二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 東方project 東方幻旅伝
- 日時: 2010/08/31 17:49
- 名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
- 東方projectを題材にした小説です。 
 ・オリキャラ登場
 ・原作との矛盾
 ・キャラの性格の改変
 などに目をつむっていただける方のみよろしくお願いします。
- 第三話「博麗神社」 ( No.5 )
- 日時: 2010/09/04 14:00
- 名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
- 目が覚めたら俺は森の中にはいなかった。今度はどこかの家の中のようだ。繁華街から森に飛ばされどこぞの家に飛ばされ、今度はどこに飛ばされることか。 
 「やっと起きたわね」
 見ると巫女服を着た女が座っている。すこし服が妙な気もするが。
 「ここはどこなんだ。お前は誰だ」
 「まずはあんたが名乗ったらどうかしら」
 「ちっ。俺は新門 薙(あらかど なぎ)だ」
 「わたしは博麗霊夢。巫女よ。で、ここは博麗神社。幻想郷と外の世界の境界上に在る場所よ。だから正確にはここは幻想郷じゃない」
 よくわからないが、ここは「幻想郷」という世界で、結界によって完全に隔離された裏の世界だそうだ。この神社でこの巫女は結界を守っているらしい。
 「そういや、お前が助けてくれたのか」
 「いや、紫よ。日傘をさした妖怪。いきなり、気絶したあんたを連れてきて『妖怪退治の助手にでもしなさい』なんていうのよ。迷惑な話だわ」
 「あの日傘女か。・・って妖怪!?何言ってやがるお前!!」
 話を聞けばここ幻想郷には人間、妖怪、幽霊などいろいろな種族が住んでいるらしく、俺を連れ去った日傘女も妖怪らしい。確かに空間の割れ目から現れるなど人間にはできない。たぶん、俺をぶっ飛ばしたチビも妖怪かなんかだろう。
- 第四話「力不足」 ( No.6 )
- 日時: 2010/09/10 18:41
- 名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
- 「それにしても、あんた無謀すぎるわ」 
 呆れた声で巫女が言う。
 「何のことだよ」
 「鬼と戦ったんでしょ?普通の人間じゃ万に一つも勝ち目はないわよ。紫が止めに入らなきゃ連れ去られてたわよ」
 さっきのやつは鬼だったらしい。どおりで身体能力が異常なわけだ。日傘女が助けてくれたらしいが勝手に俺をこんな世界に連れて来たんだから当然と言えば当然だ。
 「それで、あんたは外の世界に戻るつもりはないの?」
 帰ったってつまらんだろう。どうせ俺の居場所はない。それよりも幻想郷で妖怪退治でもやれば生活の糧になるだろうし、妖怪と喧嘩していれば退屈もしない。
 「帰らねえ。俺は妖怪退治がしたい。さっき言ってたようにお前の助手にしてくれ」
 「懲りないのね。さっき鬼にコテンパンにされといて。ま、いいわ。でも・・・」
 巫女の顔が真剣になった。迫力がある顔だ。
 「あんたは圧倒的に力不足よ。今のままじゃスペルカードルールで戦っても絶対に勝ち目はないわ」
 スペルカードというのがなんなのかわからなかったが巫女は説明してくれなかった。それより、力不足という言葉が俺の胸に突き刺さった。
 「じゃ、強くなるにはどうしたらいいんだよ!」
 「眠いからその話は明日にするわ。あんたも寝なさい」
 すると巫女はふとんを敷き始めた。まさか俺と同じ空間で寝ようというのか。
- 第五話「鬼の再来」 ( No.7 )
- 日時: 2010/09/07 13:32
- 名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
- 巫女が俺と同じ部屋で寝るもんだから心臓が高鳴ってちっとも眠れなかった。俺はけっこう純情野郎かもしれない。向こうから巫女が朝食を持ってきた。 
 「朝ごはんよ」
 「わりい」
 「有料だけどね」
 「は?」
 「嘘よ。でもお賽銭はちゃんと入れていくのよ」
 まったく、がめつい巫女だ。こんなやつがいる神社だ。たぶん、ご利益もないだろう。だが、飯はなかなかうまい。
