二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- モンスターハンター【光の軌跡】
- 日時: 2012/02/07 00:11
- 名前: キラ (ID: DGGfSCZ7)
- 参照: http://id34.fm-p.jp/228/kazamasan
- モンハンの小説をここでかかせていただきます。 
 場所はユクモ村。
 サイトで書くつもりだったのですが、少々真面目に書きたくなった物でして、本気で書かせていただきます。
 もし、小説に出てみたいと言う方がいましたら、どうぞ、偽名で名乗り出て下さい。
 もちろん書きます!!
 主人公達は【魂を継ぐ者】などに出てきた方達です。
 オリキャラも混ぜていくので、ぜひ『一狩り行きたいっ!』という人は一緒に狩りに行きましょう。
 オリキャラはまず………
 ①自分の名前
 ②口調と一人称
 ③防具と武器
 ④性格
 ⑤出身
 設定はこちらで決めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
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- Re: モンスターハンター【光の軌跡】 ( No.1 )
- 日時: 2012/02/21 23:49
- 名前: キラ (ID: DGGfSCZ7)
- 参照: http://id34.fm-p.jp/228/kazamasan
- 【設定】 
 主人公 キオ(19歳)
 ジャンボ村にやってきた少年ハンター。
 武器は亡き父の形見である双剣のガノカットラス改を使用していたが、クルトアイズに弟子入りした際に片手剣に転向。
 ハンターとして名を馳せた父の姿を追いハンターを目指すがドスファンゴ狩りで失敗を繰り返す。
 ジャンボ村の村長の勧めでクルトアイズに弟子入りしハンターとしての経験と知識を学んでいった。
 ロッシィやエーデリカとパーティを組んで困難な狩猟を幾つも乗り越え、ジャンボ村の英雄としてハンターならば知らぬ者が居ない凄腕ハンターへと成長する。
 天性のすばしっこさと優れた状況判断能力を持ち、パーティのリーダーとしてその手腕を振るう。
 【武器】
 片手剣『ドスバイトダガー改』
 【装備】
 ガルルガシリーズ
 アステル(19歳)
 ユクモ村の女下位ハンター。
 男勝りな性格で、裏表の性格の持ち主。
 師匠方の前ではいい子を演じるが、キオの前は裏全開である。
 負けず嫌いで、狩りに対してはものすごい執着心があるが、やはりアオアシラ以上が倒せない。
 師匠にキラ・サーペェンティーがいる。
 師匠との相性は最初から抜群。
 アステル自身、師匠は尊敬している?
 クルトアイズは良き相談相手。
 【武器】
 双剣『ジャギットショテル改』
 【防具】
 アシラシリーズ
 クルトアイズ(30歳)
 「隻腕」の異名を持つ熟練ハンターであり、キオの教育役となる人物。ヘビィボウガンを使うガンナーで、イャンクックの素材を使った装備を好むが、相手に合わせて装備を切り替える柔軟さも持っている。
 始めはキオの弟子入りには乗り気ではなかったが、キオの抱える苦悩を理解した事で徐々に本格的な師弟関係になっていく。
 かつては双剣使いだったが、怪我によりヘビィボウガンに転向した過去を持つ。
 キオをかばって再び負傷し、療養のためジャンボ村を離れる。
 その後リハビリ中にハンターギルドの目に留まりギルドナイトとなった。
 キラ・サーペェンティーとは昔からの戦友。
 【武器】
 ヘビィボウガン『超イャンクック砲』
 【防具】
 クックSシリーズ
 キラ・サーペェンティー(25歳)
 【殺し屋キラ】の異名を持つ上位には珍しい女ハンター。
 狩りの腕は素晴らしい物。
 かつて、ジンオウガを倒した事があるほどの実力の持ち主。
 アステルの教育係という名の師匠。
 主に武器は太刀だが、他に弓やクルトアイズ同様ヘビィボウガンを使う事もある。
 比較的おとなしい性格だが、方向音痴という難癖や、おだてに弱いと言うかわいい一面もある。
