二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 銀魂 〜楽しみは多い方が良い〜 ( No.218 )
- 日時: 2010/03/13 17:06
- 名前: 藤崎パン ◆i9wQCXHO3o (ID: UAynsV1W)
- 参照: みなさんただいま!!完全復活藤崎パンですb 新PCより
- 「さ、さ、飲みなはれ!旨くはないけど枝豆やったらあるで!」 
 暮は山南に酒を注いだ。
 「……あ、ありがとよ、暮。でも俺酒弱いからこんなに飲んだら……」
 「大丈夫大丈夫!酒はええでぇ、パッとすンでぇ!」
 この会話からして、暮という女性は大方、関西のものだと思うだろう。
 もちろん、その通りである。彼女は生粋の大阪女だ。
 だがそれは口を開いたらの話で、彼女は
 金髪に蒼い目という、異様な容姿を持っているのである。
 第54訓 〜第1印象は信用できないから、第2印象を信じるとちょうどうまくいく〜
 暮、暮里は日本人である。
 金髪なのも染めただけだし、目もカラーコンタクトをしているだけで、戻ろうと思えばいつでも戻ることができる。
 が、
 彼女自身は日本などに興味はないのだ。
 京都で芸妓をやっていた昔も、山南の恋人である今も、彼女はいつも外国のことを考えている。
 外国、といっても天人のことではない。海を渡ってアメリカ、ロシア、イギリス、etc……
 地球上にある、日本以外の国に彼女は大きな興味を持っている。
 ド派手な容姿も、そのためだ。
 「今の日本人は、外を見なさすぎや。
 しどろもどろして何にもできひんで人生終わったら、何のために生まれてきたか分からへん。
 海を渡れば、もっと違う世界が広がっとる」
 今の動乱の世で自分の生き方を貫く暮里に山南は惚れ込んだ。
 いつしか、暮里は山南の内縁の妻となっていた。
 「なァえーすけ。アメリカはほんま楽しいトコやったでぇ。」
 暮里は海外旅行のことを楽しそうに話していた。
 山南はうんうんと相槌を打つ。
 こうして楽しそうに話す暮里をみていると、最近の悩みがすべて吹っ飛んだ。
 長い間あっていなかったのに、そんなことは微塵も感じさせない空気だった。
 幸せだと思える時間が流れた。
 山南にとって、
 暮里と話している時間が、この世で一番好きなモノだ。
 おそらく、暮里もそうであろう。
 2人は笑みを絶やさなかった。
