二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.4 )
- 日時: 2009/12/10 23:27
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=11516
- 俺は毎日往復する長く急な坂を下り、自転車置き場まで走って降りた。すでに学校中を走り回った後だから下り坂でもかなり足にくる。 
 「ハァ、ハァ……」
 体力の限界を感じつつも、一目散にハルヒの家へと自転車のペダルをこいだ。
 「今頃はもう古泉は神人と戦っているのだろうか……」
 色んなことが頭に浮かび、わけが分からなくなりそうだ。そしてようやく……——
 「着いた……」
 何回か見たが、中々の豪邸だ。
 不審者に見えないよう、深呼吸をしてバテバテのこの状態に回復を図った。
 「ふーっ! 」
 だいぶ落ち着いてきたところで、家のインターホンに指を掛ける。しかし、妙に緊張する。ハルヒに何と言って謝ればよいのか……
 「いや、素直に謝ればいいんだ……」
 俺は覚悟を決めてインターホンを押す。
 「ピンポーン」
 寂しげにインターホンは鳴った。そして数秒後
 「はい……どちら様でしょう……?」
 女性の声だがハルヒの声ではない。母親だろうか……?
 「あ、夜分遅くにすいません。ハルヒさんの級友の……」
 俺は一応礼儀正しく挨拶をし、名乗ろうとしたが、
 「まぁ、もしかしてキョン君?」
 なんと、母親にまで俺のあだ名は浸透していた。しかし、なぜ級友と言っただけで俺と分かったのだろうか?
 「は、はい。そうです。」
 どぎまぎしながらも俺はちゃんと返事をした。
 「ちょっと待っててね、今ハルヒ呼ぶわ……」
 随分と気さくな母親なようだ。
 「はい、お願いします」
 しかし、いざハルヒに会うとなると緊張する。言うべきことは決まっているというのに……すると
 「もしもし……? 」
 ハルヒだ!
 「俺だ。話がある……」
 緊張が募ってか、言葉が硬くなる。
 それに、すぐに謝るのも変だろう。
 「…………いいわよ、入って!」
 「お、おう」
 俺はてっきり外で謝ればいいとばかり思っていただけに、少し動揺した。
 「どうしたの? 早く入んなさい! 」
 気のせいか、いつもより怒りがあらわだ。
 「わかった……」
 俺は快く承諾しハルヒの家に入った。
 「お邪魔します……」
 正直、ハルヒの家に入れられるとは思っても見なかった。
