二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照2200突破激感謝!
- 日時: 2012/09/23 21:33
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: PDUPGN/L)
 ++ attention ++
 
 最近更新が偏りがちで申し訳ないです。結構なスランプに陥っています←
 そんな中での参照数2200突破、本当にありがとうございます!! 遅れがちですが、頑張ります!!
 ++++++++++++++
 ——帝光中学校バスケ部
 5人の天才と、幻の6人目、そしてもう1人、
 その天才がいた時代を人々は“キセキの世代”と呼んだ——
 
 ◆ ◆ ◆
 はじめまして、悠希です。ゆうきって読みます(^-^)ゞ
 “黒子のバスケ”が大好きですbb 基本あにめも漫画も観てます!!
 そして両方大好きです♪ 黒バス大好きだー♪
 小説は基本あにめと漫画の両方を見ながら書いて行きたいですvv
 ちなみにここでははじめて書かせていただくので、頑張ります!!
 
 注意事項に一応目をお通し下さい(`・ω・´)
 ◆ 注意事項 ◆
 
 +オリキャラは♂♀両方でてきますvv
 +原作沿い(あにめand漫画)で行きます!
 +うまくかけるか分かりませんが、誹謗中傷はおやめ下さい.
 +こめんとくださると自信になりますbb
 +更新速度は不明ですがよろしくお願いします(´・ω・`)
 【現在不定期更新。スランプ気味ですが頑張ります】
 それではよろしくお願いします!
 
 ■ Let's start. □
 
 +注意事項 >>000
 +おりきゃら紹介 >>002
 +由梨生誕祝い >>024
 +麗也生誕祝い >>055
 
 ■ ANOTHER STORY ■
 [帝光時代の番外編物語]
 +ANOTHER STORY.01 バスケットボール >>051
 □ 本編目次 □
 
 ■バスケ部入部編■
 +第1Q.元帝光中学バスケ部です >>003
 +第2Q.誠凛バスケ部“監督”さん >>005
 +第3Q.彼は強いですよ >>006
 +第4Q.別に好きとかじゃないんだ >>007
 +第5Q.向かう場所は同じ >>011
 
 □誠凛vs海常-練習試合-編□
 +第6Q.お久しぶりです >>012
 +第7Q.負ける気ないから >>013
 +第8Q.全力で叩き潰す >>015
 +第9Q.ぶつけ合った拳 >>016
 +第10Q.これでも一応“7人目”だから >>017
 +第11Q.迷惑かけっぱなしだ >>018
 +第12Q.女だからってなめないでよ>>019
 
 ◆インターハイ予選編◆
 
 (vs新協学園高校)
 +第13Q.This is japanese lunch time rush!! >>020
 +第14Q.気合い入れるわよ >>021
 +第15Q.パパ・ンバイ・シキ >>022
 +第16Q.俺に勝てるのかよ >>023
 +第17Q.人事は尽くした >>026
 (vs正邦高校)
 +第18Q.頑張らないとね! >>027
 +第19Q.泣くっすよ >>028
 +第20Q.うちにもいるんだよ >>029
 +第21Q.借りを返しに来ました >>030
 +第22Q.最後はいつもの彼のシュートで、 >>032
 (vs秀徳高校)
 +第23Q.勝つのは俺らだ >>034
 +第24Q.憧れてたんだ >>036
 +第25Q.ホークアイ >>037
 +第26Q.次は止める! >>040
 +第27Q.俺ら仲間じゃないのかよ >>042
 +第28Q.限界を超えて >>043
 (vs桐皇学園高校)
 +第29Q.背負い込まずに >>046
 +第30Q.お元気してましたかっ!! >>048
 +第31Q.信じてください >>054
 →→→地味に“テニスの王子様”の小説書き始めました。気が向いたら来て下さい(^ω^)
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- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照1500突破激感謝! ( No.39 )
- 日時: 2012/09/06 22:36
- 名前: ハルはる (ID: 6C/2QBw5)
- 来ました! 
 前から読んでいたんだけど・・・
 自分の小説に手一杯で・・・すいません。
 麗也かっこよすぎる・・・
 由梨可愛い!
 頑張ってぇ!
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照1500突破激感謝! ( No.40 )
- 日時: 2012/09/08 21:05
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: pibIqQxN)
 +++コメント感謝(^ω^)やる気の源です++++
 >> 茅
 
 うん、友情って本当いいよね(`・ω・´)
 皆これから頑張ります!
 とにかく麗也は頑張らせる!!←
 こめんとありがとう。頑張ります!
 >> ハルはる様
 
 いえいえ、謝られる事はないですよ(^ω^)
 麗也と由梨、お気に召していただけた様で嬉しいです♪
 こめんとありがとうございます!
 頑張っていきます! ハルはる様も頑張ってください!!
 +++体育祭間近(・ω・´)暑すぎワロタ←+++
 ——センターラインからの余裕のシュート。
 流石だ、なんて場に合わずも麗也は笑っていた。
 @第26Q.次は止める!
 
