二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: しゅごキャラ×鋼の錬金術師 *amuの旅* ( No.10 )
- 日時: 2009/12/19 12:17
- 名前: 瑠美可 ◆rbfwpZl7v6 (ID: pKqccoe0)
- 「あ! あむちゃん!」 
 あむの顔を覗き込む少女の姿があった。
 大きさは人間の拳ほど。濃いピンクの髪をサイドテールにし、頭には大きなハート形の飾りがついたサンバイザーを被る。
 そして赤形のチア・リーダーを連想させるような服を着ている。
 「ラ、ラン・・・・・・」
 ランは見てわかる通り人間ではない。
 『しゅごキャラ』と言う不思議な生き物だ。
 某モンスターではないので注意。
 『しゅごキャラ』は、一言で言えばなりたい自分が形になったものである。
 人間ならば性格を変えたいと思ったことがあると思う。例えば運動が得意になりたい、明るくなりたい、もっとかわいくなりたい・・・・・・等々思いつかないくらいある。『しゅごキャラ』はその願いが目に見えるような形で現れたものなのだ。
 「ここどこ?」
 あむは身体を起こす。
 ザーと身体中から砂が落ちる音が聞こえた。
 どうやら本当に砂の上に寝ていたらしい。
 辺りを見渡すと、見渡す限り灰褐色の砂ばかり。ぐるりと頭を回転させても、どこまでも砂は広がっていた。
 「砂漠じゃない?」
 「いや、それはわかるけど」
 問題なのはどうして自分が砂漠にいるかだ。あむは、頭の中でいままで起きたことを思い出していた。
 変な夢を見て、それから、それから・・・・・・
 ”「たすけて。あのせかいを。じゅんびはしてあげるから」”
 夢の言葉が脳裏に蘇る。あむははっとした。
 「そうだ。あいつよ! 夢の声のやつ」
 砂漠に放り出したのは、夢の声の主に違いない。あむはそいつを探そうと考え、砂漠の中に一歩踏み出した。
 「ちょ、ちょっと」
 ランが慌ててあむの前に回り込む。するとあむは思い切り怒鳴った。
 「ラン!」
 一瞬ひるんだように見えたランだったが、負けじと言葉を継ぎ返す。
 「お、落ち着いてあむちゃん! この砂漠の中をどうやって探すの!?」
 「えっと」
 あむは顔を伏せた。そしてうんうん唸り始める。
 「ほら。やっぱり」
 ランが呆れの成分が混じったため息を吐き出す。ランの言葉にあむは、返す言葉が見つからない。そのまま黙り込んでしまった。
 「あ」
 黙り込んで下を見ていたあむは、砂の中に何かが埋もれているのを見つけた。埋もれている物体の黒い部分が、少しだけ砂から顔を出している。
 
 〜つづく〜
 
 
 