 昔ドンドルマ付近の狩猟で失敗し、クルトアイズに助けてもらった事がある。(クルトアイズ20歳の時)
 ギルドナイトに選ばれるがどうするか迷っている。
 【武器】
 太刀『六花垂氷丸』
 弓『王牙弓【稚雷】』
 ヘビィボウガン『パッチペッカー』
 【防具】
 剣士『レイアSシリーズ』
 ガンナー『ジャギィSシリーズ』
 皆ヘルムはかぶらず、ピアスです。
- Re: モンスターハンター【光の軌跡】 ( No.2 )
- 日時: 2012/02/17 01:19
- 名前: キラ (ID: DGGfSCZ7)
- 参照: http://id34.fm-p.jp/228/kazamasan
- 【プロローグ】 
 
 空はどんよりと曇っていた。空も自分同様機嫌が悪いらしい。空の上で雷が鳴り響き、届かなくなった陽の光の代わりとして、暗い世界を照らしていた。
 ジャンボ村からドンドルマまで三日、そしてドンドルマから陸地を二日、モンスターの住むリレル砂漠四日で越え、ロックラックに着くつかぬ間すぐに出発、そこからすでに一週間がたっている。
 今から行く場所は、ジャンボ村があるユートピア地方から離れた辺境の地、シャングリアにある山と山の間の峡谷に存在する、静かでのどかな村だ。
 そう言っておきながらもキオ自身行ったためしがない。あると言えば、その村の近くにあるルネ渓流に以前、師・クルトアイズと行ったのが最後である。
 見ている景色が相変わらずで、変わらない風景に思わずため息を漏らした。尻が悲鳴をあげている。精神的にも生きている心地がしなかった。ハンターはじっとしていることを嫌う(ごく一部を除く)。それを我慢しなければ狩り場で冷静さを欠いてしまうのだ。
 しかし、血の騒ぎは抑えられない。
 だが、まだ自分自身抑えがつくようになったと思われる。
 初期の自分は負けたことを認めるのがいやで、ただ悔しいという気持ちだけで突っ走ってしまった。ドスファンゴにめっためったにされたのが懐かしい。師匠の言う事が十九歳になってようやく分かった気がする。
 せっかく作ったイャンクック砲、せめて自分の手で渡したかった。
 「何してんのかな……あいつ……」
 ありがとう、とも言えぬまま、三年が過ぎてしまった。自分のせいで狩猟を失敗し、その挙句キオ守るため自らドスギアノスにズタズタにされて、愛用のイャンクック砲は真っ二つ、そして唐突な別れを告げてドンドルマに帰ってしまった。それから、一度も会っていない。ドンドルマにはよく行ったが彼に会う事はまずなかった。姿を見かけたこともあるが逃げられてしまった。
 きっと、怪我をしている自分を見られたくなかったのだろう。彼の意地とプライドが丸見えだった。
 だから感謝の気持ちとしてイャンクック砲を作ったというのに、結局渡せじまいという結果。キオは地
 の底を見たかのように落胆している。
 どこかでのたれ死んではないだろうか。怪我が癒えず、ハンターを今度こそやめてしまったんではな
 いか。彼のことだからそんな簡単には辞めやしないだろうけど、あれから三年。その三年の空白が彼と
 キオの溝を作ってしまい、余計心を苦しめた。
 キオの鼻をきつい硫黄の匂いが掠めた。近くに鉱山はない。と言う事は、もう近くまで来ているのだ
 ろうか。
 「す、すげぇ……」
 山と山の間の狭間に見える和風な趣。
 上昇気流にのって舞い上がる温泉の蒸気。
 間違いない。初めてみた。ここが。
 「ユクモ村か……」
 ロックラックからはるか東方、緑深い山間の谷にその村はある。交通の便がいいとは言えない村だが、その良質な温泉を目当てに、当時のため遠方から訪れる人は、後を絶たない。
 見えたのは見えたが距離はまだだいぶある。急いで準備することもなさそうだ。キオは静かに目を伏せた。思い出にふけてみるのも悪くないと思った。
 初めてジャンボ村に来た時、まだガキでじぶんの力量も知らず、見ず知らずの土地のドスファンゴに挑んだことがあった。そのせいで、村長には教育係の面と師の面を務めてくれるクルトアイズを雇うことになり、嫌々ながらも彼は色々なことを教えてくれた。その話はまたあとで話そう。