 「……ねぇ、由梨」
 「……はい?」
 
 「——黒沼君、凄く顔色悪くない……?」
 ビクリと由梨の体が驚きで跳ねた。——流石に気付かれているようだ。
 由梨は瞑目した後、“そうですね”とだけ答えた。
 「……でも、今交代したら……」
 「……緑間君がいるから、結構痛いわね……」
 (それに……きっと麗也は変えてほしくないはずだから)
 頑張って——と、由梨は心の中で叫んだ。
 *
 ——火神がボールを放る。位置的にはスリーである。
 (って火神……スリー苦手なんじゃ……?!)
 が、火神はそのまま走り出し、見事にリングに弾かれたボールをダンクで決めた。
 数分前“新技行くぜ”と言ってきた意味を理解し、麗也は微笑む。
 (なるほどな……)
 こちらに走ってきた火神に拳を出す。コツン、と拳がぶつけあわれた。
 その時——ドリブルをする音が、誠凛のゴール下から聞こえ始める。ゆっくりと全員がそちらを見た。
 「……緑間? ……まさか!」
 点数は13対16で秀徳のリードだ。今スリーを決められるのは——正直痛い。
 麗也は勢いよく走りだした。緑間がシュート体勢に入る。
 (ちょっとでも触れられれば——!!)
 思いっきり麗也が手を伸ばした瞬間——ぐらりとその体が傾いだ。
 少しだけ触れられたようだ。ボールはリングの上を回り——何とか入った。
 それと同時に第1クォーターが終了する。
 「……黒沼。お前……まさかフルで出ているのか?」
 「……敵の心配してどーすんだ。つか、……次は止める!!」
 ニカリと笑う麗也に対し、緑間は眉間に皺を寄せたまま茫然としていた。
 *
 「黒沼君、大丈夫? 顔色が——」
 「大丈夫です。最後の緑間、止められずにすいません」
 「止める……って、正気か?!」
 日向からの問いに、麗也は力強く頷いた。
 そして由梨に渡されたタオルで顔を拭きながら説明する。
 「少しでも触れられれば……ボールの軌道を少々変えられます」
 「でも結構なジャンプ力がいるぞ?! そんなジャンプ力——……あ、」
 全員が火神を見た。火神も薄々感づいたようで、笑っている。
 
 「……いいじゃんそれ。やってやる……ですよ」
 「文脈おかしいから。……でもって黒子。パスはどうだ?」
 「……相変わらず彼に止められます」
 「ん……ま、今はそれでいい」
 「とりあえず……黒沼君、質問。黒沼君のシュート範囲はどのくらい?」
 「えーっと……。まぁ一応、コート全部です。どっからでもいけますよ」
 「そう、どっからでも……ってえええっ?!」
 リコは目を見開いて叫ぶ。麗也は頷いた。
 他のメンツも絶句している。
 (うちにも……化けもんいた————!!)
 (そんな奴がこんな近くにいたのかよ?!)
 (まじなんなんだよキセキの世代!)
 「次のクォーターから全力で行ってちょうだい。……でも顔色が酷いのよね。ホントに大丈夫?」
 「大丈夫です、いけます」
 その言葉にリコは力強く頷いた。
 *
 ——黒子のパス回しは相変わらず高尾に止められ続けている。
 麗也はあれ以来シュートをひたすら打ち続け、なんとか点差をキープしている。
 38対45。なんとかひとケタ差である。
 (……もう、1回!)
 ボールが再び回ってくる。尋常じゃない汗をかきながら、麗也はシュート体勢に入る。
 センターラインよりもさらに遠い位置から、麗也はボールを放つ。
 (———入れ……!!)
 麗也の思いに答えるかのように、ボールはゴールに入った。
 それと同時に第2クォーター——前半が終了した。
 「——4点差、か……っ」
 ————深く呼吸をする麗也。それにメンバーたちがハイタッチしに行く。
 遠くから離れて見ていた緑間は、近くにいた火神に“おい”という。
 「あ? 何だよ?」
 「……貴様ら、黒沼に頼りすぎだ」
 「は?」
 「確かにあいつのシュートはキレている。が……今のあいつの状態に気づけなければ、お前らは“仲間失格”なのだよ」
 冷たく言い捨て、緑間はベンチへと戻っていく。
 火神はそんな緑間の背中を見つめた後、ゆっくりと麗也に視線を向ける。
 (今の…黒沼の、状態……)
 ——気付いてやってくれと、彼の言葉には、そんな意味がこめられていた。
 火神は浮かぶ疑問を打ち消し、一旦控室に向かった。
 *
 緑間って優しいですよね。ツンですが(笑)
 そしてグダグダすいません。
 
