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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re:悪ノ召使 勝手に妄想 ( No.2 )
- 日時: 2010/02/13 16:44
- 名前: 中一にしての鏡音廃 (ID: glXVlHlM)
- 「レンッ!何処にいるの?レン!」 
 今日も、少女の声が城の廊下を駆け抜けた。
 「王女様。廊下を走り回ってはいけません。お部屋にお戻りになってください。」
 「テトは、黙っておけ。レンー!レンッ!」
 「王女様・・・!」
 王女は、十四歳でありながら、まるで小さな子供のようにわめく。その時、王女を止めようとするメイドの後ろから、吸い込まれるような美しい声が響く。
 「リン様。私目は、ここにおります。お静まりください。」
 「レン・・・何処行ってたのよ。心配したじゃない・・・。」
 「キッチンに行っていただけですよ。」
 「えっ、て言う事は・・・・・・。」
 「今日のおやつは、ブリオッシュですよ。」
 「あら、おやつの時間ね。」
 急に機嫌が戻ったように、王女はおとなしくなり、部屋に向かう召使の後を跳ねながら追いかけていった。
 「さすが、レン様。」
 メイドは、静かに呟いた。
 毎日、王女の身の回りの仕事をする。それが、レンの仕事だった。苦しい時もある。辛い時もある。だが、レンは、その後に見れる王女の笑顔が、何よりも好きだった。だが、
 「レン、それは、偽造恋愛さ。」
 そう、大臣のガクポは言っていた。
 「いつでも、どこでも、自分のそばにいて、信用してくれる。そんな女性に、惚れないわけが無いだろう。」
 ガクポの言うとおりだった。
 いつも、片時も離れずにいたら、その相手に小さな恋愛感情を持つのは当たり前だ。それに、王女とレンの恋は、何があっても許されないことだった。
 たとえ、世界が崩壊しようとも。
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