 クルトアイズとは、ハンターの間では『隻腕のクルトアイズ』と呼ばれ、凄腕と言われるガンナーだ。三年前、ジャンボ村の村長の依頼で、まだ駆け出しだったキオに『狩り』の基本を教え込んでくれた張本人である。最初は喧嘩をしたり、武器についてもめたり、と仲が良いとは言えなかったが、狩りを通して彼のすごさをキオは知ることとなった。
 キオの目標はかつて名を馳せた父ちゃんみたいなハンターになること。それには及ばなかったが、クルトも父ちゃんの次の尊敬する人物である。そうなった決定的瞬間は、今も鮮明に覚えている。
 砂漠の依頼で、商人達の救出をすることになったキオとクルトアイズだったが、ガレオスの襲撃にあい、ガレオス狩りをするはめになった。順調に数を減らしていくと今度はそれに怒ったドスガレオスがでてきてキオは一度、死を受け入れたこともあった。しかし、クルトアイズはそれを許してはくれなかった。自分の身をつかってでも守ってくれたのである。喧嘩しても、悪口を言っても、命令に聞かなくても、弟子を守るのが師匠の義務だ、とクルトは言ってくれた。それが無性にうれしかった。
 そして、怪我をしたクルトはドンドルマに帰って行った。そういうわけだ。彼は自分の誇る最高の師匠なのである。彼の前では素直になれないからか、一度もそんなそぶりを見せたためしはないが。
 今回、ユクモ村に訪れたのは理由があった。ユクモ村は温泉で有名だが、その割にハンターが少ない。だから、今スケジュールが長期で空いているキオが派遣されたのである。遠まわしに言えば、修行の旅。
 パーティーの仲間のエーデリカとロッシーは別々の地方に派遣されている。皆して修業に行っているのだ。ひとりの孤独な旅路は意外にもきつかった。
 ガーグァの荷台のスピードが遅くなった。そして門の前にゆっくりととまった。門から奥がよく見える。そこには美しい湯けむり漂う村があった。
 キオの滞在期間は次の寒冷期まで。これから一年、ここのハンターと仲良くやっていかなければならない。立場上、ジャンボ村に来たクルトと言ったところだろうか。しかしキオには実力が足りない。果たしてうまくいくのだろうか、とてつもない心配に襲われる。
 荷台から飛び降りるとガーグァはまた走り出す。
 それを見届けてキオはユクモ村に入って行った。
- Re: モンスターハンター【光の軌跡】 ( No.3 )
- 日時: 2012/02/17 01:29
- 名前: キラ (ID: DGGfSCZ7)
- 参照: http://id34.fm-p.jp/228/kazamasan
- ユクモ村には酒場がない。別にキオは酒場が好き、と言うわけではないがゆったりと話ができるのは酒場しかないためちょっぴり気になったのである。 
 ないというのは大げさだが、酒場はもちろんある。ただ、温泉が半分以上の敷地を使っている。
 そこにギルドも入ると狭いとしかいえないだろう。温泉はものすごく綺麗だが。
 キオはそこの一角に座っていた。とても落ち着くのだ。なぜか、温泉を見ていると。効能があるとは聞いていたが、これも効果の一つなのだろうか。
 人は多い。温泉に来る一般人や、ハンターがこぞって温泉を利用する。
 よく思えばもう日が暮れ始めている。
 温泉に入る子供たちが異様にまぶしく見えた。それを見ながら杯を口に運ぶ。
 「あなたがキオ様?」
 いきなり話しかけられてキオはむせかえった。呼吸を落ち着かせて振り返ると、竜人族の着物が綺麗な女性がいた。おしとやかそうなその容貌は、誰もが目を引くだろう。
 「げほっ、げほっ!」
 「大丈夫です?」
 竜人族の女性は優しく微笑んだ。
 「いきなり話しかけてすみません。キオ様、でいらっしゃいますね?」
 「え、あ、はいそうです」
 「お初にお目にかかります。ユクモ村の村長でございます。以後よしなに…」
 「ジャンボ村のキオです、どうも」
 たがいに挨拶を終えると村長は向かいの席に座った。
 「今日から一年、修行を含むモンスター狩りが始まりますけれど、気をつけてくださいませ。なんせ、ここのフィールドのモンスターは気性が荒いものが多いので」
