二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- テイルズ オブ ジ アビス —誰が為の唄—
- 日時: 2010/12/30 15:16
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- 初めまして。 
 お久しぶりです。
 学園アリスを書いていた時計屋と申します。
 今回はテイルズシリーズ唯一プレー経験のあるテイルズ・オブ・ジ・アビスを書きたいと思います。
 なお、自分はご都合主義なので赤毛二人とも生存しております。それと、設定が未来となっておりまして子供が主役です。
 色々、矛盾点があると思われますがスルーして頂ければ幸いです。
 では、オリキャラ達を紹介します。
 人物紹介
 ローラン(女)
 『唄われる音』
 年齢 15ぐらい
 性格 天然
 容姿 白のロング 栗色の瞳
 その他
 ローレライに創り出された存在。一時期ユリア達に預けられていたが、ダアト裏切り時にユリアの手によってローレライの元へと返される。その為、ユリアを裏切ったオリジナルをとても憎んでおり、侮辱する事もしばしば。存在が似ているレプリカ達には寛容で優しく、酷い扱われ方をしているレプリカを見ると後先考えず喧嘩を売ってしまう。現在の社会情勢には疎く、スコールに教わりながら日々勉強している。口調が少し可笑しいユリア大好きっ子。
 台詞集
 「それに何の問題が有りけるの。」「お前は、嫌いだ。」「失せろと言うのが分からぬか?」「願いは叶わぬのが私という存在なのだから。」
 スコール・フォン・ファブレ(男)
 『闇を照らす光』
 年齢 16
 性格 温厚
 容姿 朱色の短髪 翡翠の瞳
 その他
 ルークとティアの息子。ファブレ家の長男であり、リルカの兄。家を継ぐ気はあるが、一人旅をしてみたいという夢も持っている。ルークとティアから訓練は受け、実戦経験も豊富なため戦闘は強いが本人はあまり好きではない。勉強は好きだが、事実を確かめたいと外に遊びに行く事も。ユリアの譜歌も歌える第七音譜師。
 台詞集
 「世界は外に広がってるんだ。」「お前が犠牲になる世界が本当に正しいのかよ!!」「信頼しなくても良いから信じろ。」「お前が好きだよ。」
 ギルフォード・レア・キムラスカ・ランバルディア(男)
 『守り通す者』
 年齢 17
 性格 冷静沈着
 容姿 紅の長髪 蒼の瞳
 その他
 アッシュとナタリアの息子。キムラスカ王国の王位正当後継者でリルカの婚約者。頭が良く物事を判断する能力に長けている。戦闘訓練を受けているため、スコールと同等の腕前を持つ。幼馴染みのスコールとリルカに振り回され頭を抱えながらも、自由な彼を尊敬もしている。表情は豊かだが、演技力抜群。リルカと結婚し国を支える事が目標。常識人な第七音譜師。
 台詞集
 「お前らは考えて行動しろよ。」「この国を誇りに思ってくれる人が一人でも多くいて欲しいんだ。」「俺は守りたいんだ。大切な奴らを。」「ほんと馬鹿だよな。救われるけどさ。」
 リルカ・アウラ・ファブレ(女)
 『清らかなる旋律』
 年齢 14
 性格 世話好き
 容姿 栗色のロング 翡翠の瞳
 その他
 ルークとティアの娘。ギルフォードの婚約者でスコールの妹。何かに付けてサボろうとする兄を叱るのが日課。自立心は高く王家に連なる者としての自覚もあるため、日々民に尽くしている。ヒーラーとしての腕が高く、医療施設に泊まり込みで働くのが好き。将来はギルフォードと結婚し、国のために役立つのが夢。スコールと一緒にギルフォードを込まらせる事もある。
 台詞集
 「お兄様!!サボりはいけません!!」「いつか私と結婚してくださいね?」「こんなに傷ついて、平気なわけ無いでしょ!!」「精一杯お役に立ちます。」
 もう少し出て来ますが、一応主要キャラです。
 
- Re: テイルズ オブ ジ アビス —誰が為の唄— ( No.28 )
- 日時: 2011/07/23 14:12
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- 第二十六幕〜水上の都〜 
 『良いのか?』
 炎のように揺らめく存在は、しかし、確かに彼女を捉える。青年にも少年にも聞こえるその声に向けられた彼女は静かに微笑んだ。
 「いいの。」
 『視た未来を託すのか?』
 「・・・・・・」
 肯定も否定もしない、否、出来ない彼女は炎の中で眠りに就いている少女を見つめた。炎が揺らぐたび広がる白の長い髪は、繋がりだと彼女は思う。
