二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN!】幻覚花弁。【オリキャラ募集!】 ( No.116 )
- 日時: 2010/04/03 13:06
- 名前: むく。 ◆Y1ybAG.6mU (ID: XTwzLzPc)
- ◎ #14 —fashion show!?→ 
 「流石に地上でこの格好はマズいんじゃないか?」
 強引に地上へ連れて来られた私以外の二人は不安気にして辺りを見回した。
 「細かい事は気にしないっ。一々気にしてたら詰まんないもん!」
 可笑しな格好をした男女四人が人通りの多い町をうろついてたら明らかに怪しまれるだろうがな。細かいどころか大事だろう。
 「こっからデパートに直行しよーっ♪」
 ゆりなは私達の「オーッ」などという合いの手を入れて欲しかったんだろうが、その中で誰も言わなかったのは言うまでもない。
 そんな事もお構いなしに胸を張って歩くゆりな。
 スパナは髪を掻き上げながら、野猿は私の隣でブツブツと愚痴を漏らしていた。
 私達が歩いているこの町は並盛といって特に変わった事のない平凡な町だ。私はこの町に住んでいた事があるから店の場所などは大体分かる。
 するとゆりなは大きな看板を見上げ、
 「う〜ん、ここで良いかな。じゃ、三人とも行くよ」
 デパートの自動ドアを堂々と潜り抜けた。
 店に入るとキンキンに冷房が効いていて、外の気温とは大違いだった。
 二階に上がるとすぐ前にあるのは浴衣コーナーだ。男女別の涼しそうな色の浴衣がずらっと並んでいる。
 「じゃあ野猿とスパナはテキトーに好きなの選んでて!私と郁チャンはそこで試着とかしてるからさ♪」
 ゆりなはニコっと微笑み、二人の背中を軽く押す。
 「野猿」
 すっかりゆりなのいいなりになっている彼に、
 「迷子にならないように」
 と告げた。野猿はアジト内でも時々迷子になるとγから聞いているからね。
 「そんな心配しなくたってオイラは迷子になんかならねーよ!」
 野猿は舌を出しながら笑った。
 「あっ、郁チャン。これなんかどう?あとこれも♪試着してみよーよ」
 「分かった」
 既に浴衣に目を付けていた彼女は私を試着室に押し込んだのだが、中々外に出ようとはしない。
 「早く出て」
 「え?別にいーじゃない♪女の子同士でしょ!ほらほらさっさと着替えた着替えたあっ」
 ゆりなは私の肩に手を当て隊服を引っ張っている。
 勿論私は彼女に従うしかなかった。
 ——数十分して、試着室から顔を出すゆりな。
 「ああスパナと野猿。ちょっといい?郁チャンの晴れ姿を見てやってよ♪」
 男二人がこっちに向かって来ると同時にゆりなはカーテンを勢いよく開けた。
 私は明るい店の光に当たりながら靴を履く。
 それと同時にスパナは顔を赤らめながら視線を逸らした。
 彼が小声で「可愛い…」と呟いたのにはゆりなに言われるまで気づかなかったけど。
