二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】−白い絆− last up.091001 ( No.3 )
- 日時: 2009/10/03 21:37
- 名前: 暁月 ◆1pEIfYwjr. (ID: mdybEL6F)
- 綺麗な空と月。さっきまで土砂降りの雨が降っていたのが嘘みたい。 
 風が吹くと未だ湿っている髪の毛が冷たく感じる。
 秋の夜は冷えるから、さっさと部屋に行って寝よう。うん。それが良い。
 ぺたぺたぺたぺた。少し急ぎ足で廊下を歩く。
 ああもう、寒い寒い。早くお布団に潜りたい。
 肩を窄めて羽織をぎゅう、と握る。
 門を曲がると、どん!と誰かにぶつかった。
 「……痛てェな」
 紫の髪の男の子。痛い、なんて言ったくせに痛がってる素振りなんて全く見せてないじゃない。
 「ごめんね。大丈夫?」
 ぱちり。目を合わせた途端、背筋が凍った様な気がした。何この人。何でこんなに怖いのぉっ!
 三、相部屋
 「すみませんすみませんすみませんんんん……どうかこの命だけは…」
 時代劇の悪者に命乞いするかの様な台詞。自分でも情けないとは思う。けれど、こうしないとホントに殺されるんじゃないか。
 その子はぷい、と顔を反らした。指で横の部屋を差した。
 「此処がテメーの部屋だ」
 入れ、と言われて部屋の中に無理矢理放りこまれた。
 あいたたたた…畳で顔摺っちゃった。
 鼻をごしごし擦って顔を上げると、地獄の様な光景が広がっていた。
 「テメーは俺等と相部屋だからな」
 無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理。
 さて私は何回無理と言ったでしょうか…って違う。
 相部屋なのは分かる。何でコイツ等と!?
 最初に突っ掛かってきた子と、今ぶつかった怖い子とだなんて。
 唯一の救いは、真面目そうな男の子が一人いた事。
 「嫌ぁぁぁぁぁ!!こんな馬鹿そうな白髪と怖いお兄さんとなんてぇぇぇぇ!!」
 自分でも吃驚する程の乙女の様な声が零の口から出た。
 直後やかましい、って言われて白髪の子に頭を叩かれる。
 「叩く事無いじゃない!」
 「やかましいんだよ、チビ!」
 「チビじゃないもん!」
 「チビはチビ!」
 「チビっつった奴がチビ!」
 その後言い合いだった喧嘩は取っ組み合いにまで発展し、お互いの顔に引っ掻き傷が残った。
 髪の毛もバサバサ。着物も乱れに乱れて。
 じんじんと引っ張られた両頬が痛い。けれど代わりにアイツの髪の毛を掴んで思いっ切り引っ張ってやった。
 もう最悪。何なのよう、私何も恨まれるような事してないじゃない。
 「アンタと相部屋だなんて、ぜぇぇぇぇったい、嫌なんだから!!」
 最後にびし、と白髪を指差しそう言って深く布団に潜ってやった。
 アイツがいなければ、此処は悪くなかったのに。
 