 「・・・・ローレライ。一つお願いしても良いかしら?」
 『・・・構わんが。』
 「私の視た未来が少しでも変わったら。」
 決意を、希望を込めた蒼の瞳は対照的な紅の炎を見つめる。
 「人の意志によって変わる事が出来たら、ローランをこの世界へもう一度還して。」
 『・・・何故に?』
 彼女の願いは簡単に受け入れられるモノではないと、彼女自身もローレライと呼ばれる存在も承知していた。それでも、彼女は願いを取り止めはせず、言葉を続ける。
 「この世界は、ローランにとって辛いモノだったけど。でも、知って欲しいの。人は変われる事を。」
 少女にとって、人は愚かで浅ましく身勝手な生き物に他ならない。彼女の元で過ごした数年の歳月も、それを覆す事は出来なかった。
 だから、彼女は願うのだ。少女にとって辛すぎる世界にも、嫌悪する人間にも愛するべき所はあると。それを知らずに還ってしまった少女に知って欲しいから。
 『・・・承知した。もし、我が記憶と未来が変われば、我が分身をもう一度世界へと還そう。』
 青年とも少年とも取れるその声の答えに彼女は満面の笑みを浮かべた。
 数秒の内に触れていた唇を離し、身体の間を空ける。真っ赤に染まったローランは閉じていた目を静かに開け、流れる涙にも気づかない様子で俺を見つめる。
 「・・・俺が居るから。だから、生まれなきゃ良かったなんて云わないでくれ・・・」
 らしくなく震える声は風にながされるほど小さなモノで、届いたのか不安になったが、頷くローランに安心し離れた距離をもう一度詰めた。
 オールドラントマルクト帝国首都水上都市グランコクマ。その名を冠するように水が巡らされた美しいこの街は、しかし、一度有事となれば鉄壁を誇る要塞と変貌を遂げる城塞都市にタタルから辻馬車で移動し、エンゲーブを経由して到着した頃にはすっかり日が沈み、辺りは真っ暗だった。一先ず取ってあった宿に入り、街の探索は明日以降にしようと床へ就いた。
 「スコール!!水が湧き出ているの!!あれ何!?」
 「噴水だよ。見た事無かったのか?」
 「初めて見る!!!本では知っていたけど・・・・」
 「あ!!ローラン!!走ってはいけませんよ!!!」
 既にリルカの忠告を無視し、広場まで駆ける姿は普通の少女にしか見えず、ローレライが創ったなど冗談かと笑いたくもなる。が、時折見せる表情や物言いは、その考えを一蹴してしまうのも確かだ。
 「すごい!!!綺麗だ!!スコール、綺麗だよ!!」
 呼ぶ声の方へ顔を向けると、噴水の前で水に手を浸けるローランが、輝くような目と笑顔を向けていた。
 バチカルでは見た事がなかった噴水は驚愕に値するのか、リルカの説明に耳を傾け時折笑い合う二人は、此処へ来た目的を完全に忘れている。隠さずにため息を吐くと目の前に影が落ちる。
 「おやおや。ため息を吐くと幸せが逃げてしまいますよ?」
 「わ!!!!!」
 「はしたないですね。街の真ん中でそんな大声を上げるとは。」
 頭を抱える仕草で首を横に振るジェイドさんは、明らかに確信犯。しかし、それを少しも見せないのは流石だと思う。
 「ジェイドさん。お久しぶりです。」
 分かっていたのか気付いていたのか、ギルの対応はとても自然なもので、その姿にジェイドさんはガッカリするどころか面白いモノを視るように目を細める。
 「えぇ。貴方も相変わらずですね。・・・さてと、それでは宮殿に行きましょう。」
 「宮殿に?けど、俺たちガイさんの屋敷に向かう途中で・・・・」
 分かっていますよ と笑いかけるジェイドさんの笑顔にはいつものたくらみは感じられない。優しさと少しの同情が垣間見えるだけだった。
 「ガイは陛下のお部屋にいます。」
 「陛下の?・・・・またブウサギの世話ですか?」
 依然バチカルの屋敷に遊びに来ていた時、ブウサギの話で父上と盛り上がっていたのを思い出した。最も後から聞くと、殆どが陛下に対する愚痴で、父上は苦笑していたんだけど。
 「それもありますが。今回は人質ですかね?」
 「人質!?」
 物騒な事をさらりと。そもそも、どうすれば皇帝陛下が伯爵を人質に取る状況に陥るんだ?
 楽しそうに笑うジェイドさんに説明を促す。
 「貴方方がグランコクマに来る事が陛下の耳に入りましたが、今回は旅行という事で陛下に謁見は申し入れていませんでしたよね?」
 「はい。」
 そう普段なら謁見し挨拶を と流れるが、今回は公務ではなく私事の旅行でそれも急に決まったものだから陛下への謁見は見送る事にし、ガイさん達にだけ会って帰ろうという事にしていたのだが、それがどう繋がるんだ?