 「自分にできる範囲でがんばります。モンスターの書類を頂ければ、明日からでも狩猟にいきます」
 「ホホホ、若い方は頼もしい限りです」
 自分でも、明日からでも狩猟に行くと、自信満々宣言してしまったのかよくわからない。でも、少しでも力になりたいとは思った。
 「ユクモ村はいつからご存知で?」
 「最近知ったばかりです。でも近くのルネ渓流には、師と足を運んだことがあります」
 「ルネ渓流とは、遠い所からわざわざ………」
 村長が尊敬を記した瞳でキオを見てくるからか、恥ずかしくなって顔をうつ向かせた。
 「いえいえ、師のきまぐれですよ」
 あの自己中大魔人め……、とキオは唇を強く噛み、握り拳を作る。あのいかにも俺偉いです、みたいな顔はたとえ尊敬していても許せない。
 このさき、一人でやっていけるのか心配になってきた。
 「今回は既に存在するパーティーに臨時で入っていただきます。大丈夫です、皆様優しいので」
 自分と心配していることが違う気もするが、村長の計らいによってキオはパーティーで活動することができるようになった。心配はいらなそうだ。
 「今回の依頼にはとくに特定はございません。ユクモのハンターじゃ手に負えないモンスターを狩っていただきたいのです」
 「例えば、どのような種類で…」
 「雌火竜リオレイア、などですかね」
 それはどこの村でも難しいと思います村長!と、心の中で突っ込んだ。
 ロッシィとエーデリカがいない今、狩猟ができる範囲が狭まった。それに加え、ユクモのハンターが弱い軟弱だとしたら、これこそ話にならない。
 「たしかにリオレイアは難しいですからね……」
 「この村にはハンターは十人ほどしかいません。そのなかでも上位に名をはせるものは三名ほど。どうにかなりませんか?」
 「三名でも三名がかたまればなんとかなりますよ。ジャンボ村もそうですから」
 でもそうはいかないのがユクモ村。村は村独自のやり方がある、
 「パーティーを解散することはできません。一度も共に狩猟をしたためしのない者同士が集まっても、利益は生みませんの」
 「確かにそうですね。じゃあ、俺が入るパーティーは単純計算で上位が二人になる。このパーティーならなんとかなるかもしれませんよ」
 村長は嬉しそうに手を叩いた。
 「キオ様がはいるパーティーには皆さまがしる有名人がいます。その人は判断能力に長けていますし、狩に失敗したことがありません。きっと、キオ様のお役に立つと思われます。指揮官役にキオ様が入れば怖いもの知らず、ですね」
 有名人?とキオは首をかしげた。ユクモ村にそんな有名人がいただろうか。
 「その人たちは今どこに?」
 「渓流にアオアシラ狩りに行っております。明日には帰ってきますよ」
 「その人に俺は狩りを教えてもらえるんですね?」
 「キオ様には以前師がいたとか。二人目の師匠様になりますね」
 ホホホ、と村長は上品に笑う。
 キオも、どうか神様、師匠が師匠みたいなナルシストじゃありませんように……、と天に願った。
 「今日はもう遅いですから、お話はここまでにいたしましょう。また後日、詳しくお話しいたしますね。明日は自由にフィールドの探索をしてみてくださいな。きっと、良い発見があると思いますよ」
 村長は最後に微笑むと、椅子から立ち上がってギルドマネージャーと小話をし、村に降りて行った。
- Re: モンスターハンター【光の軌跡】 ( No.4 )
- 日時: 2012/02/17 01:30
- 名前: キラ (ID: DGGfSCZ7)
- 参照: http://id34.fm-p.jp/228/kazamasan
- キオは杯の中身を一気に飲み干すと、ちらりとクエストが乗っている掲示板を見る。別に明日は休みだが、どのようなものが受注できるのか気になった。 
 「ドスジャギィ、ドスバギィにクルペッコ?なんだか聞いたことのないやつばかりだな。新種か?それともこの地だけに生息するモンスターか?」
 すると、ギルドマネージャーがつかつかと歩み寄ってきた。瓢箪を手に持ち、やけに小さな身長でキオの横に座る。正直言って怖かったりもする。外見はかわいらしいが、さっきの村長と話している表情が妙に怖かったのだ。
