二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: テニスの王子様トリップ小説『創造された世界』 ( No.34 )
- 日時: 2010/04/02 09:03
- 名前: 霽月 (ID: j94.kxUq)
- 会議室へ着くと既に人は集まっており、殆ど席が埋まっている。 
 そして、学年ごとに席がまとまっていた。
 知り合いが一人もいないこの状況が妙に嫌だった。
 早く全員集まって終わらないかな—……
 「すいません、遅れました。」
 ドアが開くのと同時に全員がそこに注目する。
 あ…
 「きゃっ—!幸村先輩っっ!!」
 先程まで友達との会話に花を咲かせていた女子生徒
 は小さな声で囁きあっていた。
 やはり彼の人気はすごいのね…と感心する。
 あっちの世界でも彼のファンはたくさんいたもんね……
 「君さっきの……。」
 そう小さな声で私に話しかけ微笑む幸村さん。
 そして何故か私の隣に腰を下ろす。
 「はぁ…。」
 先程から嫌な視線をチクチク全身に受ける。
 「水野さんは部活は決めた?」
 「まだ…です。」
 委員長が話してる中聞いてくる
 幸村さんを無視できるはずもなく答えた。
 すると幸村さんは「そっか…。」と小さく笑う。
 その姿に隣にいた女子生徒はほぅ……と見惚れていた。
 大まかな説明や年間活動を決めた後私は一人、任された作業をしていた。気のせいかもしれないがここにきて使い走りにされてる気がする。
 「手伝おうか…?」
 「もうすぐ終わりますから…大丈夫です」
 まだいたのですか、幸村さん。
 彼の優しさが徒になってくるのは目に見えている。
 あぁ…もう。
 「やっぱり変わってる子だね…、それにしても手際がいいね。」
 未だにその場から離れない幸村さんに若干の苛立ちを感じた。
 もちろん態度に出せるわけがないが…。
 「雑務は得意…ですから。」
 ようやく全ての作業が終わりそのまま帰る支度をする。
 「それは得意…って事になるの?」
 ふふふ…と笑う彼を見ながら私はもしかしたら一般的に考えると幸せなのかもしれない、と思った。
 しかし私にとっては迷惑極まりない。
 「君みたいな子がうちのマネージャーになったら、いいだろうな。」
 その言葉に私の脳内はフリーズする。
 まるで本当に夢小説のようだ。
 いや冗談だよね。
 冗談きついよ……
 「あはは、失礼します。」
 今の言葉を無かったことにするかの如く私はその場を
 去る。
 忘れていた、ここはトリップした世界。
 つまり何の脈がなくても話の展開上何でもありなのだ。
 つまり、仁王雅治に会ったのもすべてお決まりな“展開"だ。
 まるで誰が書くような夢小説のように物語は展開されている。
 誰かが……