 「それを陛下が聞いてしまい、そこに運悪くガイが用事で尋ねて来ていたんですよ。」
 そこからが大変でしてね と遠くを見るように顔を上げるジェイドさんは呆れ顔だ。
 ガイさんから事情を聞き出した陛下は『自分も話がしたい』とありったけの仕事を任せガイさんの足止めをし、ガルディオス邸に行った俺たちが宮殿に向かうよう手回しをしようとした所へ、ジェイドさんが迎えに行くという条件でその場を収めたらしい。
 「まったくあの人は・・・・人の迷惑を考えず、我が儘ばかり・・・・」
 眼鏡を抑えながら黒く笑うジェイドさんは、これ以上ないほど恐ろしい。
 「と云う訳でして、あなた達には陛下に会って貰いますよ。」
 いいですね と笑顔を向けるジェイドさんに、俺たちは拒否権などなく頷くしかなかった。
 つづく
- Re: テイルズ オブ ジ アビス —誰が為の唄— ( No.29 )
- 日時: 2011/07/23 16:50
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- 第二十七幕〜世界は優しくなんかない〜 
 ジェイドさんの案内で宮殿へ行こうとリルカ達を呼び止めた俺たちは、突如鳴り響く轟音に足を止める。振り返れば音源らしき場所からの煙と怪我人の悲鳴が木霊し、昼下がりの穏やかな日常は瓦礫と共に崩壊していた。
 事態が飲み込めず硬直状態の俺たちを押しのけ、ジェイドさんは騒ぎを聞きつけ集まってきた兵士達を統率し、事態の収拾へと向かう。
 「ギル!!こちらで手伝いを!!スコール達は陛下にお伝えしてきて下さい。ついでにガイも寄こすように!!!」
 「・・・・はい!!!」
 ジェイドさんの大声で停止していた思考が戻り、三人一斉の返事と駆け出すのは同時だった。未だ把握出来ていないローランを連れ、宮殿へと続く街道に踏み出した足が突然現れた黒いマントの集団に止められる。
 「退いて下さい。急いでいるのです。」
 「・・・聞けんな。」
 行く先を遮られた驚きと、惨状から来る焦りから声が強張る。隣からリルカの歯ぎしりが聞こえ、見ずとも足止めに相当苛立っているのが伝わってくる。
 「巫山戯ないで頂きたい。今この現状で冗談を言っている暇はありません。一分一秒が惜しいのです。」
 「・・・・・無理だ。」
 感情を乗せず、当たり前のように聞こえる男の声に俺は遂にキレた。
 「巫山戯てる場合か!!!人の命が掛かってんだよ!!!いいから退けろ!!!」
 道を開けさせようと乱暴に手を払いのけると、それを無駄な動き無く最小の動きでかわすと、男は面白そうに くくく と笑い声を漏らした。
 「何が可笑しい!!」
 「・・・何故そこまで貴様が必死になる?」
 フードの所為か顔ははっきりとはしないが、見える口はつり上がり明らかに笑っている事が分かる。問われた意味を正しく理解すると、更に怒りが増す。
 「・・・当たり前だろ!!!人を助けるのに理由が必要かよ!!!」
 「貴様には関係のない他人であろう?」
 「だからって、此処で見捨てて良い訳ねぇだろうが!!!」
 「ふむ・・・理解しがたいが、まぁ良い。」
 「スコール!!!!!!」
 ローランの呼ぶ声と同時に痛みを感じる。見れば脇に刀身が深く食い込み、染み出た血が服を赤く染めていた。ぶすっ と鈍い音の後食い込んでいた刃が抜け声も漏らせず膝をつく。駆け寄るローランは涙を堪えつつ溢れる血を止めようと翳す手を押し止める。その行動に驚き目を見開くが、乖離が起こりつつあるローランに治癒術は使わせられない。平気と伝える為に笑顔を作るが、歪むそれの効力は分からなかった。
 見上げるとフードに手を掛け徐に下ろし、現れた姿は緑の短い髪を持つ紅い瞳の男。三日月のように目を細め笑うその顔からは感情が読み取れず、ぞっと背筋が凍るモノでしかない。他とは違う何かを感じ止めるローランを振り切り、痛みを堪え剣こそは抜かないが鞘に手を掛け脅しの意味も含め睨むと、後ろで男との遣り取りを見ていた集団が構える。が、それを片手で制すと、視線を俺の後ろ、現在進行形で兵士達が救命活動を行う場所に向ける。
 「貴様が『一分一秒も惜しい』というこの現状は私が創り出した。」
 まるで挨拶でもしているかのように述べる男は、自然に平然と泰然な面持ちで傷ついている人達を眺めていた。
 「・・っざけんな!!お前人の命を何だと・・・・!!!!」
 言葉を紡ぐたび終えるような熱さを覚え、抑えるローランの手は既に真っ赤だった。罪悪感を少し感じ、気休めにと手を重ねる。
