋だ。大切な彼が居る部屋。昔と何も変わりはしない。いや、変わることは絶対にない。
 「あの頃より少しは大人びた顔になったが、やっぱり無口で無表情で大人しいな」
 彼は目を瞑って何も言わない。
 「今日はお前も知ってる情報屋が来たよ。まさに恋する乙女みたいな感じだった。ハハッ、あいつが恋なんて変わってるよな。」
 ほんと、昔は女遊びばかりしてたのに。
 「ルイは元気だよ。今日も相性のいい子を連れてとある組織を潰しに行ったし。心配なんてしなくても、あいつは俺とお前が育て上げた最強のソルジャーだ。まあ、だからと言って大切じゃない訳じゃないよ」
 返事はない。
 「最近、メカクシファミリーに新人が入ったらしくてさ—、どうも使えるらしいんだ。彼らとは敵対してないからいいけど、どんな子か見てみたいよな」
 返事はない。
 「なあ、返事しろよ。蛇里」
 彼は死んでいるように見える。
 「本当は驚かそうとして寝たふりしてるんだろ?わかってるから」
 返事はない。
 「………………」
 本当は、彼の前でこうして一人で話して現実逃避をしているだけだ。彼は18年前に自分を犠牲にし、俺を護って死んだ。前にいたファミリーからルイを連れて三人で逃げているときに見つかってしまい、俺に撃たれた弾丸を彼が代わりに受けたのだ。ルイはまだ幼かったから覚えていないかもしれない。彼が倒れていく寸前にとても悲しい笑顔で俺たちの方を見たのを。すぐさま彼を、有名で昔から交友関係があった闇医者に急いで見てもらった。
 『生きてるけど、死んでるのと変わらない』
 彼にそう告げられた。いつ死ぬかも、いつ起きるかもわからない。生き返っても記憶はない確率がほぼ100%らしい。外傷はほとんどなかった。ただ、撃たれたのが頭。死ななかっただけでも奇跡だと思う。ただ彼が生き返るのを待っていても何も起こらないから、新しい組織を作り上げた。そしてその直後、新しい女の情報屋に出会った。
 続く