 ……次回、火神くんぼうそ(((((((
 でもないですが、のんびり書いていきます。
 
 結論:緑間はかなり優しい
 
 参照1600突破、本当に感謝です♪
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照1600突破激感謝! ( No.41 )
- 日時: 2012/09/08 21:18
- 名前: 茅 (ID: nq7vYh80)
 おお〜、参照1600突破、おめでとう!!
 やっぱ、緑間ってツンデレだよね〜!
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照1600突破激感謝! ( No.42 )
- 日時: 2012/09/09 21:47
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: pibIqQxN)
 +++++
 >>茅
 ありがとう! 凄い嬉しい(^ω^)!
 ツンデレだよね!!www
 でもそこが良いんだよねbb(笑)
 +++++
 
 『……何故お前はそこまで無理をする。もっと頼ればいいのだよ、……俺達を』
 『充分頼らせてもらってるから。……ごめんな。ありがとう、緑間』
 『……俺は別に、お前に感謝されるようなことを言った覚えはないのだよ』
 @第27Q.俺ら仲間じゃないのかよ
 ——ふっ、と、麗也は目を開ける。今は控え室だ。
 何か周りが会話をしていたようで、少々かたかった空気が和んでいる。
 (でも…さ、一つだけ……気になるんだよな)
 ちらりと火神に視線をやる麗也。いつもと何かが違う。
 ——周囲を頼っていないようなそんな感覚。彼一人でプレイをしているように感じる。
 (ちょっと……背負いすぎじゃないかな)
 何か胸に黒いモヤが生まれる。不安というものだろうか。
 一応気にしておこうと心に決め、麗也たちは後半戦へと向かった。
 ■ ■ ■
 ————第3クォーター、開始である。
 黒子は一旦ベンチである。そして麗也のマークに高尾が来た。高尾はにやにや笑っている。
 「よお、黒沼クン。……悪ぃけど、シュートはうたせねぇからな?」
 「……それはどうかな。そういうの言われると……余計燃えるんだよね」
 負けじと麗也も余裕の笑みで返して見せた。
 その時、いきなり緑間にパスが回る。と同時に——火神が飛んだ。
 「——高い……!!」
 緑間も少々驚いているようだ。だが……、少し高さが足りない。
 飛ばれながらも緑間はそのままシュートを決めた。高尾も麗也に行かせる気はない様だ。
 
 「今俺が君さえ抑えとけばまだよし。あとは真ちゃんが決めていくぜ?」
 「……悪いけど、今は君にばかり集中してる余裕はないみたいだ」
 「……は? 何言って——って完全スルーしてボール取りに行くのかよ?!」
 麗也は高尾を置いといてとりあえずボールを取りに行く。
 日向が麗也に気づく。そしてボールを回してくる。——高尾がシュートのブロック体勢に入るのが見えた。
 (……だったら)
 ——瞬間的に、火神にパスが回された。
 一瞬火神は驚いたが、そのままダンクをかました。全員が茫然としている。
 「え……ちょ、今……黒子のパスだったよな?」
 「いや、でも……黒子は今ベンチだし……」
 
 ベンチの黒子は一瞬目を見開いた後、納得したように微笑んだ。
 高尾も茫然としている。てっきりシュートが来ると思っていたからだ。
 (今のパス回し……こいつもできんのかよ……?!)
 再びボールが放られる。麗也にボールが来た。
 それを見た高尾は、今度こそとシュートのブロック体勢に入る……が。
 (また……!)
 ボールは見事にパス回しされた。会場に沸く歓声。
 どうやら全員分かったようで——麗也にハイタッチをしに行く。
 「黒沼お前……パス回しもできたのか?!」
 「黒子には負けますけど、これくらいなら。シュートかどうか惑わす事も出来ますし」
 「凄いなお前! ナイスパス!」
 