 「命は命だ。その他のモノではあるまい。所詮星の記憶とやらに踊らされていたモノだろう。憐れなモノだ。」
 『星の記憶』と言葉が出た途端、ローランがピクッと反応し、震えるのが分かった。それを見ていた男が嬉しそうに目を細める。途端にさっきの比になら無い程の怒りが湧き起こる。
 「貴様・・・・!!!!」
 「しかし、人間も憐れだが人以上にアレは憐れみを感じさせる。」
 「何が分かるのですか貴方に!!!」
 ローランを庇うように抱きしめ、男を睨みつけたリルカが、我慢の限界を超したかのように声を張り上げた。驚いたのは男だけでなく俺たちも。しかし、リルカにとってそんな事は関係ないのか、睨む目に殺気が隠る。
 「貴方なんかにローランの何が分かるというのです!!!関係のない人を傷つけ悪びれもしないそんな人に、憐れみなど持たれたくありませんわ!!!」
 「なるほど。だが、それがどうした。」
 「な!?」
 「確かに私はアレの事など分からん。知る気もない。だがそれはさして重要か?」
 何も感じられない目をローランに向け、一歩ずつ近づく。抵抗として剣を振るが、当然避けられる。その反動で身体がぐらつき、地面に倒れた。
 「嫌!!!!!」
 ローランの悲鳴を聞き無理矢理に身体を起こすと、右腕を引かれリルカと引き離されたローランが抵抗しているのが見える。
 「嫌だ!!嫌だ!!嫌だ!!」
 未だ自由な左腕を振り回し、男に放せと暴れている。
 「・・・て・・めぇ・・ローランを放せ・・!!・・・ぐは!!!」
 在るだけの力を振り絞り譜術を男目掛けて放とうとした時、咳と共に血が溢れ出し集中が切れる。
 「スコール!!!!」
 「ふっ。英雄の息子といえど、やはり子供は子供か。」
 憐れみと落胆が織り交ざった声が男から届く。行くぞ と短い言葉の後、何処からともなく現れたアルビオールへ黒いマントの集団がローランを引きずり搭乗して行く。
 「スコール!!スコール!!スコール!!」
 「ローラン!!!!」
 悲痛に叫ぶローランの伸ばされた左手を掴もうと、痛みなど忘れ走り出した。
 血が流れようと構わない。
 足が動かなくなってもいい。
 ただ、彼女の手を掴む事が出来るのなら後の事なんてどうでもいい。
 「ローラン!!」
 やっと、寸前の所で捕まえたその手は温かくとても小さくて。
 世界はそんなに優しくなんて無い事を忘れてしまっていた・・・・
 ふっ と黄緑色に光り空気のようにローランの左腕は消えた。
 「え・・・・・・」
 信じられない様な絶望感に心が襲われる頃には、ローランが乗せられた浮遊機関は彼女が大好きな空を飛んでいた。
 「ロー・・・・・ラン・・・・うぁああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
 叫びは遠く。届かない願いは消えていった。
 つづく
- Re: テイルズ オブ ジ アビス —誰が為の唄— ( No.30 )
- 日時: 2011/07/26 11:55
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- 第二十八幕〜憶測の名を持つ確信〜 
 突然グランコクマを襲った非常事態は何とか収束に向かい、今は怪我人の治療とその場の収集に人員を割いている。幸いにも怪我人の多くにそこまでの重傷者は見あたらず、兵士達は壊れた家屋の修理にほぼ割り当てられている。
 「良かったですね。怪我人も多くなくて。」
 「はい。しかし妙ですね。」
 最近になって珍しくジェイドさんが難しい顔をしている。こうゆう顔をするのは決まって良くない事が怒る前兆だと父上は漏らしていた。
 「・・・・確かに少し引っかかりますね。」
 そう俺自身もこの現状に違和感を覚えていた。
 今回使用されていた爆弾・譜術共にそこまでの殺傷能力は持ち合わせておらず、そのお陰でこの程度の被害で済んだとも云えるのだが、そこが可笑しい。今の情勢からこの一件は預言派によるテロだと考えるのが妥当な所だろう。預言廃止から二十年そこら経つが未だ世界は不安定なままだ。その為『確定された未来』を望む声も少なくなく、預言廃止を決定した現政府に対しての暴力的抗議も各地で報告が上がってきている。一見して見れば今回もどこかのテロ組織による犯行なのだが、それにしては『被害が少なすぎる』のだ。
 テロ組織の第一目標はキムラスカ・マルクト領国のトップ。つまりキムラスカでは現国王である父上、マルクトでは現皇帝であるピオニー九世陛下になるのだが、預言廃止に賛同しているオールドラントの人間も同罪と見なす所が多い。その所為、住民の死傷者が報告に上げられるのには怒りを覚える。
