二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ*:;;;:*足跡*:;;;:*第10話UP ( No.179 )
- 日時: 2010/01/30 19:15
- 名前: くぅ ◆IzJizrmPNg (ID: eCrj8qey)
- 第11話[ブラック] 
 レッドとホワイトはトキワの森を抜け、次の町〝ニビシティ〟へと向かっていた。
 ……が。
 「……ああああっ!!」
 「どうしたんだ、ホワイト?」
 「……バッグを、トキワの森に忘れてきちゃったかも……」
 ホワイトは少し青ざめた顔をして答えた。
 すぐにホワイトはトキワの森へ行こうとしたが、レッドが一度止めた。
 「ついて行こうか?」
 「ううん、平気! スズもいるし、大丈夫!!」
 そう言うと、レッドは少しだけ不安そうな顔をしながら、走って戻っていくホワイトを見守った。
 トキワの森————。
 暗いわけではないが、決して明るい森じゃない。
 いつ、どんなポケモンが出てくるかわからないけど、大体予想は出来ている。
 「うーん、どこだっけなぁ……」
 ≪そういえば、トキワの森に入る前、誰かが〝天然の迷路〟って言ってたよ?≫
 ホワイトの肩に乗っているオニスズメ……スズは言う。
 正直言うと、ホワイトよりスズの方が賢いのかもしれない。
 「迷わないようにしなきゃ」とホワイトは呟くと、トキワの森を進んでいった。
 「——!!」
 ≪……どうしたの?≫
 「今、気配が……」
 森の木々は風によって揺れている。
 まるで、誰かを待っているかのように……。
 「……あれ?」
 ホワイトは辺りを見渡した。
 ……さっきと同じ場所に戻っていた。
 「え? どういうこと? なんで、あれ?」
 ……迷った。そう確信したホワイトは息を飲み込んだ。
 下手したら、帰れなくなるかもしれない。
 そう危険を感じたが、冷静に考え、森を進んで行った。
 「ねぇ、お前、もしかして迷子?」
 「……はい?」
 そんな少年の声は、上の方から聞こえてきた。
 ホワイトは上を見上げる。すると声をかけた少年は、1本の木の枝に座っていた。
 肩には、ポケモンのサンドが乗っている。
 「あの……えっと?」
 「……もしかして、これってお前のバッグだったりする?」
 ひょいっと、少年はどこからかリュックを出してきた。
 そのリュックこそ、まさしくホワイトのもの。
 「さっき落ちてたから拾ったんだけどさ、お前のだったんだな。ほら!」
 「わわっ!」
 「俺の名前はブラックっつーんだ。お前の名前は?」
 ホワイトはブラックが落としたバッグを慌ててキャッチする。
 そして小さな声で「ホワイトです……」と言う。
 「ホワイトかぁ……へー! ブラックとホワイト! なんか良い名前だな俺らって!」
 「そ、そうだね……ははは!!」
 ブラックの発言に、ホワイトは笑う。
 そしてブラックも笑って、二人で笑い合った。
 「……で、分かるの? 帰る道」
 「……えーっと……」
 「なんなら俺、ついていくか? ニビシティの方向だよな? 俺もそっちへ向かうからさ」
 「本当!? ありがとう!」
 迷子で困っていたため、ホワイトはものすごい笑顔でブラックに言うと、ブラックの顔が赤くなった。
 「……どうしたの?」
 「な、なんでもねぇよ……い、行くか!」
 「う、うん」
 ホワイトは「?」な顔でブラックを見た。
 ブラックは赤面状態で、ホワイトの顔を見らてなかった。
 (こいつが……ポケモンの記憶が見える……ホワイト。そして俺は……ポケモンの気持ちを読み取れる……ブラック。俺とこいつの能力に……関係があったりするのだろうか……?)
 ブラックは、心の中で、そう呟いた。
