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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜大江戸イレブン! ( No.52 )
- 日時: 2010/09/16 17:05
- 名前: ゆうちゃん (ID: 66DLVFTN)
- 第十二話『法師の消失、弟子の涙』 
 「……どこまで知ってるんだい?君の目的は??なぜ大江戸に来た???」
 ヒロトの目がすっと細められた。
 「……佐久間、君は…………」
 ……俺は、
 なんのために?
 そう、最初は………
 「待て」
 円堂がさえぎった。
 俺はおどろいて、体が痛むのを忘れてがばっと、顔をあげた。
 「……ヒロト、今は佐久間の手当てと風丸の命令が先決じゃないのか」
 円堂の声はいつになく、低く、真剣で、みなが凍りついたように動かなかった。
 そして、小さい声で
 「聞きたくない奴だって、いるんじゃないのか?」
 俺はゆっくりと視線を動かした。
 源田、南雲、涼野………マッハと宮坂の姿が目に入った。
 賢いマッハはヒロトの次の言葉を察したのか、宮坂は雰囲気で感じ取っていたのか、二人とも黙ってうつむいていた。
 ……『聞きたくない』……か。
 そうかもしれない。
 だって二人は俺をずっと信じてついてきたんだから。
 俺は二人を見て決心した。
 敵なら。
 俺がこいつらの、大江戸の敵だって言うなら。
 ……わかったよヒロト。
 俺はお前の思ってるように最後まで演じきってやるよ。
 言葉を続けようと口を開きかけたヒロとより先に、俺は言った。
 「手当てはいらない」
 ゆるりと立ち上がった。
 ………これでいいんだ。
 ……………これで。
 「な、何いってんだよ。手当てなしじゃ、お前死……」
 「……いい」
 南雲の言葉を最後まで聞かず、俺は胸の前で印を結んだ。
 「‘消‘」
 ちらりと振り返ると、顔を上げたマッハと宮坂がいた。
 二人の弟子。
 旅の供。
 ……今までで一番信頼しあえた仲間。
 宮坂の頬を涙がつたっていった。
 決めたのに。
 胸がいたんだ。
 『……すまない』
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