 それなのに今回、建物の損壊は多いものの死亡者は居らず、重傷者も片手で足りる程しか居ない。その事は喜ばしいが、あれだけ派手に譜術を使用した結果がこれだとはどうにも腑に落ちない。
 「兎も角この場は兵士達にお願いして、私達は・・・・」
 「・・・・・うぁああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
 ジェイドさんの言葉を遮ったスコールの絶叫は、その場にいた俺たち二人を混乱させるには十分だった。そもそも、陛下に報告を頼まれたスコールが未だ広場にいたのにも驚きだったが、なる程だからガイさんが待っても来なかったんだな。
 とは言えあれ程の絶叫を上げた幼馴染みをほっとく訳なんかなく、ジェイドさんと駆け寄ると、何があったのか脇腹から大量に血を流し、しかしそこには気にも止めず空に目をやったまま放心状態のスコールを何とか治療しているリルカの姿だけしかない。
 「おい!!!何があった!!」
 共にいたはずのローランは見あたらず、リルカは治療しながらも悔しそうに涙を堪え、唇を噛んでいる。
 「スコール!!!」
 「・・・・ギル・・・・」
 反応を示さず空から目も離さない幼馴染みの肩を揺らすと、やっと気付いたのか力のない目を俺に向け悲痛そうに顔を歪める。
 「・・・俺・・・護れなかった・・・約束・・・したくせに・・・ローラン・・・・」
 グラッ と傾く身体を支えると、腕に掴まる手が少し震えている。声にもいつもの明るさは微塵も感じられず、何があったのか直ぐに悟った。
 「・・・・兎に角、一旦は宮殿へ。そこで話を聞きましょう。」
 ともすれば、気絶してしまっても可笑しくないスコールを支え、ジェイドさんの言う通り俺たちは陛下の待つ宮殿へ入る事にした。
 「そうか。事情は大体分かった。ご苦労だったなジェイド。それに三人も。」
 宮殿に着き真っ先に向かった陛下の寝室で、ジェイドさんとスコールはそれぞれに自身が遭遇した出来事を話し終えた。もっとも、スコールに関しては大まかな説明だけで殆どリルカの細かな説明に助けられていたのだが。それだけ精神的なショックが大きいと陛下も分かって下さっているのか、あえて突っ込んだりはしない。
 「今回のテロ自体は囮で、本命のローランを連れ去るか・・・。けど、何でローランを連れ去ったりしたんだ?政府に対する人質ならスコールやリルカの方が有利に働くと思うのが妥当なんだが。」
 「スコールやリルカは危ないと判断したんじゃないですか?ファブレの名は確かに魅力的ですがそれに付く戦闘力も有名ですし。」
 俺の解釈にガイさんはまた考え込む。
 確かに、現政府に対する抗議の手段として国家の重要人物と近しい人を人質に取るのは常套手段であり、人質が居ると分かれば軍も簡単に動けなくなる。ファブレの人間となればそれは確実で、父上や叔父上が平気と云っても上層部は動きづらくなるだろう。それを防ぐ為か分からないが、俺たち三人は幼い頃から護身術から始まり、闘技場の優勝経験、経験戦闘訓練や誘拐された時の対処法、魔物達との実戦経験も積んでいる。譜術もそれなりに使え、そこら辺のテロ組織に捕まっても自力で何とかする位訳ない。それは、英雄と謳われる父上達のお墨付きでもあり周知の事実の為、預言派に対しても有名だ。そのお陰で、俺たち三人は護衛なしで出歩いても誘拐される事はあまり無い。
 が、ローランは別だ。彼女に戦闘力は皆無といっても語弊がない程無い。舞踏会では他を圧倒させる程力を使っていたが、乖離現象が見られるようになってからはスコールが戦う事を禁止し、彼女も自ら力を使うような事はしない。戦闘力はなく、ファブレとも繋がりがあり、世間一般の云う女性。俺から見ても彼女は人質に最適な人物といえよう。少なくともあの場にいた三人の中なら、余程自分の腕に自信がなければ迷い無くローランを選ぶはずだ。
 「リスクを考えるならば、俺であるならローランを人質として選びますが。」
 「いいえ。恐らく人質ではないでしょう。」
 今まで黙っていたジェイドさんが眼鏡を押し上げながら、考えを口にする。
 「どうゆう事だジェイド。人質以外に何か心当たりでもあるのか?」
 「えぇ、まぁ。スコールの話から推測するに彼らは、現政府に対して抗議は行わないと思います。」
 「抗議はない。それってどうゆう事だ旦那。」
 ガイさんの問いに一つ息を吐くと、赤い目が真剣さを増した。