 「ひょひょ、チミは新しく入ってきたハンターか?」
 想像していた声と違って表情通りかわいらしいものだった。本人にそれを言ったら殺されそうだが。
 「いえ、ハンター不足と言う事でジャンボ村から派遣されてきました」
 「派遣とは、また随分なものじゃねぇか。そういや、もう一人来るとか来ないとかキラ達がいってたなー。この村もやーっと大きくなり始めたか」
 いきなり人の名前が出てきて、キオは頭の上にハテナマークを浮かべた。
 「あの……キラって」
 「しらねぇのか?この村一のハンターよ。ドンドルマやロックラック、ポッケ村からも呼び出しが来る世界をまたにかけるすげぇハンターさ。キラに弟子入りをするためにここにわざわざ遠くから来るやつもいるが、全部断られちまう」
 「すごい……ハンター……」
 こんな会話をしていると、かつてのジャンボ村を思い出す。今はまだマシになったが最初あたりはキオとクルトアイズぐらいしかいなくてとても苦労した。師匠はあの村では唯一頼りになるハンターだった。
 しかし、徐々にエーデリカやロッシィなどが入ってくれたおかげでキオの重荷が少し軽くなってきたところである。
 ギルドマネージャーは相当酔っているらしく、村長からの差し入れの霊水を飲みながら、キオに話を振ってきた。
 「チミはまだ新米か?それとも上位ハンターか?」
 「一応上位に……」
 ギルドマネージャーが小さな体で大きな瓢箪を持ったり置いたりするのでみていてとても面白く感じた。
 「上位だったのか!ひょひょ、アタシも昔は有名なハンターだったもんさ。まぁ、今はギルドマネージャーが性にあってるがね。酒を飲みつつ小話に花を咲かせる仕事なんて年寄りにはいいはなしじゃねぇか」
 「はははははは、あの〜……」
 ギルドマネージャーは、キオの対応の仕方に首をかしげた。
 「なんだ?」
 「さっきから思ってたんですけど、あの人が……」
 キオが気になっていたのは、さっきからクエストクンターの方で受付嬢の人がギルドマネージャーを読んでいるのである。真剣そうにキオ達が話していたからか、ずっとジェスチャーだ。
 キオがあっちに気がついたおかげだろう。やっとの思いで受付嬢は足音を立てて近付いてきた。
 「もうおじいちゃん!そんなに飲み過ぎてお客さんに迷惑かけたら駄目でしょ!あ、ごめんなさい。わたしここのギルドの受付嬢をやってるシャルロットっていいます。皆はシャルって呼んでいますのでどうぞ、シャルとお呼びください。よろしくお願いしますね。あなたは?」
 「俺はキオ。ジャンボ村からの派遣ハンター」
 それを聞いた瞬間、シャルの瞳が輝きだした。
 「ってことは強いんですね!じゃあ、これからもしかしたら色々と頼りたいことが出てくるかも………。その時は、頼んでもいいですか?」
 「べ、別に構わないけど……」
 できれば狩りにしてほしい。重労働や商売だったら逆にいい結果を出せないかもしれない。
 「なるべく狩猟にしてくれよ。俺、それ以外取り柄がないからさ」
 「大丈夫です!そのぐらい分かっています」
 分かっているという事は、キオがいかに無能であるという事も分かっているという事だろう。ミスったと、キオは心の中でため息をついた。
 別にロッシィみたいに気取ったり、女に興味を持ってもらいたいわけなんかじゃない。ただ、皆の中のキオの顔がつぶれたなと思っただけである。
 「な、なにか悪い事を言いましたか!?」
 「いや、別に〜」
 シャルはキオの突然の落ち込みぶりに動揺を隠しきれなかった。あたふた、あたふたと、頭を抱える。
 「言いますけど表情が『別に〜』って感じじゃありません!言葉と表情があってません!しぐさも何もかもあってません!」
 「本当、気にするな〜」
 「なんですか、その棒読みぶりは」
 キオはおかしくなってきて腹を抱えた。今はまだ笑うときじゃないと、心の中で爆笑を抑える。
 一方のシャルは、キオを落ち込ませてしまったどうしよう、やっちゃった!と、騒ぎまくっていた。
