二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 未来日記 —リバース— @原作を知らなくても見れる作品です
- 日時: 2012/03/01 19:25
- 名前: イナバ ◆5VZ6lwsTJw (ID: ugLLkdYi)
 未来が見えるようになったら、どうしますか?
 しかしそれによって、命を狙われる確率が増えるとしたら、どうしますか?
 それでも、その命を狙う者全員を倒せば、自分が神になれるとしたら、どうしますか?
 突然、そのライバルが二倍に増えたら、
 どうしますか?
 どうも、初めまして、イナバと申すものです。
 本作は「未来日記」の二次小説です。
 一章以降は完全オリジナルストーリーとなっています。
 一部流血など過激な描写があります。
 また、主要キャラクター含め多くのオリジナルキャラが登場します。
 苦手な方はブラウザバックお願いします。
 目次
 プロローグ『空想、未来』
 >>1
Page:1
- 第一話『傍観者』 ( No.1 )
- 日時: 2012/03/01 19:22
- 名前: イナバ ◆5VZ6lwsTJw (ID: ugLLkdYi)
- ホームルーム終了のチャイムが鳴る。 
 「最近は物騒だから気をつけて帰るように、以上」
 その後に繋げて「日直」と先生が言い、その日の日直が立つ。
 「起立、礼」
 今日の学校生活を終わる挨拶の後、生徒たちは次々に帰り支度を始め、教室を出ていく。
 僕は手早く支度を済ませると、ポケットから携帯を取り出した。
 僕の席の近くで何人かの生徒が話している。
 一人はボールを持っている。これからバスケでも始めるのだろう。
 「今日、開いてるの?」
 「使っていいって。でも人数足んねーじゃん」
 「良いよ誰でも。面子揃えば……」
 別にどうでもいいことだと、僕はその作業に集中する。
 「おい天野、お前さ……」
 「止めとけって」
 一人が僕の名前を呼ぶが、それはすぐに制される。
 「何で?」
 「付き合い悪いもんアイツ、来ねえよ」
 何となく居心地の悪さを感じ、僕は椅子を立ち、教室を出た。
 僕はいつも傍観者だ。
 これでも、小学校の頃は遊びに誘われたりもしたんだけど、それを断ってたらこうなった。
 何もすることがない僕は、日記をつけることが趣味となった。
 目にした事をただ書き止める傍観者は、居心地が良かった。
 [4/21 15:45 [通学路]
 いつもの石が転がっている。
 今日は右へ行こう。]
 僕にも、友達はいる。
 それは、空想の中の存在だけど。
 ベッドに座り、毛布を被り、その「友達」の名前を呼ぶ。
 「——デウス」
 それは、僕の目の前に現れた。
 人間とは比べ物にならない巨体。
 仮面の様な顔をしたそれが、僕の友達。
 『雪輝か、少し待て、今因果律の調整中でな』
 「……また何か始める気?」
 『たまには世界に刺激がなくてはな……』
 「刺激の一言で戦争なんか起こされちゃたまんないよ……」
 『そういうな……今度のゲームは、面白いぞ……』
 こいつは時空王、「デウス・エクス・マキナ」。
 時と空間を管理する、神だ。
 早速これを日記に記そうとすると、横から声がかかる。
 『また日記か? よくそんなにつけることがあるもんじゃなぁ』
 「う、うん、時間と場所と起きたこと、僕の見たものを全てつけてるんだけどって、ボロボロこぼすなムルムル!」
 その小柄な女の子の姿をした「ムルムル」は不満げに言う。
 『アホじゃな……』
 そして食べていたトウモロコシをプププ、と僕の顔に飛ばしてくる。
 「……それ、やめて」
 ムルムルはベッドに座り直してまたトウモロコシを食べながら言う。
 『それでは無差別ではないか』
 「そうだね、僕の日記は、目的のない『無差別日記』だからね……」
 ふーんとあまり興味無さげにムルムルはトウモロコシを食べ続ける。
 夢もなく、目的もなく、僕にあるのは、この日記と空想世界だけ。
 『——寂しいのか?」
 デウスの声がかかる。
 「別に……」
 『——しかし、変われるものなら変わりたいと願うか?』
 俯く僕に、もう一度デウスは言う。
 『——良いだろう、お前に未来を与えてやろう』
 それと同時、携帯の着信音が鳴る。
 『——これがお前の未来の扉だ』
 「……僕の携帯じゃないか」
 [Day 4/21 15:50
 from Deus ex machine
 sub (non title)]
 「……何を企んでるの?」
 『——面白いゲームだ』
 彼が今何を企んでいるか、僕には分からなかったが、
 「まぁ、良いか。どうせ空想だしね」
 そう、軽く思っていた。
 *
 「はぁ……はぁ……!」
 息を切らし、逃げる女性をただ歩いて追い続ける。
 「お願い! 開けて! 誰か、お願い!」
 家の裏口をどんどんと叩きその家の人間に助けを請う。
 しかし、その扉が開けられることは無い。
 そういう「未来」だから。
 「嫌……嫌よ、何でこんな……——ッ!」
 その女性が次に声を上げることは無かった。
 ###
 あとがき
 *は視点変更です
- 第二話『未来』 ( No.2 )
- 日時: 2012/03/01 19:24
- 名前: イナバ ◆5VZ6lwsTJw (ID: ugLLkdYi)
 「何だ、これ……」
 次の日、僕が携帯を開くと、信じられないことが起きていた。
 寝ぼけ半分にそれを読みあげる
 「4月22日、6時58分。日課のダーツはダブルブルだった……」
 そう、未来の出来事。
 「7時5分、自宅、ダイニングで通り魔事件の報道が流れている、すぐ近所の様だ……」
 日記に付けているはずがない、今日の出来事が記されていた。
 「しかも犯人は逃亡の際、僕の中学の敷地を通ったらしい……」
 何で今日の日記がもう……
 寝ぼけて書いたのか?