 「結果から申し上げると、彼らの目的は世界の復元でしょうか。」
 「復元?」
 「えぇ。元に戻す事。つまり、預言に頼っていたあの時代に世界を戻すつもりなんでしょう。」
 その声は静かに、けれど、深く響き消えていった。
 つづく
- Re: テイルズ オブ ジ アビス —誰が為の唄— ( No.31 )
- 日時: 2011/07/28 18:18
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- 第二十九幕〜それは遠く〜 
 マルクト皇帝の寝室は云いようのない空気に包まれ、誰一人言葉を発さない。否、発せ無いのだ。
 ジェイドさんがたった今考えついた結論は机上の空論そのもの。そんな、現実不可能な事をなそうと思いつく人も、ましてやテロまがいな行動に移す人が実在するとは考えられない。
 「戻すって・・・一体どうやって。そもそも、第七音素もローレライも居ないのに預言なんて詠める訳・・・・。」
 「えぇ。預言は地核にローレライが封じられていて初めて詠む事の出来るモノです。しかし、ルークによって解放された現在、詠むべき預言は消え去られ譜石も現導師の手によって封印されていますね。」
 当たり前のように淡々と現状を話すジェイドさんは、けれどそれを否定するような結論を見いだしている。かちゃ といつもの仕草で眼鏡を戻すジェイドさんの目は何を思っているのか、複雑そうに揺れていた。
 「なら、預言はもう詠めないはずです。」
 「『預言はもう詠めない』ですか・・・。今のままではそうですね。」
 「・・・・・・」
 「旦那、あんた一体何を考えてる。」
 珍しく言い淀むジェイドさんは、一瞬スコールに目配せをやるとそれを隠すように慣れた仕草で眼鏡を押し上げる。
 「ではもし、地核にローレライの代役を置いたとしたら。」
 「「・・・え?」」
 俺とガイさんの声が重なる。言葉の意味が理解出来ず困惑している俺たちに、ジェイドさんは重くため息を吐いた。
 「ローレライが抜けた穴にローレライと同質、または限りなく近いモノを代わりとして置いたら、それはローレライの復活とも呼べるのではないでしょうか?」
 「それは・・・・」
 「そして、ローレライが復活したのならば理論上預言も詠める。」
 静寂。
 音も何もなくなったような部屋は僅かにブウサギの鳴き声だけが残る。
 「・・・・その代わりって・・・・もしかして・・・・」
 信じられないのか信じたくないのか、隣から聞こえたスコールの声は震えており、吐き出す息すら弱々しい。問うているのに答えを聞きたくない思いが痛い程伝わる。
 「えぇ。この世界に唯一ローレライの代わりを成すモノ。それは、貴方の大切なローランですよ。」
 無情にも突きつけられる現実は、恐ろしい程の痛みとなってスコールを襲った。
 目を覚ましたのはどこか見覚えのある不思議な空間だった。天は果てが無く横たわる地面とも呼べない床は透き通り、戦いの跡なのか僅かに切り傷が残っている。何かの譜業装置なのか奥のパイプオルガンにも似たものは、しかし機能してはいない。
 「ここは・・・」
 出た声は掠れ動かそうにも痺れる身体は自由が利かず、伸ばす手も力なく墜ちた。かつ と地を踏む音が段々と大きくなり、私以外にも人が居る事を教えてくれる。しかし、それが敵か味方かは想像に難くないだろう。
 「おや、もうお目覚めか。やはり人用では効きが浅いか?」
 姿を現した男は緑の髪を揺らし、顔を綻ばせていた。が、独特の紅の瞳は一片の笑みも浮かべず、冷たさを誇張している。
 「悪いが君には生贄になって貰う。」
 「・・・?」
 「世界を元に戻す為。預言を生き還させる為に。」
 軽々しく紡がれた言葉は驚愕に値する。
 預言を生き還させると男は迷いもなく言い放った男は、しかし自身の言うそれがどれ程無謀な事なのか知っているはずだ。僅かながらでも今を生きれば預言を取り戻せない事など子供でも熟知している。
 戻せない。何をした所で失ったモノは何一つとして還る事はない。
 「・・・無理だ・・・もう、マスターは居ない・・・。」
 「知っている。英雄が解放してしっまことも。」
 「なら・・・なぜ・・・?」
 「その為に君が居る。君を使い再びこの地に預言を甦らせよう。」
 それは既に狂気としか言いようがない。あの男と同じ、しかしあの男と比べようもない覚悟が垣間見えるその瞳は揺るがず私ではない私を見る。
 「貴様は・・・?」
 「ん?あぁ・・・そうだな。私の事はクラウンとでも呼んでくれ。」
 「・・・・クラウン・・・・?道化か?」