 「あのキオさん、キオさんは無能なんかじゃないと思います。ただ、ちょっとドスファンゴに負けたという馬鹿腕を直させたくて、村長はここに派遣したんじゃないんでしょうか?そう、そうですよ!きっと、村に新しい良い腕前のハンターが来たからキオさんに無理をするな、休め、という休暇をくれたんじゃないでしょうか!」
 「そうだったら俺泣くな」
 シャルの無意識に出てくる言葉のとげや毒がキオに音を立てて刺さって行った。馬鹿腕など、あんなことを言われるといくらなんでも立つ気力を無くしてしまうだろう。本当に立ち直れないかとすら思った。
 「それ、無意識発言だよな」
 「は、はい。もう思いっきり突っ走っちゃったので、何を言ったか覚えてませんが、きっと心の叫びを叫んだんだと思います!」
 心からそう思っていたとは、とキオは今度こそテーブルに突っ伏した。今度、師匠と毒舌大会をしたら一体どっちが勝つのだろう。たとえクルトでも、シャルには負けるのではないだろうか。馬鹿な妄想を始める。
 「あ、もう十時ですね。おじいちゃん帰るよ!じゃあキオさん、明日また」
 「あぁ、会えるといいな」
 なるべく関わらないほうがいい、と思ったが、狩猟受注にはここを必ず通らなければならない。そして、シャルと会話をしなければならない。
 毒舌対処にいくらスキルがあったとしても、絶対防げないと思うのはキオだけだろうか。
 シャルはおじいさんを引きずって外に出て行った。集会浴場も、人が斑になってきた。そろそろ家に帰らないと明日の狩りに支障が出る。
 キオは集会浴場から家に続く回廊を通って、家に入った。家はこじんまりとしているが、決して狭いというわけではない。逆に広いと言った方がいいだろう。
 本棚やベット、調理器具やオトモアイルーの為のものもきっちりそろっている。キオは荷物だけだと、越して来たようにはだれも見えないんじゃないだろうか。
 防具を脱ぎ、湯あみタオルを手に取ると、人が斑になった集会浴場の温泉で、旅路の疲れをいやすのだった
- Re: モンスターハンター【光の軌跡】 ( No.5 )
- 日時: 2012/02/17 01:31
- 名前: キラ (ID: DGGfSCZ7)
- 参照: http://id34.fm-p.jp/228/kazamasan
- ユクモの朝は清々しい。体中に澄んだ空気が澄み渡り、呼吸と共に、体中がろ過されていくような感じが体全身を駆け巡った。温泉や、滝などから出るマイナスイオンなどが、目覚めの良い朝を作ってくれたに違いない。 
 ドンドルマやジャンボ村にはない何かを感じた。そんなユクモ村を、キオは探索してみることにした。
 「おはよう、旅人さん。目覚めはいかが?」
 集会浴場から出て来た民族衣装を身にまとった女性に話しかけられて、キオは立ち止まる。
 「目覚めはよかったよ。空気がうまい気がしたもんな」
 すると、女性はお上品に笑った。
 「そう?この村の温泉は湯治としてもつかわれるのよ。温泉から噴出されるガスが空気を浄化してくれるのね、きっと。湯治って分かるかしら?」
 湯治、という言葉にあまりピンとはこない。
 「さぁ……」
 「湯治って言うのは、何らかの効果がある温泉につかって病気や打ち身などを直す、いわゆる治療法ね。とても効果があるらしいけど、ハンターさんにはもっと別の効果があるとかないとか………」
 言葉を濁され、どう答えればいいのか迷った。
 「そうなんだ。俺も狩猟前に是非、入ってみるよ」
 「そうしてくださいね」
 女性は軽く会釈をして、村の中心部の市場に降りて行った。ユクモ村には決して大きくはないが、立派な市場が存在する。商人が集い、それに伴いお客が集まり、とても賑わっていた。ジャンボ村とつい比較してしまうが、ジャンボ村よりも多くの承認が村を行きかっていた。
 「よぉ、坊主、武器はいらねぇか?」
 「たった今ピッケルグレードが入荷しましたよー!」
 「オトモアイルーの為の防具はいらんかねー」
 さまざまなものが市場に並んでいた。ハンターの買い物は大切である。限られた収入でより良い物を買い、それを生かしハントをする。そして、また収入が入り、と一つのサークルで結びついているのだ。買い物にも意味があると分かっただろうか。キオも週に一回ほど買い物をすることを決めている。