 
 ハイタッチを交わした後、麗也はベンチの黒子に目線を向ける。
 黒子は麗也を見て、ゆっくりと頷いた。麗也もそれを見て頷き、ポジションに戻った。
 ■ ■ ■
 (黒沼に頼りすぎ? 確かにそうかもしんねぇ……だったら!!)
 緑間の言葉が嫌に響いた火神は、かっと目を見開いた。
 なかなかいい感じの試合である。誠凛も秀徳に全く負けてはいない。
 
 「——黒沼! ボール!!」
 ボールを持っていた麗也に叫び、回してもらう。
 シュートとパス回しの両方を使う麗也は、先ほどから高尾を惑わしている。
 パス回し——と思いきやシュート。シュート——と思い気やパス回し。
 (あいつにばっかり……頼ってなんからんねぇ!! まけたくねぇ!!)
 ——一気に火神の雰囲気が変わったのを、麗也は見ていて感じた。
 それからは火神が突っ走る事が多くなった。
 一切周りが見えておらず、無茶なプレーをすることも多い。
 「っ……火神! ボール回せって!!」
 
 麗也が叫ぶが、火神は一人でゴールに向かっていく。
 ダンクを決めようとするが——緑間に弾かれた。
 そして一気にカウンターがやってきて、そのまま決められた。
 「——火神……!!」
 「————第3クォーター、終了です!!」
 麗也ははぁ、と息を吐いて、ベンチへと向かった。
 汗をふきながら麗也は火神に真剣な表情で言う。
 「火神、お前さっきから無茶しすぎだ。もっと周りを頼れよ」
 「……何言ってんだよ」
 「…………は?」
 火神はとても真剣な顔で言った。
 「現状秀徳と渡り合えんのは俺と黒沼だけだ。今必要なのはチームプレーじゃねぇ。俺が点を取ることだ」
 『何故あの時パスを出さなかったか、か……。愚問だな、黒沼。チームプレーを重視している暇はない』
 ———ふいにあの時の“彼”と重なる。
 その時……黒子が一歩前に出て、火神を思いっきり殴った。
 「なっ……にすんだテメェ!! テメェは負けてもいいのかよ?! 勝たなきゃ意味ねぇだろ!!」
 「一人で勝っても、意味なんかないだろ! ……今の状態で秀徳を倒せたとしても、きっと誰も嬉しくないです」
 「——甘っちょろい事言ってんなよ!!」
 
 今度は火神が黒子を殴った。そして叫ぶ。
 「そんなの、勝てなきゃただの綺麗事だろーが!!」
 「っ……じゃあ勝利って何ですか。試合が終了した時どんなに相手より多く点を取っていても……嬉しくなければ、それは勝利じゃない!」
 
 「……火神」
 静かに。静かに麗也は火神の名を呼んだ。
 そしてこれでもかと言うほど、火神の事を睨みつけた。だけど何処か悲しそうで。
 「……俺ら仲間じゃないのかよ」
 「————っ!!」
 「バスケは……“五人で”やるスポーツだ。一人でもワンマンプレーをした時点で……それは“チーム”じゃない」
 「…………悪、かった」
 その言葉を聞いて、麗也はいつもの優しい表情を見せた。
 そして黒子の方を見る。黒子はもう準備を終えていて、手首を動かしていた。
 「じゃあ僕も……そろそろ出します」
 「え? 何をだ、黒子?」
 「はい。…もう一つ。——今のパスよりも、もう一つ上があります。黒沼君と、今の火神くんなら……とれるかと」
 ■ ■ ■
 チームワークって大事ですよね(・ω・`)
 麗也は中学の記憶から、チームワークが乱れるのを好んでません←
 ちなみに途中でた声ははさみの彼で((((((
 
 次回。……例のパス、始動です(`・ω・´)
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照1700突破激感謝! ( No.43 )
- 日時: 2012/09/10 22:39
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: dhvyz82z)
 『無茶はしないでくださいね』
 『……無茶、しないでね?』
 『無茶しちゃだめっすよ!! 黒沼っち!!』
 @第28Q.限界を超えて
 ——ボールが加速し、火神の手元に収まった。
 わきあがる歓声と疑問の声。虚ろな目をしながら、麗也は笑った。
 