 「そうだ。運命に・・・・否、預言に踊らされた憐れな人間だ。」
 吐き捨てるように自嘲する男は、先程の狂気も見る影すらない程優しく、そしてどこか哀しそうに笑いこの場を去った。
 「・・・スコール・・・私はやはり産まれるべきではなかったよ・・・・・・・・」
 祈るように見上げる『空』は、眩しくてどこまでも遠かった。
 「行きます。」
 それは静寂の中静かに、けれど強く響き渡った。
 その場の全員が驚き注目する中、張本人であるスコールは集まる視線を気にするでもなく、手持ちの荷物を抱え上げ挨拶すらなく立ち去ろうとするが、それをギルフォードが寸前の所で止める。肩を掴まれ止まりはするが顔すら向けず、スコールは放せと一言だけ告げる。それをギルフォードが拒否し、スコールが何か言う前に捲し立てた。
 「何言ってんだ。お前その怪我誰にやられたか忘れた訳じゃねぇだろが。お前一人で行った所で何も出来ずにやられるだけだ。せめて父上達に報告してからにしろ。」
 「・・・・報告して、その間にローランが地核に沈められたらどうすんだよ。」
 「だからってお前が行けばローランが確実に助かる保証もないんだぞ!!!」
 「そんなこと分かってる!!!」
 掴まれた肩を乱暴に振り払い、対峙する形でスコールはギルフォードを睨みつける。
 「けど、今行かなきゃ確実にローランは消えちまう!!そうなってからじゃ遅いんだ!!」
 「けど・・・」
 「約束したんだよ!!!」
 今までのとは違う言葉の強さにギルフォードは言おうとした事を噤む。
 「俺が側にいるって。俺が護るって。あいつと・・・・ローランと約束したんだ。だから、他の誰でもない俺が行かなくちゃ行けない。」
 先程までの姿はどこへ消え去ったのか、スコールの言葉からもその瞳からも迷いは感じられない。こうなれば諦めるしかないと、長い付き合いで知り尽くしているギルフォードは諦めのため息を吐いた。
 「分かったよ。けど、俺も行く。ローランが心配なのは俺も同じだからな。」
 「けど・・・・」
 「なら、私も一緒に行きますわ。私だってローランの親友ですもの。」
 「いや、だから・・・・」
 「スコール諦めなさい。」
 遣り取りを静観していたジェイドが苦笑がちにスコールを宥め、それをピオニーが面白そうに眺めている。
 「・・・・分かったよ!!!ギル!!リルカ!!行くぞ!!」
 恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに駆け出すスコールとそれを追うギルフォードとリルカを三人は見守るように見送った。
 「本当に、あの子達はそっくりですね。彼らの両親に。」
 「そうだな。」
 「懐かしいな。」
 大人達の声は懐かしさを帯び、その場を包んだ。
 つづく
- Re: テイルズ オブ ジ アビス —誰が為の唄— ( No.32 )
- 日時: 2011/08/01 12:06
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- 第三十幕〜始動〜 
 慌ただしく人が行き来するその場所でスコールは苛立ちながら、もたらされる情報を調べていた。流石マルクト兵士と云うべきか、短時間の内にかなりの量が報告されてくるがそのどれもが確信には至らず、時間ばかりが過ぎる事にスコールは焦りを隠せなくなってきていた。
 あの後、ジェイドと二三言葉を交わしたはガイは何かを了承し、足早に部屋を出て行った。見送るジェイドに行き先も決まらないままアルビオールを飛ばす事は出来ないとに止めスコール達は、渋々ながらある程度の目星がつくまで港にて待機となり、各地に点在するマルクト兵から上げられる目撃情報からスコールが見たアルビオールや人物と照らし合わせ信憑性を調べていた所に荒々しく息を上げ走り寄る一兵卒を遠目ながらに見つける。
 「・・・ほ・・・報告し・・・ます。」
 切れ切れの呼吸を前屈みに整え幾分か落ち着くと手本のように背筋を伸ばし、礼を取る。
 「対象のアルビオールがシルバーナ大陸付近にて目撃されたとの報告が・・・・!!」
 「それは確かですか。」
 「はい!!その後対象はアブソーブゲート方向に飛んでいったそうです。」
 吟味するより速くスコールが動いた。足早に礼を言うと港に定着しているアルビオールに飛び乗ろうとした時、反応できないほどの素速さでジェイドが頭を押さえつけた。
 「待ちなさい。未だ確証は在りません。」
 「けど!!此処で大人しくなんかしていられません!!!!こしている間にもローランが消されてしまうかも・・・・」
