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「クソッ後少し……ッ!!」

（後少しでいいから力を……ッ!）
立っていることもままならなくなり、その場に崩れ落ちてしまう。
後ろを見る。

「あれ……」

重原がいない。大剣がない。からくりが転がっているだけだ。

「重原……?」

「サンナンさん危ないですよ。どいておいてください」

遠くから声がする。
その声にしたがって扉の端のほうに避難する山南。

＿＿＿＿＿瞬間





ドガァァァァァッッッ!!!


ものすごい音とともに、扉は壊された。


第82訓　　〜壊すときは周りの人への配慮を考えた上で実行しましょう〜


「ッッか、重原……」

もう何十回この名前を読んだことか。
だが、その1回は今までとは違った。

鞘に収められた大剣を持った重原がそこに居た。


「ここまで運んでくれたんですよね。迷惑かけました……今度は私が負ぶりますから」

そういって背中に乗せられた。
軽々と乗せられて、なんとなくムッとした。


「軽ッサンナンさん軽ッッ」

「うっせぇー」


工場をでた。


【工場閉鎖まであと0分1秒
　工場崩壊まであと＿＿＿＿＿】