 どれもこれも物欲しくなり、つい目移りしてしまう。朝早いうちから人は多く市場に足を運んでいた。
 「キオ様、おはようございます」
 買い物をしていたのだろうか、村長がつかつかと歩み寄ってきた。
 「おはよう村長、急ぎの用事か?」
 「いいえ、急ぎではないのですが、是非、キオ様に狩猟してもらいたいモンスターがいまして………」
 狩猟、と言う言葉で身が引き締まったのが分かった。
 「狩猟、ですか……?」
 「はい、地をかける暴君ドスファンゴにございます」
 「ド、ドスファンゴ!?」
 村長はキオの驚きように何か?とほほ笑む。
 キオは弁解しながら苦笑した。
 キオにとってドスファンゴは因縁の対決相手でもあり、嫌な過去の二つのうちの一つに当てはまる。
 今はそんなものすごい強敵と言うわけではなくて、普通に見切れば倒せる相手だが、キオにもハンターになりたての頃が一応存在する。
 まず、父ちゃんの形見である双剣を手に取りドスファンゴに立ち向かって、ぼろ負けしたことがあった。それも五回もだ。
 そして、村長がドスファンゴに倒せなかったからと言ってクルトアイズを教育係に付けたこと、これが丸々一つの嫌な過去である。あの頃は、思いあがりが無意識的にあった。
 二つ目は話すと長くなる。自分の追い求めている父の姿と、クルトアイズの教育法が一致しなくてクルトアイズと対立したことがあった。対立、そんな言葉では言い表せないほどのぶつかり合いだ。狩猟に出かけても、口出しや手出しは一切させてくれない。会話も成り立たない。そんな時に、商人を砂漠から助け出す任務を嫌々ながら、クルトアイズは請け負った。クルトアイズはキオとの任務は何があってもこれが最後と言って狩猟に出かけた。この時だけ、クルトアイズは普通に接してくれた。その時期はちょうどガレオスとドスガレオスの繁殖期で、キオ達の行く手をガレオス達は遮った。商人を上手く逃がし、キオとクルトアイズはガレオスの排除に当たった。キオにも恐怖心と言うものは存在する。キオの一瞬の迷いと恐怖でドスガレオスが、ガンナーのクルトアイズから標的を変え、恐怖で動けないキオに猛特訓してきたのだ。キオ自身、もうこれが生命の最後なのだと感じ取っていた。しかし、痛みはいつになっても襲いかかってこなかった。クルトアイズが自分の身を呈して、突き飛ばしてくれたからである。クルトアイズはハンターを止めざるおえない怪我を負ってしまった。あぁ、あの時に動いていれば……と、思ったが怪我を負った当本人はそれを望まなかった。後悔をするならその経験を未来に行かせ、そう言われた。クルトアイズらしい発言だとは思ったが、一度ぐらい、面と向かって誉められたかった。そう思うキオが心のどこかにいた。その時からキオの心にとある言葉が残っていた。
 (師匠と言うものは身を呈してでも弟子をも守るものだ。たとえそいつが可愛くない弟子だとしても、俺が大切に育てた弟子に何ら変わりはない。本当は深入りするつもりはなかったんだがな、つい可愛がってしまったか)
 いつか、それを言える立場になるだろうか。キオは人生のどん底と言うものを、初めて目の当たりにした。しかし、キオが思うにその後悔を生かすことでより良い未来が生まれる、そのことをクルトアイズはキオに教えたかったんじゃないだろうか。
 「商人が荷車と商売道具を置いてきてしまったそうです。狩猟に成功したら、持って帰って来てはくれませんか?」
 「分かった。その依頼、受ける」
 「お願いしますね、場所は渓流です」
 契約金のゼニーを払い、受注用紙をもらうとキオは家に戻った。
 適当に回復薬やペイントボールなどを詰め込む。何でもいい。腕に迷いはない。脳はすでに渓流のドスファンゴに向けられていた。
 荷物の中の双剣を見る。これを気に、双剣で挑んでみるのも悪くはない。負けたら負けたで潔く片手剣に戻ればいい。キオはガノカットラス改を鞘におさめ、ベルトにかけた。
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