 「ですから待ちなさいと云って居るんです。奴らがアブソーブゲートへローランを連れて行ったのが本当なら儀式が始まっていても可笑しくはない。」
 そこまで分かっていて悠長に待てる訳がないとスコールは押さえつけるジェイドの手を払いのけようとするが、それを許す程ジェイドは甘くない。若干呆れを込めて空いてる手で眼鏡を押し上げるとため息を吐く。
 「このまま何の策もなしに行けばローランを助ける事は出来ません。」
 「ならどうすれば!!!」
 「その策が到着するまで待ちなさい。」
 言葉が終わるや否や人だかりを押しのけガイが慌てたように、けれど嬉しそうに駆け寄ってくる。その両手に布で包まれた長いものを抱えていた。
 「悪い、遅くなった。」
 「丁度いいタイミングでしたね。」
 ジェイドはガイから抱えられているものを受け取ると、掛けられた布を外しスコールに向ける。鈍く太陽の光を反射するそれは嘗て彼の父が使っていた『ローレライの鍵』と呼ばれる剣だった。ユリアが契約の時使用し、ルークが解放の時に突き立てた剣。第七音素で構成されているそれはもしかしたらとスコールに希望を抱かせる。
 「貴方の父上より借りてきて貰いました。これとユリアの譜歌が在ればもしかしたら、ローランを救えるかもしれません。けれど、それはあくまで可能性です。全体の根拠はありませんよ。それでも行きますか?」
 試すかのようなジェイドの目はスコールに向けられた。怯んでも可笑しくないそれに、しかしスコールは怯えもせずいつもの笑顔をジェイドに向ける。
 「はい。ローランと約束しましたから。」
 迷いのないその言葉に、ジェイドは ふっ と笑みを零してから手の剣を渡した。
 「それじゃぁ行ってきます!!!!」
 三人を乗せたアルビオールは高く高く上がり、独特の音と共に彼方へと消えていく。
 再びの目覚めは特に変わり映えもなく、夢であったらと儚い望みを潰えさせた。それを思うと同時に自嘲が零れる。
 (何を今更)
 此処まで来て何に期待していたのだろう。まさか、誰かが助けに来るとでも思っていたのだろうか。
 (ありえんな。こんな・・・)
 不完全な存在を誰が好きこのんで助けてくれるだろうか。
 都合のいい考えを未だ痺れる頭の所為に置き換え、二度と浮かばぬよう考えを逸らす為転がすように頭を横に向ける。
 相変わらず空は高く、床とも呼べない透明過ぎる床は不安を感じさせる。唯一の入り口といえよう扉は固く閉ざされ、壁と同化しているようにも見えた。反対側へと目を向けると、機能しているか分からない譜業の椅子部分に腰掛け鍵盤を撫でる仕草をする男を見つけ、一人残された訳ではなかったのかと 別段と何を感じる訳でもなく思った。
 「よく眠って居たようだからな。起こさぬようと配慮したつもりなのだが。」
 「要らぬ世話だな。・・・どうした?私を生贄にするのではなかったのか?」
 強がりではなかった。それでも、男はどう取ったのか蔑むように笑い、ローランに見えぬ所に突き刺していたそれを抜き、突きだすと此処まで一度も崩れなかったローランの表情が僅かに驚いたように崩れた。
 「知っているだろう、これを。嘗てユリアが使っていたと云われる鍵。これが在ればローレライとの契約も夢ではない。」
 どこで手に入れたのか男が手にするそれは、間違うことなく『ローレライの鍵』だった。見間違える事もないはずのそれは、しかしどこかが可笑しい。見た目にも違いはないが違和感が消えない。
 「それは本当にローレライの鍵か?」
 ローランから出た疑問に男は嬉しそうに笑う。
 「ははははははは!!!その通りだ。喜ばしい。お前はこれが違うと分かるのだな。くくくくくく。」
 何か可笑しいのか理解出来ないローランは次に出てくる答えを待つしかない。
 「その通り、これは紛い物。いや、同じであって異なるもの と云った方が良いか。これは、レプリカだ。」
 鈍く当たる光を反射し光るそれはレプリカだと、男は隠し立てする様子もなく逆に宣誓するかのようなすがすがしさを持っていた。
 「レプリカ・・?貴様等はそれを嫌うのだろう。」
 ローランの侮蔑に似た視線に男は少しの切なさを含ませ紅のそれを細ませた。
 「私にとって尤も軽蔑するべきは、預言のないこの世界とそこで暮らす事に慣れてしまった人間だ。オリジナルであろうとレプリカであろうと、私にはそれ程重要な問題ではない。」
 細められるその紅はどこか遠くの終わってしまった事を求めているようにも見えた。
 つづく
この掲示板は過去ログ化されています。

