二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 紫弓 【銀魂】 ( No.22 )
- 日時: 2010/01/15 19:16
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
- 参照: ——『殺さないで、って素直に言ったらどうだよ』
- ■━━…拾七 
 静かな空気の中、ただ時計の針が進む音が鳴り響く。
 ただ3人の脳内は、先ほどの紫づくめの事でいっぱいだった。
 いきなり来て、家族の居場所を聞くなり、さっさと出て行ったあの人物。
 新八や神楽が今まで会った事無い人種であるのは間違いない。
 「銀ちゃん、新八…、ゴメンアル…。ワタシが変な事言ったから…あの紫づくめ…」
 神楽は申し訳なさそうに俯いた。
 銀時はそんな神楽の頭にポン、と手を置いた。
 「お前のせいじゃねーよ。あいつァ俺達が何しようと力ずくでも聞き出してたさ。そういう奴だ」
 慰められ、少し立ち直りかける神楽。
 「でも銀さん、あの人何者なんですか?」
 「見たところ、何かアイツと銀ちゃん仲良さそうアル」
 新八の問いかけに続き、神楽も質問する。
 銀時はふうと一息つくと、稜弥の事について話しだした。
 ■━━
 『さて、あん中に居なかったった事は、どっか出掛けてるんだよな? じゃ、待ってれば来るでしょ、多分』
 あまり説得力の無い見当を立てながら、稜弥は万事屋へと続く階段の前に立った。
 大通りに出っ放しだったら幕府の狗どもが来るかもしれねェ。
 面倒事は免れたい。
 『いやー、でも案外簡単に分かって良かったよ本当に! でもこれからどうすっかな、何しよっかな』
 待ってる間は暇だと思う。
 しかしする事が無い。
 そんな事で悶々と頭を抱える稜弥。
 『あああどうしようマジで俺暇なの苦手なんだよねェェ…。今から銀時ンとこに戻るか…、いやいやそんな恥ずかしい事できやしねェ』
 あーもうどうすればいいんだー!! と叫んでみる。
 周りから、何か変な目で見られたが稜弥は気にしなかった。
 ううう…と唸っていると、丁度探しものが稜弥の前に現れた。
 「あー…、すまぬがどいてもらえぬか。貴殿がそこにおると我が上に登れぬのだ」
 その藍色の髪は、稜弥の目に美しく映った。
 凛々しい顔立ちや立ち姿など、全ては写真より2倍美しかった。
 『あ、アンタ…』
 稜弥は震える指をその女に向け、すこし真の抜けた声で喋った。
 『センウさん…だったりして?』
 ■━━…