 「で、昨日の話について詳しく教えてくれ」
 「ああ。『人間の里』って言ってね、人間の住む里があんのよ。そこには妖怪退治屋が住んでるから弟子入りして鍛えてもらえばそれなりに強くなれると思うわ」
 「お前が教えてくれればいいじゃねえか!」
 「だめよ。私はここでのんびりするという仕事があるから」
 なんて奴だ。まるで「何かおかしいこと言った?」って顔をしている。俺は呆れてしまった。どうも人間の里に行くしかなさそうだ。行き方を尋ねようとしたそのとき、大きな声がした。
 「おい、霊夢!!」
 「萃香!!」
 なんと、場に現れたのは昨日俺を殴り飛ばした鬼だった。思わずうろたえてしまった。
 「おー。昨日の弱小人間じゃないかー。安心しなよ連れ去るつもりはないからさ」
 「萃香、ちょうどよかったわ。こいつを人間の里に連れてってくれないかしら」
- 第六話「人間の里へ」 ( No.8 )
- 日時: 2010/09/10 18:37
- 名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
- 「ほう、鬼を使おうというのかい?」 
 「また宴会開いてあげるから」
 「・・・しょうがないな。その仕事、引き受けた!」
 そんなヤバいやつに案内役をさせていいのかととても不安になった。巫女の耳元で小声で聞いてみた。
 「おい、大丈夫なんだろうな?そんなやつに身を任せて」
 「大丈夫よ。萃香は嘘が嫌いだから嘘をつくことはないわ。でも、あんたが嘘をつくようなことがあれば命の保証はできないけどね」
 鬼というのはけっこう仁義のあるやつらかもしれない。俺は不良だが嘘は嫌いな方だから安心だろう。さっそく出発することにした。
 「私の名前を出せば里の人間もわかってくれるはずだわ」
 「・・・お前の名前、なんだっけ?」
 「博麗霊夢よ!しっかり覚えときなさい!修行がすんだら私の助手としてこき使ってあげるからねー」
 「うるせぇ!」
 「おい、そろそろいくぞ、人間!」
 こうして俺は神社をあとにした。
 あたりの景色は外の世界とそんなに変わらない。ここが幻想郷という世界だということを忘れてしまいそうだ。しばらく歩くと、鬼が口を開いた。
 「お前、紫に外の世界から連れてこられたんだってな?」
 「ああ、あの日傘女にな。俺としてはありがたいがな」
 「昨日、気絶したお前を連れ去ってやろうと思ったんだけど紫のやつが止めるもんだから勘弁してやった。あいつは唯一あたしと肩を並べるツワモノだからな」
 「あの女は何を考えてんだ?」
- 第七話「獣道での遭遇」 ( No.9 )
- 日時: 2010/09/12 21:49
- 名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
- 「あたしが知るわけないさ。妖怪の考えることはわかんないね」 
 「お前だって鬼だろうが」
 外見が子どもとは言え、鬼を相手に普通に会話している自分が不思議だった。なんとなく懐かしい感じがした。
 しばらく歩くと、不気味な獣道にさしかかった。見通しが悪く、いかにも何か出てきそうだ。
 「おい、大丈夫かよこの道」
 「数匹の妖怪の気配を感じるわ。お前を食おうと機会をうかがってるね。あたしを警戒してなかなか出てこられないみたいだけど」
 俺にはその気配が全く感じられなかった。もし、俺一人でここに来ていたら確実に無事では済まなかっただろう。しかし、コソコソ隠れやがって気分が悪い。俺は大きく息を吸い込み、こう叫んだ。
 「コラァ!!ビビってんのか!!出てきやがれ!!」
 「おい、わざわざ呼び出すことないだろ」
 すると、木の上から三匹、妖怪らしき奴らが降りてきた。後先考えない俺の悪い癖だ。長所でもあるが。
 「おうおう。お兄ちゃん、誰がビビってるって〜?」
 「コイツ、食っちまおうぜ!」
 「鬼さんが用心棒かい?頼もしいねえ。でも三対一じゃさすがにきついんじゃねえのか?」
 三匹の妖怪がじりじりと近寄ってくる。まずい。町での喧嘩で負け知らずな俺だが妖怪が相手となれば話は別だ。しかも三匹相手じゃ鬼でも勝てるかどうかわからない。
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