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　＃07

「なーかえるー、なんでここじょしすくないわけー？おもしろくねーじゃーん」
「しらないですよー。せんぱいがおんなになればよくないですかー？」

ひゅんっ

…と言う音と共に、おもちゃのナイフがフランの頬をかすめた。

「あっぶねー。ものはなげちゃだめですよー」
「うるせー。ほんものなげるぞ」
「う゛お゛ぉい！！てめーら喧嘩すんじゃねーぞぉ」

沢田兄弟入園二日目。
朝っぱらからずいぶんと賑やかな部屋。

「はよっす。べる、ふらん」

そんな空気に早くもなじみはじめた武。

「きみたちうるさいよ…」

(幼稚園なので当然なのだが)群れて五月蝿いこの空気を嫌がる恭弥。

すると武がベルたちに声をかけた。

「お？まだむくろたちきてねーのな」
「しししっ、あんなしすこんあにきこなくていーって」
「えー？でもなぎちゃんかわいーですよねー」

ビュンッ…！ぐさっ…

…という音と共に、銀色に輝く三叉槍(の先端部分)がフランの後頭部にクリティカルヒットした。

「ぼくのかわいいなぎに…はなのしたをのばさないでください…」
「いててててっ…あっぶね…あといちみりくらいでしんでましたよー」

フランがぶつぶつ文句を言っていると、ちょこちょこっとある子が近づいた。

「…だいじょうぶ…？かえる…あなあいちゃった…よね…」

そう、我らが紅一点、凪だ。

「え？あ、はい…だいじょうぶですー」

突然の凪の行動に戸惑うフラン。
そのとなりでぎろっと睨む骸。

「にいさま。らんぼうは…だめ…」

くるっと振り返って骸に言う凪。
当然骸は何も言えない。

「これ…なおしておくね…？」

すると凪は精一杯背伸びしてフランのカエルをかぽっと取った。
そしてそれを大切そうに抱えてどこかへ駆けていった。

「…ふ〜ら〜ん〜く〜〜〜ん？？？」

どす黒い殺気を纏った骸(ＮＯ人間道)がゆらっとフランに近づく。

「げろっ！それみーのせいじゃな…い…ギャァァァッ……」












翌日。
フランの被り物は綺麗に直っていた。

…だが、フラン自信がぼっこぼこになっていたのは言うまでもない話。