 「……まぁ、良いか」
 その時も特に疑問には持たなかった。
 ダーツを一つ取り出し、それをダーツボードに向かって投げる。
 ダーツはボードのちょうどど真ん中に刺さる。ダブルブルだ。
 「……! ダブルブル……調子いいじゃん」
 ただの、偶然だ。
 『次のニュースです。本日未明、桜見町の路地裏で、刃物で刺された女性の遺体が見つかりました』
 ニュースを見ながら朝食の支度をする。
 『桜見警察では、犯行の手口から桜見町を中心とした一連の通り魔による犯行とみて捜査本部を設け、捜査に乗り出す方針です』
 「また通り魔か……」
 最近は物騒だな、と思いながらニュースを見る。
 『なお犯人は、逃走の際、桜見中学校の敷地を通っており……』
 「——っ!」
 さすがに驚いた。
 僕は慌てて携帯を取り出し、日記を見る。
 [4/22 7:05 [自宅]
 ダイニングで通り魔事件の報道が流れている。すぐ近所の様だ。
 しかも犯人は逃亡の際、僕の中学の敷地を通ったらしい。]
 動揺で、それ以降のニュースは聞こえなかった。
 偶然だ、偶然に決まってる。
 登校中、いつもの坂道を上りながら、携帯を見る。
 [珍しく高坂と白石の登校時間と被る。]
 あの二人は部活がある、さすがにないはずだと思っていると、
 「ぃよーっす!」
 「おぅ!」
 背後から元気のいい挨拶が聞こえた。
 「っ!!」
 高坂と白石、何で今日に限って……
 お前ら陸上部だろ? 朝練はどうしたんだよ!?
 何で、今日に限って、こんな……
 [9:30 [学校2−B教室]
 数学の抜き打ちテストがある。
 回答は——]
 偶然じゃない、なんだよ、これ……
 答えが書いてあるじゃん……!
 あ、合ってるのか? これ……?
 「よ! どうだった、雪輝?」
 「いつも通りさ……高坂には、敵わないよ……」
 「……調子狂うな」
 日記通り……。
 [12:32 [学校2−B教室]
 昼休みに、また高坂が嫌味を言う。]
 [14:05 [調理実習室]
 里中が手を切り保健室に行く。]
 [16:12 [下校中]
 学校の近くで警察が聞きこみをしていた。
 TVの通り魔事件だ。]
 全て、日記通りになった。
 「この日記——これは……」
 『そう、お前の未来を知ることのできる日記だ』
 当たり前のように言うデウスに、勿論僕はこういう疑問を抱く。
 「何でだ! お前は現実じゃないのに、どうして僕の未来が分かるんだ! お前は、僕が空想した神であって——」
 その答えは、思いもよらないものだった。
 『神ならば、お前の空想の世界に住まう事も可能ではないか』
 何だ、それ……
 と言う事は、デウスもムルムルも実在してる?
 『そういうことじゃな』
 いつの間にか僕の横にドラム缶を足場に立っていたムルムルが言う。
 『しかしその日記……』
 その質問は終了した、と考えたのかデウスは次に知りたかったことの答えを述べはじめる。
 『未来が見れる代わりにデメリットもある。未来日記は所有者そのものだ。未来日記が壊れると言う事はお前の未来を失うという事……』
 つまり——
 考えたくない。聞きたくない。
 しかし、デウスは続けた。
 『つまり、死ぬのだ』
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