二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- a title[支え] ( No.13 )
- 日時: 2012/08/17 10:41
- 名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
- 参照: 花って英語に直すとカッコいいよね←
- 『はぁッ、はぁッ…』 
 辿り着けば其処は床の間で、普段あんまり使われていないのか壺や掛軸が煤を被っている。せめて掃除位して欲しかったな。
 まあでも、此処なら誰にも見つからず聞かれずに話す事が出来るってワケだ。
 倉間先輩の方に視線を向ければ若干青筋を立てていて今にもブチ切れそうだ。怖い…。
 「…んで、どうしてあんなモノを天馬が持ってんだよ」
 「ッ、」
 俺にとって見られたくないモノを倉間先輩に見られてしまったんだ。
 今更逃げても、言い訳しても無駄だし。
 「実は俺——————————————————————————————
 キ*ガイかもしれないんです」
 「…はぁッ?!」
 拍子抜けた表情を先輩は浮かべるけど、本当の事なんだ。だって俺、精神安定剤を大量に服用しちゃうほどヤバイからさぁ。
 夢のヤブ医者の言う通りキ*ガイだ…って認めちゃったよ俺。今まで夢の中で散々否定し続けてきたクセに今更何言ってるんだか。
 まぁそれはさておき、俺は今までの経緯を倉間先輩に話した。勿論其の話は省略。だって一々説明するの面倒臭いし。そうでしょ?
 「うーん…」
 あーホラ、倉間先輩ったら必死に考える素振りを見せちゃったよ。
 こちとら懸命に分かりやすいように頭の中を整理して説明してるのに。
 ヤバイ。もう誰も信じられなくなりそう。人間不信になりそう。マジでキ*ガイになって先輩を絞殺しそうだ。でもここは抑えながら理性を保とう。
 「そうゆう精神的問題になった事ねぇけどさ」
 「?」
 「でもさ、辛いなら辛いで俺や半田、狩屋達に頼れよ。辛いなら辛いで泣いてせがめよ。…出来る事はやってやるからさ」
 「先輩ッ、」
 「それに、御前は異常なんかじゃねぇ。俺達と同じ正常だ。
 もし誰かが御前をキ*ガイ呼ばわりしたら、俺が正してやる。正常だという事を証明してやる!」
 全てを先輩に打ち明けて良かった。自分から頼れせがめと、心の支えになってくれる先輩に。そのうち精神安定剤は必要なくなるかもしれない。皆と同じ正常の人間に戻れるかもしれないという希望の種が心に芽吹いた。
 「ッくら、ま、せん、ぱぁ…!」
 「俺を信じろ。だから泣くな」
 「俺ッ、寂しかったッ…!クラスの皆から偏見持たれてッ!俺ッ異常だから友達一人も作れなかったぁッ…!
 だから寂しさを埋めようとして俺ッ…!サッカー部に入った…!だけど怖かったッ!クラスの皆と同じ様に差別されるのがッ!虐められるのが怖かったぁ…!!!」
 「辛かったんだな。怖かったんだな。孤独だったんだな…」
 倉間先輩の両手が俺の頬を包む。温かい。体温とかそういうのではない。心の温かさだ。この人に触られると壊れた精神が癒えていく気がする。
 *
 another title/[君の温もりを求めていたんだ]