 「イグナイトパス……ってか」
 そのボールを火神が緑間のブロックを妨げ、ダンクを決めた。
 っしゃ、と麗也は小さくガッツポーズをする。
 「か、が——っ」
 ぐらりと視界が一瞬ぶれた。何とか姿勢を立て直す麗也。
 やばい、と直感的に麗也は悟った。
 と同時に酷い咳が出始めた。げほげほっ、とむせる。
 (く……るし……)
 その時、タイムアウトが要求された。
 一瞬ぼやけた視界に、鮮やかな水色が映る。
 「タイムです、黒沼君。一旦ベンチにいきましょう」
 「そ、…か。……ちょっと、キツイ、かも、しれな……っ!!」
 「あと…あと少しです。この試合、凄く頑張った君が……勝利の瞬間にいないのは、ダメですよ」
 めったに見ない黒子の優しい笑顔が、今度ははっきりと視界に映った。
 そっか、と今度は落ち着いた様子で麗也は言う。
 点差は——たったの2点。それを見て、麗也の目がいつも通りに戻った。
 ■ ■ ■
 秀徳がとったタイムアウトも終了。
 そして——ようやっと、火神が緑間のシュートを完全に止めた。だがもう足は限界のようだ。
 「——火神!! こっちだ!!」
 「黒沼っ……頼んだ!!」
 回ってきたボールを数回ドリブルし、シュート体勢に入る。
 ——火神が頑張っている。黒子が頑張っている。先輩が頑張っている。
 (だったら……俺だけダウンしてる暇はない!!)
 麗也の手からボールが放たれる。ここまで来てもまだ外れた事はない。
 スパッ、と軽い音をたててボールは見事に入った。
 「ナイスシュート、黒沼!」
 「っしゃあ!! もう1本決めてくぞ!!」
 緑間にパスは集中している。——それを黒子が弾いた。
 完全に流れは誠凛である。残りは……数秒。ボールがコートをかけ巡る。
 「——黒沼!!」
 そして麗也にボールが回ってくる。その瞬間、ブロックに2人が来た。
 それに対し、麗也は待っていたといわんばかりに微笑んだ。
 素早く日向にパス回しがされる。そしてそのまま日向が3Pシュートを決めた。
 「残りあと3秒で誠凛が勝った——!!」
 「おおーー!!」
 体育館内に響く歓声。……だが、緑間はボールを持っていた。
 そしてジャンプをしてシュート体勢に入る。
 足に限界を迎えている火神。が、それでも、と火神は飛んだ。
 「……信じていたのだよ。お前が飛ぶという事を」
 ——しかし、緑間はそのまましゃがむ。フェイクだ。
 絶句するメンバー。やばい、と悟った火神。
 だが、そのボールは見事に落とされ——逆に誠凛がもう1本、シュートを決めた。
 「……僕らも信じてました。火神くんは必ず飛ぶと」
 「そして……緑間はきっと、ボールを下げる……ってな」
 ————体育館に鳴り響いた、試合終了を告げる音。
 それと同時に、全員が叫んだ。
 「っしゃああああああああっっ!!」
 「っ……黒沼君、火神くん…!」
 黒子が寄ってくる。麗也と火神も笑い——拳をぶつけあった。
 85対81——誠凛の、勝利だ。
 
 (やったね、麗也……!!)
 にこりと由梨も笑った。
 ■ ■ ■
 「……あら? 黒沼君はー?」
 
 試合終了後、控え室でリコは尋ねた。
 だが全員体を痛みでプルプルさせたまま、知らないと言った。
 「トイレ……かしら? ちょっと探しにいって——」
 「じ……じゃあ、俺……行って、くるっス……」
 「え? ……火神くん、絶対動けないわよね? じゃ、じゃあ黒子君も一緒に行ってきてくれる?」
 「はい、分かりました」
 黒子が火神を支えながら控室を出た。
 ぷるぷる震えている火神をちらりと見て、黒子は尋ねる。
 「……どうしてそんな体なのに来たんですか?」
 「この試合……俺ぁ、アイツに……だいぶ、迷惑かけた。から、礼を……言っとこうと思ってな……いってえ!!」
 「…………そうですね」
 黒子も静かに頷いて、トイレに向かって曲がり角を曲がる。
 
 「……え?」
 「ちょ……おい……黒沼……?」
 壁にもたれるようにして、麗也が座り込んでいる。
 体が痛いのかと思ったが——その顔色を見れば違うと分かった。
 麗也は2人を見て安堵したように笑い、糸が切れたように倒れこんだ。
 「くろ……おい、黒沼——?!」
 「————黒沼君!!」
 ——体はもう、とっくに限界を超えていた。
 ■ ■ ■
 vs秀徳戦編、終了です。
 ぐだぐだと長くてすいませんでした(´・ω・`)
 
 参照数1700突破感謝です。
 本当にありがとうございます!
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