二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 孤独ナ天使 【D.Gray-man】 ( No.1 )
- 日時: 2009/12/25 20:32
- 名前: 白夜 (ID: xETOa9mj)
- 【第7夜 たんじょう】 
 ゲホ、と血を吐き、それを手で拭う。
 今、僕───アレンは瓦礫の中に埋まっていた。
 勿論、神田もですよ。
 体のあちこちから、血が出たり、痛みを感じたり。
 ───でも今は、そんなの関係ないんです。
 あの姉妹を、護らなくちゃいけないッ!
 「神田ッ、行きますよ・・・ッ」
 「・・・待て、モヤシ・・・あれを、見ろ」
 神田があの姉妹の方を、指差して言った。
 そこには、姉が妹を必死に庇う姿と千年伯爵の姿。
 ───何を言いたいんだ?
 「神田、何ですか?」
 「───発動するぞ、イノセンスが・・・!」
 「え・・・・?!」
 もう一回よく見ると、あのネックレスが輝いていた。
 それに気づいた姉は驚き、千年伯爵は不気味に笑った。
 黄金に輝くネックレスは、だんだん形を変え───。
 大きな弓になった。黄金に輝く、大きな弓。
 *
 ゆ、弓?!
 突然わたしのネックレスが黄金に輝き、弓になった。
 黄金に輝く、大きな弓。
 そして、それは「はやく、はやく」と言うように見えた。
 そう、はやく使って、とでも言ってるように。
 『これは・・・壊すしかないデスネ・・・?!』
 「さ、させないッ」
 わたしは叫び、弓をかまえる!
 目標は千年伯爵。絶対に外さない・・・!
 「神風、桜花ッ!!」
 ふと、この言葉が頭に浮かんだから叫んでみた。
 わたしがうった弓は、光のような速さで飛んだ。
 飛んだ跡には、たくさんの桜の花が舞っていた。
 『これはこれは・・・けっこうな威力デスネ♪』
 ニコ、と千年伯爵は笑いながら弓を持った。
 嘘ッ、当たってない?いや、受け止めた?!
 あんな速さのモノを・・・?!
 「お姉ちゃん・・・今の何?」
 「マオ・・・分からないわ・・・」
 『ソレデハそろそろ・・・帰るとしますカ』
 「待てッ、千年伯爵!」
 「待ちやがれ!」
 二人の少年が駆けつけて来た。血まみれじゃないか。
 『エクソシスト・・・また今度お会いしまショウ』
 「千年伯爵・・・ッ、伯爵!約束は・・・?!」
 マオが叫んだ。
 『大丈夫デス・・・』
 「本当?」
 『えぇ・・・勿論デス!!!』
 爆音と共に、白い煙がわたしたちを遮る。
 何も見えないじゃない・・・!
 そのときだった。
 「テテオお姉ちゃん───────ッッッ!!!」
 「マオ?!マオ、マオッ!マオオオオオオオオ!!」
 『ソレデハ、御機嫌ヨウ・・・』
 千年伯爵は、マオを片手で持ちながら、夜空に消えた。
 そう、マオは連れて行かれたのです。
 残されたのは、わたし、白髪の少年、美形の少年。
